2023年9月27日、「ミルキーはママの味♪」でお馴染みの不二家が新業態の店をオープンした。その名も『Pekolicious(ペコリシャス)』

なにやら『ペコちゃんのほっぺPremium』なる新商品が発売されたということなので、さっそく訪問して全商品買ってみたぞ!

・近鉄百貨店と共同開発

ペコリシャスは不二家のキャラクター『ペコちゃん』と『デリシャス』を組み合わせた造語で、不二家と近鉄百貨店がフランチャイズ契約を結んで共同開発したのだそう。

不二家が他社と組んで新規ブランドを開発するのは初めてなのだそうで、訪問前から期待が高まっちゃうな。


──ということで、やってきたのはあべのハルカス近鉄本店のウイング館 地下2階。

筆者が訪問したのは平日のオープン直後。列には常に5~10人ほどが並んでいる状態で、3~5分ほどで注文できた。

スタッフの方によると、オープンしたばかりということもあって 週末はもっと人が多いのだそう。整理券の配布で対応しているそうなので、土日に訪問を考えている方は朝イチで行く方がいいかもしれないな。


今回ペコリシャスで新発売となったのは、店内で焼き上げた生地にクリームを挟んだ 全6種類の『ペコちゃんのほっぺPremium』(以下ペコちゃんのほっぺ 税込200円または300円)と、


『ペコロン』なる焼き菓子。

ペコロンは8個入りが税込1728円、12個入りが税込2484円でオリジナルの缶入り。専用の手提げ紙袋も税込120円で販売されていた。


せっかくの機会なので、今回は全商品を買ってみた。包装はこんな感じ(左:ペコちゃんのほっぺ 右:ペコロン)で、どちらも手土産にピッタリな可愛らしさ

ちなみにペコちゃんのほっぺの賞味期限は当日中で、要冷蔵。購入時は2時間分の保冷剤をつけてもらえた。

ペコロンは1か月ほど日持ちして常温保存可能なので、持ち歩き時間が長い場合はペコロンがおすすめだ。



・ペコちゃんのほっぺPremium

包装箱を開けると、中にはペコちゃんのほっぺが縦になって並べられていた。

心配していた型崩れはなく、ミスドのドーナツみたいな持ち歩きイメージかな。


箱取り出すとこんな感じだ。ぺこちゃんの焼き印が可愛い!


そのままでは味のイメージがわかりにくいので、行儀は悪いがパカッと分解させてもらった。

200円商品がミルキー&カスタード、アーモンドショコラ、池田抹茶&小豆、ストロベリー&ストロベリーで、300円商品が苺ショートケーキ、モンブラン。


店内で生地を焼いて作っているため、手に持つだけで壊れてしまいそうなほどに柔らかくてフカフカ。

これが200~300円で食べられるってのは、早くも結構お得な予感がしてきたぞ……!



・ミルキー&カスタード

北海道産練乳入りミルキークリームと 軽めのカスタードクリームの、2種類のクリームが使われている。初めての方におすすめしたいスタンダードな商品がこちら。


クリームは両方ともしっかりめに甘い&トロッと柔らかめの口溶けだ。

口に入れた瞬間に、ミルキーをそのままクリームにしたような味がホワホワッと口の中に広がる。フカフカの生地がクリームの味わいを邪魔せず 相性は最高。プレミアムって名乗るだけあってかなりレベルが高いぞ……!

続けてふたくち、みくちと食べ進めるとカスタードクリームの気配も感じた。カスタードクリームは卵よりもミルクが主張してくる感じかな。

総合すると、牛乳の味や匂いっていうよりもとにかくミルキーの味。ミルキー好きにはたまらない、ミルキーをそのままペコちゃんのほっぺに仕上げた逸品であった。


・アーモンドショコラ

チョコクリームの上にチョコソースとキャンディングアーモンド(飴がけアーモンド)をトッピングしている。


チョコクリームが意外にもビターな味わいで、ココア的な風味が強い。かといって苦すぎるわけではなく、子供から大人までみんなにおすすめできそうな味だ。

ミルキー&カスタードと共通しているのが、一般的な生クリームよりもトロッと軽くて後味のよいクリームだ。購入から6時間以上経って食べているのに、一切ボソボソ感がない。

アーモンドは若干水分を吸っている感じもあるが、ココアっぽい味の中に香ばしさが混ざって いいハーモニーをかもし出していた。



・池田抹茶&小豆

茶師十段(日本で15名しかいない茶業界における最高位)の池田研太氏が吟味した鹿児島産抹茶が使用された、和風ペコちゃんのほっぺ


3つ目である抹茶味を食べているあたりから「不二家といえば街の庶民派ケーキショップのイメージだったけど、ペコリシャスは完全にそのイメージを超えてきているぞ」と感じ始めた。

なんていったって抹茶の香りと甘味だけでなく 後味にチリリと残る苦味まであるのに、年齢問わず食べられるような優しいスイーツに仕上がっているのだ。

特に香りはマジで芳醇(ほうじゅん)で、クリームっていうよりも 抹茶そのものをいただいているような感覚を覚えるほど。

もちろん、小豆との相性だって悪いわけがない。コレが200円ってのはどう考えてもお買い得だよ!


