お菓子に飲み物に調味料に……と数あるカルディ商品の中でも、難易度が高いのが「謎の外国料理の素」ではなかろうか。
マジで見たことも食べたこともない料理の素がしれっと売ってある。なんか美味しそうだけど、味の想像がつかない……。今回紹介する「魚香茄子の素」も、まさにそれであった。
新旧含めて膨大な食料品が並ぶカルディの商品を片っ端から試してみる……というのが本企画「気になるカルディ」である。
・「魚香(ユイシャン)茄子の素」(税込198円)
食いしん坊なので、それなりに外食で珍しい料理を食べているという自負があるのだが「魚香茄子」はメニュー名すら初めて見た。
調べたところ四川料理の定番で「魚香茄子(ユイシャンチェズ)」と読むらしい。茄子やピーマンが描かれたパッケージデザインの感じだと、麻婆茄子とか回鍋肉の親戚みたいに見えるが……。
「魚香」という文字を見ると、クセの強い味を想像してしまう。高校時代、中国に修学旅行で行ったのだが、出された食事の中には独特の風味が強いものもあった。
うーん、タイ料理で使うナンプラー(魚醤)みたいな感じだろうか。魚介系は好き嫌いが分かれるものも多い。ナンプラーなんかよりずっと魚の臭みが強かったり、香辛料が辛かったらどうしよう……などと考えてしまう。
・とりあえず調理してみよう
用意したのは以下の材料。この素ひと袋で2〜3人前の量らしい。
・茄子 4個
・ピーマン 2個
・豚の挽肉 150g
ちなみに、珍しい料理にも関わらず作り方の説明があっさりしすぎているのもカルディの「素」が怖い理由のひとつだったりする。
いきなり「鍋に多めの油を入れ、茄子を炒め、取り出します」って書いてあるけど、茄子とピーマンはどれくらいの大きさに切ればいいのさ……?
パッケージの写真を見て、茄子は大きめの乱切りに……。
ピーマンもちょっと小さめの乱切りに。
ほいで、茄子はどんくらい炒めたらいいんだろうな……。食べたことないからマジで分からないので、表面に焼き目がつくまで炒めてから取り出した。
フライパンでひき肉を色が変わるまで炒めたら……
茄子とピーマンを入れて炒める。これも加減が難しいよね。私は不安になっていつも焼きすぎてしまう。
最後に「魚香茄子の素」を入れて炒めあわせたら完成!
ちなみに素をそのままペロッと舐めてみたら、甘酸っぱ辛い味で、そこまでクセはなかった。
・いざ実食!
ぶっちゃけ、できあがった見た目は麻婆茄子にそっくり。自分で作っといていうのも何だけど、めっちゃ美味しそう……。
ドキドキしながらひとくち食べてみたら……。
「なにこれ、うんま〜〜〜〜!」
「魚香茄子」のネーミングでイメージするような臭みとか香辛料の香りはほとんどない。あるのは甜麺醤(てんめんじゃん)のようなコクのある甘みと酸味、そしてほどよいピリ辛感。
麻婆茄子ほど尖った辛さやしょっぱさがなく、甘みと酸味を強くしたような味でめちゃくちゃ食べやすい。なんなら麻婆茄子よりこっちが好きかもしれない。
初めて食べる味なんだけど、あまりにも馴染みすぎて「クックドゥのシリーズにあってもおかしくない味」だと思った。
・魚、入ってなくない?
で、食べていて気になったのは「魚香なのに魚介の香りがまったくしないな……」ということだった。
不思議に思って原材料を見たけれど、入ってるのは
醤油・酢・酒・砂糖、おろし生姜・おろしにんにく・豆板醤・ねぎ・植物油・粉末鶏ガラスープなど。
原材料のどこにも魚介類はない。なんならオイスターソースすら入ってないのだ。
気になって「魚香(ユイシャン)」について調べてみたところ、もともとは魚料理に使うソースだったけど、肉と野菜料理に使うことがメインになり、「魚香」という名前だけが残ったらしい。ちなみに、原材料に魚介はないし、今では魚介料理に使うことも一般的ではないとか……。なんて不思議なのだ。
ヒゲダンこと、Official髭男dismのメンバーに一人もヒゲの人がいないみたいなもんか。「魚香茄子」のご飯によく合う食べ飽きない感じも、そこかしこでヒットしているヒゲダンの曲っぽいかもしれない……。
しかし、この料理、日本だと名前で損してるような気がするぞ……。原材料はうまみのあるものだらけで、甘みと酸味のあるピリ辛風味はかなり日本人好み。
回鍋肉や麻婆茄子が好きな人なら多分これも好きだと思う。麻婆豆腐の辛さだけが苦手な人には特にオススメ。
「魚香」だけど魚は使ってない、というネーミングのわかりづらさで日本で広まらなかったんじゃないかと思ってしまった。
名前さえ違ったら、麻婆茄子より魚香茄子が一般的になってた世界線もありえる。そのくらいのポテンシャルはあった。ご飯に合う味だったし、私はリピートすると思う。っていうか、クックドゥでも「魚香茄子の素」出してくれないだろうか……。
【忖度ゼロ評価】
珍しい度 ★★★☆☆
買い指数 ★★★★☆