それは衝撃的な告白から始まった。沖縄生まれ沖縄育ち、現在も沖縄に在住している友人と雑談していたところ「こっちの人間はそこまでサーターアンダギーを食べない」と言うのだ。え、サーターアンダギーめっちゃ食ってるんじゃないの?
それから紆余曲折あり、結果的に辿り着いたのが「都内にある揚げたてサーターアンダギーの店」──。果たしてどうしてそこに辿り着いたのか? 順を追って説明したい。
・20年来の友人
沖縄在住の友人を仮に「シーサーくん」としよう。彼と出会ったのはもう20年以上前のこと。当時シーサーくんは上京している時期で、私と彼は仕事の関係で知り合った。年齢が近く、今でも年に何回かはLINE等でやり取りする関係だ。
そんなシーサーくんから久しぶりに連絡があり、くだらない雑談をしていたのだが、終盤に私が「美味しいサーターアンダギーでも送ってくれ」と伝えたところ、彼から「沖縄の人はそんなにサーターアンダギーを食べない」という衝撃の発言があったのである。
「昔の人は知らないけどさ、こっちの人間はそんなにサーターアンダギー食べないよ。千葉の人だって毎日落花生を食べてるワケじゃないでしょ? 正直、美味しいサーターアンダギーって言われても全然思いつかない」
・マジか
なる……ほど。確かに名古屋の人がしょっちゅう ういろうは食べていないだろうし、広島の人が もみじまんじゅうばかり食べているワケではあるまい。……が、それでもサーターアンダギーに触れる機会は多いのでは……?
「確かに売ってるし、俺が小学生の頃は家庭科の授業で作ったな~。あと、ばあちゃんが生きてた頃は手作りしてたね。それは確かにウマかった。結局サーターアンダギーは揚げ物だから、揚げたてならどこで食べても美味しいと思うよ」
ふむふむ。確かに出来立てにかなり近い「ライフ」のサーターアンダギーは激ウマである。ただ、沖縄以外で揚げたてのサーターアンダギーなんて売ってないでしょうよ~。
「え、あるよ。東京にあるよ。俺も何年か前に付き合いで初めて行ったんだけど、揚げたてだから美味しかったよ。沖縄人絶賛って言っていいかって? まあ俺も沖縄の人間だからいいんじゃないの(笑)」
なんとシーサーくんいわく都内に「揚げたてサーターアンダギー」の店があり、しかも美味しいという。これは行かねばなるまい! というわけで駆け付けたお店とは……
「銀座わしたショップ(沖縄県物産公社)」
・物産店だった
多くの地方物産店が揃う東京交通会館の1階に「銀座わしたショップ」はある。歩道に面しているのでご存じの方も多いと思うが、その沖縄物産のショップ内の一角に確かに「揚げたてサーターアンダギー」は売っていた。
味は「プレーン」「黒糖」「紅茶」「コーヒー」「ピーナッツ」の5種類で、価格はどれも150円。どんな組み合わせでも5個なら725円になるとのことだったので、今回は全ての味を1種類ずつ購入した。
で、お味の方はどれもウマい! プレーンは思ったよりも甘さ控えめだが、ほんのり温かいサーターアンダギーはどれもザクザクとした食感。友人の言うように「確かに揚げたてだとウマい」と感じた次第だ。
また個人的なオススメは「紅茶」と「ピーナッツ」だろうか? どちらもそれぞれの味が濃いというよりは、フワッと香る系の味わいが好印象。もちろんこちらもほんのりと温かく、ザクザクとした食感である。
まさかこんなド都心に揚げたてサーターアンダギーが食べられるお店があったとは。サーターアンダギー好きの方は、ぜひ「銀座わしたショップ」をチェックしていただきたい。最後にシーサーくんの一言をお届けしてこの記事を終わらせるとしよう。
「中学生の娘2人はサーターアンダギーよりマカロンが好きだから、美味しいマカロン送ってよ」
マ・カ・ロ・ン
──完──
参考リンク:沖縄県物産公社
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.