小学校の修学旅行で何をしたのかほとんど覚えていないのだが「華厳の滝」の前で撮ったクラスの記念写真は残っている。だから日本三名瀑(めいばく)のひとつに数えられる華厳の滝はこの目で見たはずなのだ。それでもあまり印象に残っていないのは……
それほど迫力がなかったからなのかも。大人になってからも「修学旅行で行った(写真がある)」という理由で華厳の滝には行こうと思わず……しかし! 先日近くに行く機会があったので華厳の滝にも足を運んでみたら、あまりにも衝撃的だった。これを忘れるってマジかよ。
・華厳の滝
栃木県日光市にある華厳の滝は、日本一高い場所にある湖「中禅寺湖」の湖水が高さ97メートルの岸壁を一気に落下する壮大な滝。いろは坂や日光東照宮などと共に、修学旅行のコースとなることが多い超有名な観光スポットである。
いざ訪れてみると、やはり全然覚えていない。駐車場近くの場所からは滝を見下ろすことができる。無料だ。しかし十分過ぎる迫力……これを覚えていないって嘘だろ。
・修学旅行の脇役的存在
いや、今になって思うと、修学旅行というのは同級生とお泊まりをするのがメインイベントであって、それ以外のイベント(観光名所の見学等)は眼中になかったのかもしれない。大人になって修学旅行で訪れた観光地に行くと全然違う感想を抱くというのも納得である。
さて、滝を正面から見る「観瀑台(かんばくだい)」に行くには有料のエレベーターに乗る必要があるらしい。大人570円。もちろん乗るに決まっている。目の前で滝を見たいからだ。1930年(昭和5年)に開業したらしいので、おそらく子供の頃も乗ったのだろう。
定員30名のエレベーターで岩盤の中を一気に下る。公式サイトによると、昇降行程は約100メートルで所要時間は約1分とのこと。さらに長い地下通路を進む。めちゃめちゃ涼しい。なんでも通路内は真夏でも15度程度なのだとか。
いよいよ観瀑台へ。
…………
ゴオオオオオオオオオオオオオオ!
マジかよおい。とんでもない爆音である……叫びたくなるほどの迫力だ。観瀑台にいても水しぶきがかかるレベル。もしかすると梅雨時期で水量が増しているのかもしれない。なんでも平均すると1秒間に約3トンの水が流れ落ちているらしい。これが有名な華厳の滝か〜。
てか、クラス写真を何度も見たせいで、滝そのものが記憶の中で勝手に “写真サイズ” に縮小されてしまったようだ。目の前の華厳ノ滝がデカ過ぎてビビる。日本三名瀑と言われているだけあって見応えはMAXだった。
ハンパない迫力の滝を眺めた後に、お土産売り場で「俺、華厳」と書かれたTシャツを発見。滝行をしている男の姿が描かれていて震えた。
あらためて見た華厳の滝はとにかく凄かった。この迫力をスルーできるほど、同級生と遊ぶのが楽しかったのだろうか。華厳の滝以上の友達と楽しい毎日を過ごしていたなら幸せである。巨大な滝を眺めながら、子供時代を共に過ごした仲間は宝なのだなぁと思った。
・今回ご紹介したスポットの詳細データ
名称 華厳の滝
住所 栃木県日光市中宮祠
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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