今日7月10日は “ナ(7)ットー(10)”、「納豆の日」らしい。なので、とっておきの有益情報をネバッこく書きたいと思う。


──実は私、毎朝欠かさず納豆ごはんを食べている。しかも毎回、違う種類の納豆を買っている。だいたい1パック3個入り。……つまり!


3日ごとに “未体験の納豆” を食べているのだ。3日ごとに新たな発見や衝撃が襲ってくるのである。


それはまるで超短期の世界旅行。それすなわち「納豆の旅」であるが、ここ最近で最も衝撃を受けた国(納豆)が、「おかめ納豆」ブランドを有するタカノフーズ『すごい納豆S-903』だ。

もしかしたら皆さんも、この赤いパッケージはスーパー等で見たことあるかもしれない。

だが、このパッケージから読み取れるのは、そこはかとない「健康系の納豆なのでは?」というイメージではないだろうか?


まず「S-903」という謎の英数字。


そして「納豆菌」の文字。


なんだコレは……と手にしたところで、今度は、


シールド乳酸菌」である。もう完全に「体に良い納豆ですよ」と健康系に全振りした納豆なんだなと思ってしまう理数系のアプローチだ。


──ところが。


実際に健康面に気を使いまくっている商品であることは、公式サイトの情報からも読み取れる。

さらに「ニオイが控えめ」とも書いてある。言われてみれば、たしかに……と思い返したりもするが、私が言いたいのはソコではない。

この納豆の何がスゴイのか。それは……


うまい。



そう、スゴイうまいのである──。



──納豆というものは、はっきり言って “好み” である。

その繊細な味の違い、豆の大きさ、かたさ、甘さ……など、無限大のチューニングにより天文学的な種類の納豆が地球上には存在する。

聞くところによれば、「パパは○○、ママは□□、おねえちゃんは△△で弟は……」みたいに、家族内でも違う納豆を用意する家庭もあるらしい。

それほどまでに納豆は “好み” な世界の食べ物なのだが、もしも仮に、好きなタイプの納豆が、かの有名な「おかめ納豆」であれば、是が非でも試していただきたいのがこの『すごい納豆S-903』なのだ。


・味的には「おかめ納豆」の上位互換品。

話を “何がどうウマイのか” に戻すと、ズバリ、『すごい納豆S-903』は、「パワーアップ版おかめ納豆」なのである。最高級に研ぎ澄まされた「おかめ納豆」とでも言おうか。

仮にノーマル版おかめ納豆が1994年に発売された「プレイステーション(プレステ1)」なのであれば、『すごい納豆S-903』は「PS4(プレステ4)」くらいの解像度があると思ってもらって構わない。

「おかめ納豆」のイデオロギーをそのままに、さらに美味しくパワーアップさせてしまったのが『すごい納豆S-903』であると私は思う。まさに「おかめ納豆」の上位互換品。


にもかかわらず、なぜかメーカーは「健康売り」をしているが、私は今からでも方向転換し「ウマイ売り」をした方が良いのでは……とさえ感じている。


いや、もしかしたら、だが……。


“あえて売れないようにしている” 可能性も捨てきれない。なぜならば、『すごい納豆S-903』を食ってしまったが最後、ノーマル版「おかめ納豆」が過去のものになってしまうからである。

一度でも『すごい納豆S-903』を食べてしまったら、もうノーマル「おかめ納豆」には戻れない。引き返せない。味覚を感じる舌の納豆センサーが進化してしまったがゆえ、もう2度とノーマル「おかめ納豆」には戻れないのだ。

そうなるとノーマル「おかめ納豆」が売れなくなる。おそらく一番の売れ線である「おかめ納豆」の売り上げが落ちる。だからでは……なんて陰謀論を唱えたくなるくらい、『すごい納豆S-903』はウマさにも全振りしているのだ。



『すごい納豆S-903』の3パック目を食べる日、すなわち3日目。私は名残惜しささえ感じていた。

まだこの国(すごい納豆S-903)にいたい。なんなら亡命したい。そんな気にさえなっていた。

ご飯の上に載っている納豆が、私には宝石に見えた。キラキラ輝く無数のダイヤモンドに。

だが、私は旅人。安住の地を求めない、永遠の納豆人。

今日もまた、新しい納豆を買ってみた。どんな体験が待ち受けているのだろう。

私の朝食は、その繰り返し。飽きる気配は、一切ない。


半年くらい旅したら、息抜きがてら一時帰国したい。


黄金のジパング『すごい納豆S-903』に。


参考リンク:タカノフーズ『すごい納豆S-903』
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24