こんにちは、佐藤です。今日は皆さんと一緒に、山本山の「のり弁」について考えてみたいと思います。皆さんはご存じでしょうか? 海苔の老舗「山本山」は、飲食店も運営していることを。
東京・日本橋髙島屋三井ビルディングの1階にある「山本山 ふじヱ茶房」は飲食のできるお店の1つ。ここには山本山の最高級のりをぜい沢に使ったのり弁があります。
どこにでもあるのり弁と侮るなかれ。この弁当を通して小宇宙を感じ取ることができます。ではさっそく、その奥深いのり弁の世界を探索してみましょう。
・山本山の高級のり弁の世界
のり弁のお話をする前に、日の丸弁当について触れさせて頂きます。というのは、今回私がのり弁を買うに至ったのは、2022年に購入した日の丸弁当のことを思い出したからです。
伊勢丹新宿店地下のお弁当屋さん「米屋」には、なんと税込648円(購入当時)の日の丸弁当が存在するんですね。おそらくもっともぜい沢な日の丸弁当の1つではないでしょうか。おかずなし! 梅干しのみ!! 究極の弁当といっても過言ではないでしょう。
高級日の丸弁当があるのなら、高級のり弁があっても決して不思議ではありませんよね。ってことで、ふじヱ茶房にやってきました。ここなら、高級のり弁が食えるはず!
店内の喫茶コーナーは完全予約制で、弁当はテイクアウトで購入が可能です。時間指定でオーダーを受け付けているので、あらかじめ電話で注文すると良いでしょう。そうと知らなかった私は、その場で注文し、30分後に取りに来る段取りにしました。
・消費期限4時間
さて、メニューをご覧ください。持ち帰りののり弁(のり重)は3種類です。
のり重の「牛すき焼き」が税込2000円、同じくのり重の「鮭」が税込1600円です。魚よりもお肉が高いのは納得ですね。
そしてもう1つがコレ。トップに載っているのが「にほんばし海苔弁当」です。山本山厳選の最高級ののりを使ったという代物ですが、こちらのお値段がなんと……。
税込2200円! おかずなしなのに、1番高けぇええええええええ!!
なんということでしょう。まさか肉も魚もなしなのに、1番値段が高いとは。さすが山本山、上から読んでも下から読んでも山本山だけあります。
しかもですよ! この商品の消費期限は購入から4時間!! 今12時半だから16時半までに完食せねば! 急いで食わなきゃ!! はやくしろっ! 間に合わなくなってし知らんぞーーーッ!!!!
・ミニマルすぎる
ってことで、のり弁を買って走って帰宅しました。ハア、ハア、ハア……。早く、食わなきゃ……。
では、フタを開けてみましょう。
く、黒い……、暗い……。暗すぎて、スマホのカメラのピントが合わん……。正面からではピントが合わないので、少し斜めに。それでもギリやな。
ご覧ください。中央に見えますのが、紀州南高たたき梅です。その様子はまるで、漆黒の宇宙に漂う名もなき星のようではありませんか。今にも闇に消え入りそうになりながらも、必死にその存在を示すように赤く輝いています。
漆黒の世界のなかで孤独に輝く星の姿に、私は孤独を感じざるを得ません。なんと健気な姿でしょうか(涙)。
ちなみに、この弁当の中身(断面)は先ほどのリーフレットに記されていました。図解がミニマルすぎるだろ! ナゾの暗号かと思っちゃったよ!!
おかずなしののり弁ではありますが、使用している食材は意外と多いですね。
・のり弁という名の小宇宙
では、消費期限を迎える前に食べてみましょう。表面にはフワフワの「もみのり にほんばし」が敷き詰められています。最高級の品だけあって、いまだかつて食べたことのない食感。歯ごたえがしっかりしていることに驚きです。
私の知るもみのりは、もっとこう大ざっぱなザラザラした舌触りですが、これは柔らかくて噛むごとに口の中に旨味が広がりますね。
のりの下に隠れたじゃこも良い品を使ってますねえ。ほっくりとした歯ざわりで甘味があって、のりに劣らぬ品の良さ。主役級の美味しさです。
おっと! 早くも底が見えてきた。
……と思ったら、のりでした! ご飯の下には「焼のり にほんばし」、さらにその下にはまたご飯。いわゆる「のり段々」状態になっているんですねえ。ご飯とのりのミルフィーユといっても過言ではありません。
畳みかけるようなのりとご飯の応酬に、私は完全のノックアウトされてしまいました。まさしく山本山の本気! 肉や魚のおかずを寄せ付けない強さがあります。
ということで、今回は山本山の奥深いのり弁の世界を探索しました。ひと口に「のり弁」といっても、その中には無限の可能性があるといっても良いでしょう。皆さんもぜひ1度、その小宇宙に触れてみてください。ではまた、お会いしましょう。さようなら!
・今回訪問した店舗の情報
店名 山本山 ふじヱ茶房
住所 東京都中央区日本橋2-5-1 日本橋髙島屋三井ビルディング1階
時間 売店10:30~20:00、喫茶11:00(完全予約制)
参考リンク:山本山 ふじヱ茶房
執筆:のり弁探索家 佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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