大阪市内のスーパーをパトロールしていたところ、『揚げそば』コーナーが充実していることに気づいた。揚げそばとは『皿うどん』に使用されるパリパリの麺のことで、同じものなのに「そば」呼びだったり「うどん」呼びだったりするのが趣深い。

他地域では見かけないローカルメーカーの揚げそばが大きなシェアを占めていて、大阪人の揚げそば愛が伝わってくるようだ。次第に “大阪人のいう揚げそば、我々の知ってる揚げそばとは別モノ説” が浮上してきたほど……どういうことかご説明しよう。

・大阪人に聞いてみた

今回購入したのは『カミショク』なる大阪のメーカーが販売する揚げそば。価格は各213円(税込)。

細いタイプの麺が『揚げそば』、太いタイプを『焼そば』と呼称するらしい。定義が難解である。それはいいとして……


「八宝菜・カレー・シチュー・ハヤシ又は野菜汁等をかけてお召し上がり下さい」だと!!!?


八宝菜は分かる。 “八宝菜をかけた揚げそば=皿うどん” だから。ただ問題はそれ以外の選択肢……揚げそばにカレーやシチューをかけるなんて話、聞いたこと無いのは私だけ?

こんなとき、頼れるのは当サイト唯一の大阪出身者・中澤記者だ。揚げそばにカレーやシチューをかけるという行為、大阪では普通のことなのだろうか? また、どんな味がするのだろう?? 教えて、大阪人!


中澤「いや、そんな話は聞いたことがないなぁ……」



・カレー揚げそばとは?

なんと頼みの綱の大阪人も知らなかった。雲行きが怪しくなってきたが、まぁ、こうなったら食べてみるしかあるまい。


こちらがカミショクの揚げそばにカレーをかけたもの。



結論から先に申し上げると、メチャメチャおいしかった。


編集部メンバーたちも「皿うどんよりおいしい」と大絶賛である。一般的なカレーライスの場合、公然の事実として “カレーが主役でライスはサブ” だが、カレー揚げそばは違う。麺の風味とパリパリ感が、カレーの存在感に負けていない。

バンドで例えるならカレーがボーカルで揚げそばがギター。どちらが抜けてもバンド(カレー揚げそば)は成り立たない。もし私がバーの経営者だったら、確実にこれを裏メニューにするだろう……絶対流行る!!!

なお皿うどんと同様、時間がたつと麺が水分を吸ってホニャホニャになる。この状態がまた超おいしい。日本一濃厚なカレーラーメンみたいだ。今回はレトルトのカレーだが、高級カレーとかインドカレーとかも試してみたい。うまいに決まってる〜〜〜!!!



・野菜汁とは?

ちなみにカレーやシチューと並んでオススメされていた『野菜汁』だが、野菜汁という食べ物の実態がイマイチ掴めない。再び大阪出身の中澤記者に尋ねたところ「聞いたことがない」との答えで、謎は深まるばかりなのだった。味噌汁のことかな?

せっかくなのでキムチ鍋に投入してみた結果……

これはこれでイイ線いってる。結論として、揚げそばは米と同等か、それ以上のポテンシャルを秘めた主食だった。カレー揚げそばが大阪でどの程度ポピュラーなのかは結局分からなかったが……簡単なのでみんなも今すぐやってみてくれ。

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews
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