
今からさかのぼること35年前、すなわち1988年。東京ドームが開業し、ソウル五輪ではベン・ジョンソンのドーピング疑惑が世間を騒がせ、ガッキーこと新垣結衣さんが産声をあげた1988年。35年とはそれだけ果てしない時の流れである。
そして今日この瞬間に予約しても「35年待ちのコロッケ」がこの世には存在する。その名も『神戸ビーフコロッケ極み』──。ご存じの方も多いと思うが、ネット上でたびたび話題になる “幻のコロッケ” である。
・幻のコロッケ
ちょいちょいインターネットに触れている方ならば、1度くらいは「30年待ちのコロッケ」の話題を目にしているハズ。『神戸ビーフコロッケ極み』は、兵庫県高砂市の「旭屋」が製造する冷凍コロッケのことである。
その人気はすさまじく、2016年の時点で13~14年待ち、2022年の時点で30年待ち、そして現段階では「約35年待ち」というから驚くしかない。現在の価格は5個入りで2700円、神戸牛をふんだんに利用していることから「作れば作るほど赤字のコロッケ」としても有名だ。
当然、私(サンジュン)もその存在を知ってはいたが、35年待ちの時点で自分とは縁が無い食べ物だと思っていた。……のだが、なぜか「35年待ちのコロッケを食べる会」に参加し、運良く『神戸ビーフコロッケ極み』をいただいて来た次第である。
・コロッケを食べる会……?
「35年待ちのコロッケを食べる会」を開催したのは都内のIT会社の社長さんで、およそ10年前に50個をまとめて注文したという。そのことすら忘れかけていた今年5月に「もう間もなく発送します」と連絡があり「せっかくなのでみんなで食べよう!」と会が開かれたというワケだ。
会場は六本木の肉料理店「格之進」で、プロがコロッケを揚げてくれる特別仕様。40名規模のメンバーの中、なぜか当サイトにもお声がかかり、どちらかというと苦手な街・六本木まで足を運んだ。
で、なんやかんやとギロッポンっぽい挨拶等があった後、いよいよ幻のコロッケが登場! レディース & ジェントルマン……これが35年待ちの幻のコロッケ『神戸ビーフコロッケ極み』である!!
どうですかーーーーー!
お客さーーーーーーーーん!!!!!
・いざ実食!
見た目は「コロッケ」としか言いようが無いが、これまで見たどのコロッケよりも神々しい……気がする。これが35年の重みなのだろうか、この機会を逃したら2058年まで巡り合えないコロッケかと思うと否が応でも緊張せざるを得ない。
で、気になるお味に行く前に『神戸ビーフコロッケ極み』をパーツごとに掘り下げておこう。衣はメチャメチャ細かくも荒くもない、標準的なパン粉。もちろんプロが揚げてくれたのでコンディションは最高だ。
お次にジャガイモはかなりなめらかで、プロいわく「ここまでマッシュされていると機械でまとめるのは難しい」とのこと。35年も待つ最大の理由は、やはり「手作りであること」となのだろう。
そしてコロッケの中にはゴロゴロとした神戸牛が3つほど入っていた。こちらもプロの分析によると「110グラムのコロッケに対し40グラムの生神戸牛が使われている。一般的に肉の比率は1 / 10程度」とのことだったので、相当肉が詰まったコロッケと言えるハズだ。
で、で、で!
肝心のお味はと言うと、もちろんウマいに決まってる!! なめらかなジャガイモに玉ねぎと神戸牛の甘みが加わり、コロッケとしては「過去最高レベルにウマかった」と申し上げていいだろう。何より “35年のスパイス” がメチャメチャ効いていた。
一方で忌憚なく申し上げると、個人的には「コロッケ自体が70点満点の食べ物」だと考えているため「その限界は突破していなかった」と言わざるを得ない。コロッケとしては最高にウマいものの、あくまでコロッケ王国内に限った話である。「人生観が変わった」とかはない。
・最強のコロッケではあった
とはいえ、購入当時の価格は278円、現在は540円であるが、仮に540円だとしてもコスパは相当高いコロッケなのではなかろうか? 観光地で食べ歩きのコロッケやメンチカツや500円くらいはあたり前にする時代、確実な品質とウマさが約束された『神戸ビーフコロッケ極み』は “コスパ最強コロッケ” と断言しよう。
プロも「原価を考えたら自分ではやりません」と言っていた通り『神戸ビーフコロッケ極み』は、相当原価率の高いコロッケである。35年待つ価値があるかどうかは個人の価値観次第だが、あらゆる意味で「最強のコロッケ」であることは間違いない。
参考リンク:旭屋「神戸ビーフコロッケ極み」
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
P.K.サンジュン










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