自販機による無人店舗は別に珍しくないが “クジラ肉専門の無人販売店” と言われたらさすがに気になる。2023年8月18日、月島もんじゃストリートに「くじらストア本店」がオープンしたそうだ。なんでも24時間いつでもクジラ製品が購入できるらしい。
というわけで、仕事前に月島に行ってみることにした。お店があるのは、もんじゃストリートの二番街。東京メトロ有楽町線の月島駅(7番出口)を出て、メロンパンの歌が聞こえてくる方へ歩いていくと、お目当ての「くじらストア」を発見。ここでクジラが買えるのかっ!
・くじらストア本店
さっそくドアを開けて入店。店内はただ自販機が並んでいるだけではなく、床が船のデッキのようになっていた。目の前で捕鯨をしているような雰囲気。ドアを開けたらいきなり船のデッキという “どこでもドア感” が面白い。聞けば、本店だけの特別な演出のようだ。
「くじらストア」を運営しているのは、国内最大の捕鯨会社である共同船舶。自販機で取り扱っているのは、刺身用の最高級部位・尾の身や赤身、本皮、ベーコンといった冷凍食品。さらに缶詰やカレーなども揃っているもよう。原田記者が感動したカルビも売っていたぞ。
ちなみに同社は、2023年1月から首都圏に3店舗(品川区大井町・大田区糀谷・横浜市中区元町)と関西に1店舗(梅田)の計4店舗を展開している。今回訪れた本店は、豊洲市場と本社に近いことから販売だけでなく、情報発信等にも力を入れているのが特徴だ。
説明によると、日本では国際捕鯨委員会で合意された捕獲枠を守っていれば、100年間捕鯨を続けてもクジラは1頭も減らない(頭数は減少しない)という。同店がクジラの栄養価の高さや、日本人とクジラの関わり、捕鯨方法等について学ぶキッカケの場となりそうだ。
・尾の身とくじラー油
さて、今回選んだ(提供していただいた)のは、クジラの最高級部位「尾の身(特別価格2000円)」と「くじラー油(1000円)」。
とくに注目なのは「尾の身」だ。もともと3000円だが、オープン記念で “今だけ2000円” とのこと。
・食べてみた
冷蔵庫で1日解凍すれば、刺身として食べることができるという。最高級部位の実力は如何に……
マジで衝撃。
口に入れると、すぐにとろけて強烈な旨味が口いっぱいに広がった。高級感の塊が舌の上でとろけていくのだ……何だよこれ。とろっとした食感がクセになる。マジで美味すぎるだろ!
尾の身は、大きな体の舵を取るために良く動く部分だから最高の脂が付くらしい。網状のサシがめちゃめちゃ鮮やかだ。とりあえず、自販機でサッと買って食べる味じゃねェェエエエ!
・ラー油もうまい
一方、くじラー油は開封したらスグに食べられる。希少部位の「須の子」を使った旨辛のラー油だそうだ。
クジラ肉が食べやすくカットしてある。そのままご飯にかけて食べると、甘辛醤油味でトロトロ。うまい。ご飯のお供としてはもちろん、お酒にも合うだろう。最高じゃないか。
尾の身ほどのパンチ力はないが、そもそもパンチ力を求めてない方におすすめ。クセは一切ない。クジラを美味しく食べるための工夫が感じられる。
パスタや炒飯の具材としても活躍しそうな万能調味料ではなかろうか。もっとクジラ感が欲しい場合は尾の身だ。あれはマジでスゴいから。
・観光ついでに
くり返しになるが「くじらストア本店」は月島駅から歩いてスグ。気になった方は、観光ついでに足を運んでみてはいかがだろうか。他店ではクジラ目当ての外国人観光客も来ているそうだ。今後さらに注目を集めると思うのでぜひお早めに!
・今回ご紹介したスポットの詳細データ
店名 くじらストア
住所 東京都中央区月島1-21-4
時間 24時間
休日 無休
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.