バナナは好きかい? おそらく嫌いという人はほとんどいないはず。スーパーやコンビニでもたやすく買うことのできる、日本でもポピュラーな果物のひとつである。
その「バナナの花」を見たことはあるだろうか? 東南アジアなどでは食材として用いられることもあるという。そのバナナの花を購入したので、調理して食べてみたところ、その食感は山菜やタケノコに近く、おまけに全然甘くなくてびっくりしちゃったよ!
・ボンゴバザール
バナナはどこでも買えるけど、その花を買えるお店は限られている。購入したのは、埼玉県三郷市の「ボンゴバザール」というお店だ。ここに行くまで私(佐藤)も花を見たことがなかった。なぜここにあったかというと、ハラルスーパーマーケットだからである。
運営会社が直輸入で、日本では手に入りにくい食材を安定供給しているそうだ。ムスリム向けの商品はもちろん、レアなアジア食材やアジアン雑貨など、幅広く商品を扱っている。
ここは独自の商品タグを設けており、ハラル・ノンハラルをひと目で見分けられるように工夫している。
また日本語が表記していない商品については、スマホアプリの「Google翻訳」の使用をすすめている。作り方がわからないと、買いづらいものね。
・キャベツとタケノコの間
そんなわけで、初めて目にしたバナナの花(特売品 税込270円)を買ってみた。英語では「BANANA HEART」というらしい。ちょっとカッコいいな。
料理するにあたって、アク抜きする必要があるらしいので下処理をしよう。
まずは外側の皮(苞葉:ほうよう)をむいていく。
皮をむくと、そのつけ根に房状のものがついている。これがバナナの実である。正確には、小さな実の先端にあるものがバナナの花だ。これが特売品だったのは、入荷から日が経って変色してしまっているからだろう。実は全部捨てます。
幾重にも重なった皮をひたすらむいていくと……。
硬い芯が出てきた。可食部分はココ。茎は硬すぎて食べられないのでカット。
そして芯を半割にすると……。
タケノコみたい! 実際切る感触もタケノコそっくりである。甘い香りがすることに期待したけど全然匂わない、無臭だ。
コレを細かく切っていきます。
中の部分もやや黒くなってしまっている。新鮮なものならもっと色が良かったのかもね。
で、アク抜き用の酢水を用意。芯は空気に触れるとすぐに酸化して黒ずむので、早めに水に漬けたいところ。酸化を防ぐためにレモンやライムを入れても良いかも。
カットしたものをザバーっと投入。
そして一晩寝かせます。鮮度が高いものであれば、アク抜きは短時間でも良いようだ。
~~ 翌日 ~~
冷蔵庫から取り出すと……。だいぶ黒くなっちゃったねえ。まあ、特売品だったので、ある程度は仕方ないか~……。
まずは水洗い。酢水を落としましょう。
で、バナナの花で2品作ります。1つはスープ。手鍋に牛肉だしの素「ダシダ」を入れてひと煮立ちして、適量を投入。
そのまま強火にかけて沸騰したら火を止めます。
もう1つはサラダ。といっても、器にあけてドレッシングをかけるだけ。
これでバナナの花のスープとサラダの完成です。パセリやパクチーなどの添え物があってもよかったかも。酸化したバナナの花を調理しているので、大変色味が悪うございます。
でも、味がよければOK! 食べてみると、硬かった芯の食感はしっかり残っている。だが、硬すぎて食えないわけではなくて、むしろシャキシャキとして歯ざわりがいい。
キャベツとタケノコの硬さを足して2で割った感じ? フキやワラビのような山菜みたいな印象も受ける。とにかく食感が特徴的だ。バナナの甘さはまったくない。というか無味である。苦味を感じないので、アク抜きは上手くいったんだな。
今回は牛だしを使ったけど、鶏だしの方が相性良いかも。またナンプラーやニュクマムなどの調味料とも合うはず。
そしてサラダは、酢水に漬けていたので酸味がしっかりしている。加熱していない分、こちらの方が歯ざわりが良く、シャキシャキ感が心地よい。青パパイヤのサラダ(ソムタム)や春雨サラダ(ヤムウンセン)に入れても美味いはずである。酸味との相性はかなり良さそうなので、ピクルスにするのもアリかも。
タケノコと近い食感なので、ひょっとすると炊き込みご飯にするのも良いかも。とにかくバナナの花でありながら、バナナらしさは一切感じない食材であった。一度食べたらクセになる食感なので、見つけたら購入してみて頂きたい。いろいろ使えそうだぞ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 ボンゴバザール
住所 埼玉県三郷市彦成3-208-1
時間 10:00~20:00
定休日 なし
参考リンク:ボンゴバザール
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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