・ストロベリー&ストロベリー

ストロベリークリームに苺ソースをトッピング。個人的には、自分が子どもだったら一番好きな味だと思う。


しっかりいちごっぽさが感じられ、甘さと共にフレッシュな酸味も感じられる。何度も言うようだが、ペコリシャスのクリームはマジで香りが素晴らしい

クリームとソースのダブル使いをされている意味はちゃんとあるようで、クリームのミルク感とソースの酸味が別々に感じられることで、飽きることなく最後まで美味しく食べられた。

ある意味では、苺そのものを食べるよりも理想的な苺の味がしたかもしれない。苺スイーツ好きでコレが嫌いな人はまずいないだろう。



・苺ショートケーキ

ペコちゃんのほっぺがショートケーキになった新感覚な商品。見た目も華やかなので、お土産にも喜ばれそうだ。


クリームはミルキー&カスタードと共通で、北海道産練乳入りミルキークリームが使われている。

クリームの甘さと苺の酸味の相性がベストバランスで、まさしく手で持って食べられるショートケーキって感じの美味しさだ!

……というか 生地がホワホワと柔らかくて幸せなので、むしろショートケーキよりも極上のスイーツ感が味わえるかもしれない。


・モンブラン

和栗クリームの上に渋皮栗をトッピングした、秋を感じる季節限定商品。どんな栗好きだって満足できちゃいそうな栗三昧スイーツだ。


第一印象で「栗、多いな!?」と驚いた。

生地の上に和栗クリームが敷かれ、その上にブロック状にカットされた栗がこぼれ落ちそうなほどに詰め込まれている。つまり、栗の味は超絶に濃厚だ。

しかし味は単純でなく、渋皮栗のストレートな風味を 和栗クリームのミルキーライクな優しい甘みが包み込んでいる。渋皮のシャキッと歯ごたえも心地よいアクセントだ。


──以上が全6種類のペコちゃんのほっぺPremium。

どの商品にも共通していたのが 愛しくなるほどにホワホワで柔らかい生地と、素材の香りが豊か過ぎるクリーム

すべてにおいて満足感が高く、まさにプレミアムと言うべきクオリティ。いい意味でこれまでのペコちゃんのほっぺのイメージが覆されるはずだ。



・ペコロン

実を言うとペコロンを購入する際、筆者は一つだけミスをしてしまった。

というのは 8個入がプレーン、12個入がプレーンとココアの2種類入りで展開しているのだが、間違えて8個入りを購入してしまったのだ。

申し訳ないが、本記事ではプレーン味のみのレビューでお届けさせてほしい。


ペコロンは缶の中に個包装で入っている。

包装の袋にもペコちゃんのイラストが印刷されており、なんだか開けるのが勿体なくなってしまうな。


ペコロンの正体は、チョコレートガナッシュをサンドしたクッキー

クッキーがかなりホロホロ&しっとりとしていて、噛むと割れるのではなく 崩れるようなイメージでくちどけがいい。バターの風味が強く、後味は意外にも塩が効いているかな。

ガナッシュは想像以上に柔らかくて かなりビターなお味。


「甘い+しょっぱい+苦い」ってどうなんだろう? と思うかもしれないが、結論を言うとかなりいい組み合わせだ。考えてみれば、塩クッキーを食べながらコーヒーを飲むのも美味しいもんな。

個人的には、ペコロンは甘いものが苦手な人にもおすすめできるスイーツであるように感じた。



・関西の新しい名物となるか!?

ペコリシャスの全商品を食べてみた感想としては、不二家の「子供から大人まで楽しめる」というイメージをそのまま「デパ地下クオリティ」に押し上げたようなハイクオリティなスイーツに感じた。

1個あたり200円~と意外にもお手軽なので、自分へのちょっとしたご褒美としてもアリ、お出かけの際の気軽な手土産としてもアリだろう。


1点残念なのは、冒頭に書いた通り近鉄百貨店とのコラボ店舗という事情から、今後店舗が増えたとしても 関西圏に留まることが予想される点。

逆に言えば、新しい関西名物として人気を集めるんじゃないか? とも期待をしている。

どの商品を買っても超絶に美味しいことを保証するので、大阪へお越しの際は是非立ち寄ってみて欲しい!

参考リンク:Pekolicious あべのハルカス近鉄本店
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.