ある日のこと。フレッシュネスバーガーの店の前を通ると、『ヨルカフェ』と書かれたポスターが目に入った。早い話が「店で飲めますよ」ってことなのだが、『ヨルカフェ』とはなんとオシャレなネーミングだろうか。
それでいて、どこか秘密めいた響きがある。実際どんな感じなんだろう……と気になったので入店してみたところ、店を出たときに心地よい敗北感を覚えていたのでレポートしたい。
・ヨルカフェとは
フレッシュネスバーガーでは、16時以降に限定メニューが登場する。具体的に言うと、ガーリックポテト(360円)、フィッシュ&チップス(450円)、ブラックホットチキン(300円)、レッドホットチリチキン(300円)、miniガーデンサラダ(290円)だ。
どこからどう見てもビールを飲ませに来ているラインナップである。さらに、16時以降にビールを注文するとレシートにクーポンが付いており、それを見せると当日中はビールが100円引きになるとのこと(ハッピーアワー以外)。
つまるところ、とことんビールを飲ませに来ているサービス、それがヨルカフェなのだ。まぁ、細かいことを言うと他にもあるが、基本的には限定メニューが出てビールが飲みやすくなりますよ〜というもの。
ヨルカフェとは言っても、メニューがガラリと変わるわけでもないし、店の雰囲気が急にムーディーになるわけでもない。にもかかわらず、ネーミング1つで特別感を演出するのだから売り方的にお見事である。
ちなみに、私が注文したのは「ガーリックポテト」と「ブラックホットチキン」と「ビール」。ビールは通常420円だが、ハッピーアワーで290円だったので総額は950円だった。
価格的にはどう見てもセンベロである。ただ、センベロとは呼ばせない雰囲気がハッピーアワーにはあり、そのあたりの品の良さが特徴の1つと言えるかもしれない。
で、味に関しては「商品名のとおり」というのがもっとも分かりやすいような気がする。名前から想像したまんまの味と言おうか。だが、私が味より何より印象に残ったのは、やはり『ヨルカフェ』というネーミングである。これは頭を夜モードに切り替えるパワーがあるのだ。
どういうことかというと、ランチに950円使うと「使い過ぎちゃった!」と頭を抱える人でも、夜に飲むとなるとそこまで気にしない。むしろ、「安く済んでラッキー」となることが多いように思う。
金額は同じなのに、使うのが昼か夜かで受け取り方は全然違ってくる。『ヨルカフェ』は、そのあたりの心理を見事に突いているとしか思えないのである。実際、私は夜モードに切り替わってしまったせいで……
何杯か飲んだ後にハンバーガーを食べ、そのあとチュロスまで頼んでしまった。これはぜんぶ『ヨルカフェ』というネーミングが悪い。本当に恐ろしいサービスだ。
さて、ここで1つ告白すると、実は「ちょっと飲むつもりが思わず頼みすぎちゃった」ってことだけが私のミスではない。家に帰ってフレッシュネスバーガーの公式サイトを確認しているとき、次の1文を読んで思わず「え!?」となった。
「フレッシュネスバーガーでは『大人の女性が1人で自分時間を楽しむ場所』をコンセプトに2022年7月より一部店舗にて【ヨルカフェ】のサービスを開始」
マジかよ。そうだったのか。コンセプト的には女性を想定しているのか……。オッサンが利用してしまって、なんかすみません。でも、オッサンでも楽しめたということは、それだけ幅広い層に受けるサービス……ということにしておきたい。
なお、ヨルカフェは「動物園・球場店舗は除く全店で実施している」とのこと。対応店舗は多いので、その点は安心してくれ。だけど、ヨルカフェというネーミングにはマジで気をつけろ!