2022年11月、バンコク(タイの首都)中心部のショッピングモール・MBKセンターにカラオケ『まねきねこ』の大型店がオープンした。まねきねこは現在マレーシア、タイ、インドネシア、韓国の4カ国に進出している。
そんなわけなので「タイのカラオケって、女の子がいるお店のことなんだよ〜」とか言っちゃってるアナタ、その情報は少し古いのかもしれない? もちろんそういう文化もあるが、日本式のカラオケ・ボックスも増えつつあるのだ。
じゃ、さっそくピカピカの『まねきねこ』へ入店してみる〜!
・好きです、MBKセンター
サイアム駅ほど近くにあるMBKセンターは『ドンドンドンキ(ドンキホーテ)』が出店していることで日本人観光客にもおなじみ。
上層階にはアニメイトやメイドカフェがあり、全体的に “オタク御用達” といった雰囲気が漂うモールだ。たまにコスプレの人が歩いているぞ。
エレベーターで一気に7階へ上がると、できたてピカピカな『まねきねこ』が出現。正面ぞいの席はガラス張りで、通行人から中が丸見えである。
ちなみに、こちらがタイを含む東南アジア、中華圏などで古くから見られるタイプのカラオケボックス。やはり中が丸見えである。見られたがりが多いのだろうか?
室料は1名あたり平日17時までが2時間160バーツ(約659円)、17時以降は280バーツ(約1153円)。日本だと30分もしくは1時間単位が多いが、こちらは「最短2時間」という設定らしい。室料にドリンクバー込み。フリータイムもあり。
ステレオタイプのオタク! といった風貌の若者たちが嬉しそうにマラカスやタンバリンを選ぶのを目撃した。オフ会かな?
・渾身の「そういうことか」
面倒な会員登録などは必要なく、1人で使うには広すぎる部屋へ通された。
タッチ式のパネルで曲を選ぶシステムは日本と同じ。ただパネルは取り外し不可で、いちいち席を立って操作する必要があった。
最初に言語を選ぶと……
ズラッと日本のアニメタイトルが並ぶ画面に切り替わる。よほどアニメ好きが多いのだろう。私はあまり詳しくないので、ルナシーの曲でも探そ……
あ!! 全曲、日本バージョンとタイバージョンがある!!?
これがBTSとか米津玄師とかなら分かるが、ルナシーを全曲2パターン用意する労力は並じゃない。ファンしか知り得ないマイナー曲もたくさんあり、ルナシーの人気もさることながら、ひとえに「まねきねこの企業努力」と言わざるをえないだろう。
タイ語は全く読めないけど、誰かがこの歌詞を翻訳したと思うと味わい深いな〜!
……とか思っていたが、よくよく観察するうちに、コレが翻訳ではなく「ふりがな」だという重大な事実に気づいた。
要するにタイの方は、日本語の曲をそのまま日本語で歌ってくれているのである。日本人が洋楽を歌う場面に置き換えれば「そりゃそう」なのだが、日本語の曲が “外国の曲” 扱いされているという衝撃に「そういうことか」が止まらない。
・居酒屋的利用もアリ
なおドリンクバーにはタイならではのドリンクが充実していてテンション上がる。
フードは日本食がメイン。
『から揚げ』『ポテト』『パスタ』といった普通のメニューもあれば、『切り干し大根』『サバの燻製』『牛タンのボイル』など「なぜそれを?」というヤツもある。名物は日本のカレー。
私はタイへ来てまであまり日本食を食べたいタイプではないので、ビールで『ガパオライス』(90バーツ / 約371円)をキメた。カラオケのフードにしてはかなり辛い。攻めてんな〜。
わざわざタイへ来てまでカラオケボックスへ行く必要はないが、逆にタイへ来たからこそカラオケボックスへ行きたくなることもある。飲み屋感覚でも利用できそうなバンコクMBKセンターの『まねきねこ』、興味本位でのぞいてみてね!
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.