埼玉奥地にある「100万円の古民家」での作業は体力勝負。
280メートルものLEDテープライトを3時間もかけて家じゅうに貼り続けた私は、くったくたに疲れ果て、燃え尽きた灰のようになっていた。
しかし、ひとり黙々と「ジョウロ4つの永久機関(詐欺)」を作っていた上司Yoshioも疲労困憊のはずなのに、なんと私のために風呂を沸かしておいてくれたのだった。
それも単なる風呂ではなく、「お手製の簡易ボイラー」を使った露天風呂だ。
・焚き火式の簡易ボイラー
以前「露天足湯」をした時と構造的には同じなのだが、今回は連結せずに済む “長いスチール管” を用意して水漏れを防止。
仕組み的には、ホムセンで買ってきた収納ボックスに入っている水を、風呂の残り湯を洗濯機に入れる時によく使う「バスポンプ」で汲み上げ、スチール管に走らせる。
そんなスチール管の中を通る水は焚き火の上をグルグルと走り、温かくなって収納ボックスに戻ってくる。そしてまたスチール管に戻って焚き火ステージへ……というサイクルを経て、ホッカホカのお湯が完成するわけである。
「お〜い、羽鳥さ〜ん、入っていいよ〜!」
風呂好きのYoshioが自信満々の表情で、私を「収納ボックスの湯」に招き入れる。
掛け湯をしてから入ってみると……
ちょ……
最高かよ……!
最高としか言えないよ……!
お湯の温度もちょうどよく、疲れは一気に吹き飛んだ。
みなぎる活力、よみがえる気力。
やっぱり風呂は最高だ。
ちなみにカメラには写らなかったが、
私には見えていた。
☆
*
◎
★
夜空に浮かぶ満点の星空が。
横に目をやると焚き火があって、オシャレな観葉植物も置いてある。
そして目の前にはパリピ仕様にライトアップされた100万円の古民家が。
最高かよ。
リゾートかよ。
何もかも、最高だよ。
私が「Yoshioさん、ここ、温泉郷にしようよ」と言うと、彼は「ああ、いいね」と乗り気なようす。
いろんな風呂に入ってみたい。
千と千尋に出てくる湯屋「油屋(あぶらや)」みたいな施設にしたら面白そうだ。
ちなみにYoshioは私のためにサプライズとして「焼き芋」を用意してくれていたようだが、
それは焼きすぎて灰になっていた。
そんな失敗や、心遣いもまた、最高だった。
【つづく】
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24
▼100万円の古民家
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