ピスタチオは「ナッツの女王」と呼ばれている。その呼び名にふさわしく、ナッツ類のなかでバツグンに美味いと私(佐藤)は思っている。同じ意見を持つ熱烈なピスタチオ好きも多いはずだ。
好きであるがゆえに、中途半端なピスタチオスイーツが許せない。「もっと来いよ!」と言いたくなるような “お気持ちピスタチオ製品” に日々不満を抱いている。
そんな熱狂的ピスタチオファンを唸らせるお店が、東京・麻布十番に誕生した。「KINOMINO」は生搾りのナッツバターを提供する専門店である。ここにはなんと! 生搾りピスタチオバターがあるんだよ!! しぼり立てのピスタチオバターはマジでヤバい!! 食ってみろ、飛ぶぞッ!
・生搾りのナッツバター
ナッツバターの生搾りは、日本では馴染みが薄い。そもそもしぼり器(ナッツバター製造器)を置いているお店が少なく、市販のバタースプレッドを購入する人がほとんどだろう。私は2年前に「ナショナル麻布」で実際に味わって以来、あの美味しさが脳裏にしっかりと刻まれている。
しぼり立てのピーナッツバターでさえ、忘れらないほど美味かったんだから、ピスタチオならその上を行くはず。いつかしぼり立てのピスタチオバターを味わってみてえな~……。なんて思っていたら、2023年10月28日に生搾りのナッツバター専門店がオープンしていた!
ここにはある! しぼり立てのピスタチオバターがある!! 行くっきゃねえ!
……ってことでやってきました。店に入ると、奥に5台のしぼり器が鎮座している。5台もあるやんけ! 店内にかすかに漂うナッツの甘やかな香り。このニオイだけで心癒されてしまう。
常時4種のナッツバターと、それから月替わりでマンスリーのナッツバターを提供している。サイズは「レギュラー」と「ラージ」、バターの粗さは「スムース」「ミディアム」「クランチ―(粗め)」の3種から選ぶことができる。
なお、ナッツによっては粗さを指定できないものもあるので、お店の人に確認して頂きたい。
正直、それほど安いものではない。ピーナッツバターはレギュラー(約100グラム)で税込1380円。スーパーに売っているものなら、これの倍以上の量で半額以下だったりする。
だが、いずれのナッツも産地や品種を厳選しており、添加物を一切使用していない。混ぜ物なしのピュアなナッツバターである。多少高くても、ナッツ好きの私としては買わずにはいられない。
バターは目の前で瓶詰めしてくれる。オーストラリアから取り寄せたというマシンが、軽快な音を立ててピーナッツをしぼり出し……。
キター! この瞬間が1番芳しい。甘い香りにハイになりそうだよ。
・3種類購入してみた
購入したのは「ピスタチオ」(ラージ:税込2980円)、「くるみ」(レギュラー:税込1380円)、「ピーナッツ」(レギュラー:税込1380円)の3つ。
全種試食させて頂いて、どれも悶えるウマさだったんだけど、今回はこの3種類。とにかくピスタチオは絶対買う! と、固い決意で訪問したので、とりあえず目的は達成できた。
ご覧ください。ナッツバターの鮮やかな色彩を。これで私は当分、幸せな気持ちで暮らせそうです。
ちなみに賞味期限は2カ月となっているのだが、日が経つにつれて風味が落ちてくる。お店では3週間以内に食べることをオススメしている。
ピスタチオとピーナッツは粗めのクランチー、くるみはスムースでしぼってもらっている。3種ともナッツ本来の自然な甘さと深いコクがあり、そのままでも十分に美味しい。
とくに粗めにしぼったピスタチオは、ザクっとした食感も心地よく、今まで食べてきたどんなピスタチオスイーツよりも、はるかにピスタチオしている。コレだよ、コレ! 俺の求めるピスタチオはコレなんだよ! ガツンと来やがる!!
それぞれ食い合わせを試してみた。まずピーナッツバターはトーストだよね。
トーストに塗って食べると、甘さよりもコクが際立って感じられる。甘味を加えるならはちみつをかけると良さそうだ。ちなみにお店の公式インスタグラムでは、ピーナッツバターを塗った上にカットしたバナナを乗っけて、さらにはちみつをたっぷりとかけるアレンジを紹介している。オリーブオイルと塩を食わせてドレッシングにするのもアリかも。
ピスタチオはトーストに塗るよりも、甘味や塩気の強いものと合わせると良いそうだ。私はクロワッサンでチャレンジ。クロワッサンの食感とクランチ―なピスタチオバターがピッタリ合う。デニッシュ系のパンともきっと合う。
塩をきかせたパスタにソースとしてかけても良いだろうし、生ハムともイケるはず。アレンジ次第でさらに美味しい組み合わせを楽しめそうだ。
ついでにバニラアイスにつけてみたが、意外と合わなかった。控え目な甘さのチョコレートアイスなら良いかもしれない。
最後にくるみバターは、くるみみその焼きおにぎりにしてみた。コンビニの塩おにぎりを買ってきて、みそとくるみバターを1対1で合わせ、少量の醤油・みりんを加える。それをおにぎりに塗って、オーブントースターで軽く焼いたものだ。
くるみみそが焦げてしまうかもしれないので、先におにぎりに焼き目を付けて、あとからくるみみそを塗ると焦がさずに済むぞ(残念ながら、私は焦がしてしまったが……)。
とにかく、ナッツ好きを唸らせるお店である。お近くの人は、ぜひ生搾りを味わってほしい。遠方の方は、現在(2023年12月8日)通販サイトを準備中しているそうだ。開設されたあかつきには、純度100パーセントのピスタチオバターを購入して頂きたい。ナッツが好きなら絶対買い! しぼり立ての美味さで、飛んでくれ!
・今回訪問した店舗の情報
店名 KINOMINO(キノミノ) 麻布十番本店
住所 東京都港区麻布十番2丁目18-11 パーク麻布十番1F
時間 11:00~19:00 (L.O.18:30)
定休日 なし
参考リンク:KINOMINO
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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