2023年は物価高が加速した1年だった。円安や海外情勢による原材料費の高騰により、1年で累計3万品目超の値上がりしたという。誰もが肌身で物価高を実感したに違いない。福袋を販売するお店も例外ではなく、その影響は大きいはず。

……にも関わらず、恒例行事であることから、従来の価格を維持しているお店がある。老舗の菓子問屋「二木の菓子」も、例年と同じく税込1080円で福袋を販売している。

そこで福袋の内容を2019年当時と比較したところ、企業努力が心配になってしまった……。

・値段は据え置きなんだけど……

元日の上野・アメ横は、意外と休んでいるお店が多い。年末の書き入れ時を乗り越えて、1月1日を休む店も少なくない。とはいえ、最近は多国籍料理のお店が増えると共に、外国人観光客も急増している関係で、普段と変わらぬ賑わいだ。

二木の菓子の福袋は何度か紹介している。振り返ると、2019年の販売価格は税込1080円、菓子は全10点だった。

2023年も価格は1080円で、菓子は10点。

そして今年も、やはり価格は同じく税込1080円で、菓子はやっぱり10点である。

価格も菓子の数も変わっていない。

が！　福袋に詰め込まれた菓子の通常価格は、この5年ですごく値が上がっていた。2019年当時は「2300円相当の品」を1080円で販売していたのに、今年は「3300円相当の品」になっていたのだ!!

要するに、メーカー希望小売り価格が1000円も上がっている。にも関わらず！　福袋の販売価格は1080円据え置きのまま。身を切るような思いで福袋を提供しているんじゃないのか!?　安いのは有難いんだけど、商売的に大丈夫なのだろうか……。

・2024年の福袋の中身

まさしく「奉仕品」と呼ぶにふさわしい福袋の中身を紹介しよう。今年のラインナップは一部の商品を除き、昨年とほぼ同じである。

カルビー「ポテトチップス BIGBAG うすしお味 160g」。昨年は「のりしお味 152g」が入っていた。

東ハト「どっさりパック ポテコ・うましお味 110g」。昨年は118gだったが、メーカーの仕様変更なのか、8g減量している。

ギンビス「たべっ子 どうぶつビスケット 6パック」。昨年も同じものが入っていた。

丸彦製菓「ごま好き」、栃木県の製菓会社の米菓である。

しきしま「はちみつ入り ふ菓子 ふーちゃん」。これも福袋の定番。

ロッテ「チョコパイ 9個入」。

森永「ムーンライト ガレットサンド」。昨年のブルボン「アルフォート」に代わって、投入されている。

壽製菓「あずきどら焼き」。

明治「果汁グミ ぶどう果汁100」 。

リボン「アメボー」。どら焼き・果汁グミ・アメボーの3品は、昨年も入っており、福袋の定番と化している。

以上10点、これだけの商品が1080円は本当にお買い得だ。はたして来年も同じ価格で購入することができるだろうか？　できれば据え置きでお願いしたいところだが、会社が成り立たなくなってしまったら、元も子もないので、多少値上げしてでも二木の菓子が末永く続いてくれることを願っている！

・今回訪問した店舗の情報

店名　二木の菓子 第一営業所
住所　東京都台東区上野4-1-8
時間　10:00～20:00

執筆：佐藤英典
Photo：Rocketnews24