もしも「罪な味」と言われるものがこの世に存在するとしたら、私(佐藤)は「よつ葉乳業」のアイスクリームを、その候補に挙げさせて頂きたい。なぜなら美味すぎるからだ。
そもそも、よつ葉といえばバターが有名で、牛乳やヨーグルト・チーズなどが主力商品である。アイスを売ってるなんて全然知らなかったよ。たまたま近所のスーパーで発見し、ためしに食べてみたら……。イケないものを食べている気になってしまった。これは罪だよ、罪な味だよ!
・あの「よつ葉」のアイスだと!?
よつ葉というと、私(佐藤)は真っ先に食塩不使用のバターが思い浮かぶ。北海道産の生乳を100パーセント使用していて風味が豊かで、他のメーカーとはひと味違うリッチな味わいだ。焼きたてのトーストに塗って食うとべらぼうにウマい! 個人的には人生トップ3に入るバターであると考えている。
そんなよつ葉がアイスを出していたとは全然知らなかった……。最近東京・中野のヨークフーズ(with ザ・ガーデン自由が丘)を訪ねた際に、たまたま発見したのである。
このお店で販売していたのは、2020年発売のバータイプのアイスだ。ちなみにアイス自体は2018年よりカップアイスを発売していた。棚にあった商品は「至福のミルク」「至福のミルクキャラメル」「至福のミルク抹茶」の3種類。いずれも税別168円である。
人生初のよつ葉アイスってことで、まずは入門編としてスタンダードなミルクを買うべきだろう。
これがそのアイス。「至福」というからには、幸せを感じさせてくれる味に違いない。
3層になっており、外には北海道産全粒粉を使ったホワイトチョコ。中にはよつ葉牛乳のアイス。さらにその中に十勝産マスカルポーネ仕立ての濃厚ミルクソースが入っている。
では頂くとしようか。「よつ葉」と書かれたバーにぶっ刺さった純白のアイス。 “無垢な白” とはこの色のことをいうのだろう。表面に一点の曇りも翳(かげ)りも見当たらない。
ゆっくりとかじりつくと、表面のチョコレートがザクっと弾け、中のアイス層へとたどり着く。うん、ここまでは想定内だ。芳醇なミルクの香りと味が口いっぱいに広がる。
コイツの本領はここからだ。最深部に到達すると、にわかに濃厚ミルククリームがあふれ出してくる。食べている途中で舌先にクリームが触れると、とろけるような感触と深い甘さに、一瞬ビクっとしてしまった。
何かに触れた!? すげえ美味い何かがいる!
「濃厚」、その言葉に偽りはなく、ミルククリームは舌先が触れただけで、私の脳裏に「北海道」の3文字を浮かび上がらせている。同時に、その滑らかすぎる舌触りは何かイケないものを口にしている気さえする。
美味すぎる、こんな美味いものを168円で食っていいのか? これを食べ終えた後に、何かバツが与えられるんじゃないのか? テッテレ~! という軽快な音楽と共に「ドッキリ成功!」って看板を持った人が、どこかから飛び出してくるんじゃないのか?
ナゾの警戒心を抱くほど美味い。乳製品メーカー大手のよつ葉だ、コレはまぎれもなくよつ葉が作ったアイスなのだ……。
ちなみによつ葉のアイスは通販でも購入できる。通販サイトを見ると、2023年8月10日のお知らせで、カップの「バニラアイス」の注文が多すぎて欠品し、セット商品は代わりに「発酵バターアイス」が入ることになったそうだ。
ナニ!? バニラアイスも美味いのか? 発酵バターアイスなんてものもあるのか?
至福のミルクで悶えている場合ではないかもしれない。いずれそれらも食わねばならぬ。気になる方は通販サイトをチェックしていただきたい。とにかく罪な味だ……。