
私は子供の頃から片付けが死ぬほど苦手で、上京してから20年近く散らかった部屋に住んでいた。だいたい5年ぐらいかけて、部屋を片付けてちょっとずつ人生がマシになっていった。その経験を語るこの連載。第1回は女子寮に住んでいた頃、私を救ったある一言を紹介した。
今回は、社会人となって一人暮らしを始めたものの、部屋が散らかり放題となり、混沌を極めた10年ほどのことを書く。
この頃の自分はダメな感じなので、ちゃんとした人からは「真面目にやれよ!」「甘えるな!」とむちゃくちゃ怒られそうだけど、人間ちゃんとできないときってある。
私は部屋を片付けられなくて悩んでいる人の味方であり、ここで正論を言っても仕方ないので、ありのままを書く。
・激務と金欠と
私が大学を卒業して入社した会社は、編集プロダクションであった。編プロといえば薄給激務が当たり前……。
優しい人達に恵まれたが仕事は忙しく、終電や徹夜が続いた。新卒だから給料だって少ない。ついでにいうと、雑誌の編集を希望していたが、当時流行していた携帯サイトの配属になってしまった。雑誌の編集者になりたくて東京の大学まで出してもらったのに……という挫折感でいっぱいであった。
お金ない、忙しくて時間ない、そしてやりたい仕事じゃない。
このナイナイ状態はめちゃくちゃ心を蝕んでくる。これは後から分かったけど、やりたい仕事でも終電とか休日出勤が続くと疲れから心を病んだので、希望の仕事じゃないならなおさらだ。
先に言うけど、ととのった部屋は時間に余裕があるからできるものだと思う。いま仕事や育児や介護が忙しくて時間がない人は、片付けられなくてもしょうがない部分があると思う。そもそも疲れていると、どんどん考えがネガティブになるし、体が動かないのだ。自分を責める必要はないよ、と声をかけたい。
・生活崩壊
家に帰って、風呂に入って寝るのがやっとなので、家の散らかりは加速する。
洗濯をしても畳む気力がないので、ベッドの上で乾いた洗濯物と一緒に寝ていた。そうすると、寝ていても体に変な力が入るので疲れが取れない。疲れていたら当然、仕事の効率も上がらない。
家はどんどん荒れていく。私ひとりしか住んでないのに、まるで泥棒が入ったようなありさまである。
ちなみに、今日を生きるのが精一杯になっていくと目先のことにとらわれてしまうので、計画を立てるどころじゃなくなる。
まず、忙しすぎて転職活動する時間がない、お金がないので仕事を辞められない、健康を考えると自炊をするのがベストだけど、キッチンが散らかってるし、疲れてるからインスタント麺で済ませるとか。風呂に入って寝たほうがいいのは分かってるけど、疲れて死にそうなのでそのまま寝るとか……。
頭では良くないって分かってても、会社に行くのがやっとで自分のことは何もできず、どんどん生活がおろそかになる。そして仕事も暮らしぶりも自分の理想とはかけ離れていき、ガンガンに自己肯定感が下がっていく。
仕事も家のこともちゃんと頑張れない自分は、すごくダメな人間だと思った。完全に闇落ちしてしまった自分は、ちゃんとしている人が眩しかった。
・よりどころとしての浪費、加速する散らかり
たまに早く仕事が終わっても、荒れ果てた家に帰りたくない。まるで尾崎豊の曲のように、お金もないのにふらふらと街に行く。
カフェでケーキとコーヒーを頼んで、そのときの手持ちで買えるちょっとした雑貨(文房具とかプチプラのコスメとか)を買ってストレス解消していた。これは人によっては酒とかタバコとかソシャゲーとかギャンブルかもしれない。
「浪費せずに貯金しろ」「片付けろ」「転職しろ」と言われそうだけど頑張る気力がなくて、当時は小さな楽しみがないと人生を耐えしのげなかったのである。素敵なものが自分を救ってくれそうな気がして、祈るような気持ちでなにか買いまくっていたように思う。「マッチ売りの少女」が凍える手でつけたマッチの幻想みたいなもんである。
ところが散らかった部屋に放り込まれたカワイイグッズたちは瞬時に色あせ、それを活用するスペースもないためガラクタと化する。
結果、部屋に物が増えてどんどん散らかりが加速し、ファンシーゴミ屋敷みたいになっていった。家は物であふれているというのに居心地が悪く、本当に必要なものはないという、めちゃくちゃな状態になり、生活は崩壊。
そして、散らかっていると物が探せないので同じものを2つも3つも買ったりして、ビンボーなのに無駄な出費も多くなる。
自分でもちゃんとしないといけないっていうのは分かっている。それで自分を責めて憂鬱な気持ちになり、またプチ無駄遣いする……。抜け出せない負のループ。
・恋をして一年発起するが…
そんな中で、27歳のときに恋人ができた。Twitterを通じて知り合った相手で、趣味も合う人だった。困ったことに、その人の家に遊びに行ったら信じられないくらいオシャレで片付いた家であったのである。
女子寮にいた頃から片付けられないコンプレックスで、人から部屋を見られないように出入りしていたような人間である。30代前にせっかくできた恋人に、この部屋を見られたらマジのマジで死ぬ。これは神がわれに与えしチャンスに違いない。
その人が家に遊びにくるということになって、私はなんと1ヶ月かけて部屋を掃除することにした! これが片付けの始まりなのか……は次回に続く。
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.
御花畑マリコ





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