お恥ずかしながら車の免許を取得できる18歳をとっくに過ぎているにもかかわらず、運転が怖くて免許からひたすら逃げまくっていた筆者。

だってよくテレビとかで事故のニュースを見るけど、自分がその加害者になるかもしれないって考えると怖すぎるじゃん……!

しかし住んでいる場所がド田舎すぎて車がないと本当に何もできないため、先日ついに腹をくくって合宿免許に参加してきた。

当時は車の運転について「ハンドルを回すと曲がる」くらいの知識しか持っておらず、本当に2週間で運転ができるようになるのか半信半疑だったけど……なんと無事ストレートで卒業することに成功!

鍛えてもらった2週間の合宿生活はこんな感じだったぞ~!!


・1週間目

今回お世話になったのは、長野県にある自動車学校「MAXドライビングスクール千曲」。

ホームページで写真を見た時に「施設が綺麗で先生方も優しそう」と好印象を抱いたのもあるけれど、この学校を選んだ一番の決め手になったのは……


看板犬のゴールデンレトリバーがいること。犬好きとしてはこの自動車学校を選ばない理由がなかった。


そしていよいよ入校当日。手続きが終わると、さっそく1週間目のスケジュールが配られる。

「学」とついている授業は「学科」と呼ばれる座学の授業、それ以外は実際に車を運転する「技能」と呼ばれる授業だそうだ。今日の時間割を確認してみると……ん!?


初日から運転する授業が入ってますねぇ~~~~!???!?

 


こんな超絶初心者がいきなり車動かして大丈夫なんですか……!? その他にも4日目には仮免試験の模試のようなものである「効果測定」が入っていたり、7日目にはもう仮免許の試験があったり……

2週間で卒業を目指すから当たり前と言ったら当たり前なんだけど、とにかくテンポが早い!! 

これだけの授業を、本当に自分が全部モノにできるんだろうか……早くも「延泊」の文字が頭をよぎった瞬間だった。



・猛練習

授業を受ける前から自分でも薄々感づいてはいたけれど、筆者にはやっぱり運転センスがなかった。初日から3日目あたりまではカーブする度に縁石に乗り上げたり、視線を遠くに持っていくことができなかったり。

特に、ウインカーを出す前の安全確認がまったくできないのが致命的だった。

見る場所が多くて頭がパニックになってしまい、何度も目視をする前にハンドルを切るという危なすぎる運転をしていたのだが、先生方は怒ることなく根気強くコツやタイミングを教えてくださった。

自動車学校では1日に車を運転できる時間が決められているため、授業時間以外では技能の練習をすることができない。


そのためゲストハウスに帰ってから、ミラーの位置にマスキングテープを軽く貼って印をつけて練習したり、学校への送迎バスが右左折するタイミングでイメトレをしたりとできる方法で自主練習を行った。

その甲斐あって、数日後にはなんとか安全確認を克服。徐々にハンドルを切るタイミングや回し加減も分かってくるようになり、縁石に乗り上げることもなくなった。


このあたりまで来ると、授業の内容もどんどんレベルアップしてくる。

1週間目で一番きつかったのは「無線」と呼ばれる授業。なんと当日までにコースを覚え、自分1人でそこをひたすら周回するのだという。


物覚えが悪いのでコースを覚えるのも地獄だったけれど、隣でブレーキを踏んでくれる人がいないのもなかなかの地獄だった。

先生とは車に取り付けられた無線を使ってやり取りができるのだが、基本的にはコースを間違えたり危険な運転をしたりしたとき以外に声をかけられることはない。

めちゃくちゃ怖かったし大変だったけれど、その分「1人でも運転できた」と自信を持てるようになった。


3回目の無線の授業が終わると、いよいよ修了検定と仮免試験がやってくる。

直前の授業で行われる合格できるレベルか見てもらう「見きわめ」では「落ち着いて運転すれば大丈夫」と言ってもらえたものの、当日は何もしていなくても心臓がバクバクするくらい緊張していた。

まずは技能の試験である「修了検定」。隣に座っている先生のペンが動くたびに「今減点されたんじゃない!?」と冷や汗が止まらなかったけれど、何とかブレーキを踏まれずに完走。無事合格することができた! 

喜びたいところだけど、まだ試験が完全に終わったわけではない。

続いて、学科の試験「仮免試験」に挑戦。こちらは技能と違ってやりたい分だけ復習ができたため、修了検定よりは自信を持って取り組めた。

結果は仮免試験も合格判定! ひ、ひと安心~!! ここまで大変だったけど報われた気分だ……!



・2週間目

ほっとしていると、仮免許と共に2週間目の時間割が配られた。山場を1つ超えたわけだし、このあたりで一息つけるかな……


1週間目よりみっちみちやんけ!?


これまでも息切れ寸前だったのに、今後は応急処置や危険を予測する授業などさらに濃厚な内容が待ち受けているようだ。マジで……?


数時間後、筆者は一般の車や歩行者がバンバン現れる路上を走っていた。テンポが早いっ……!!

当たり前だけど交通量も標識・標示の量も学校のコースとは桁違いに多く、確認しなくちゃいけない場所がとにかく多い!!

予想外の動きをする歩行者も多く、小学校低学年くらいの子が横断歩道のど真ん中でしゃがみこんで何かを拾っていたりお年寄りが横断歩道のない所を堂々と渡っていたりした時には本当に変な汗が出た。

長野の綺麗な景色を堪能できる場所も走らせてもらったのだが、とにかく事故を起こさないようにすることに必死でそちらに目をやる余裕は全くなかった。無念。


その後は19時20分までみっちりと縦列駐車のやり方やタイヤ交換のやり方などを教わり、とにかく情報量の多い1日だった。疲れすぎて21時前には爆睡していたのは言うまでもない。

それからは毎日路上に出て、住宅街や曲がり角、山道など様々な場所を走った。

道路の状況は本当に刻一刻と変化していき、「この場合はこうする」と咄嗟に判断しないとあっという間に事故に繋がってしまう。


そのためもらったアドバイスは授業が終わった後すぐにスマホにメモしていたのだが、今見返してみるとあまりにも文字がびっしり並んでいて笑う。めちゃめちゃ必死だったんだなぁ……

1週間目の敵は安全確認だったけど、2週間目の敵はスピードだった。路上に出て数日間走っても、恐怖心が勝ってなかなか50キロ以上を出すことができない。

先生にも何度も「道の流れが悪くなっちゃうから」と説明してもらったのだが、「そこの陰から歩行者が急に飛び出して来たら」とか「交差点で車が突っ込んで来たら」とか考えてしまうとどうしてもアクセルを踏み込めなかった。


しかし、2週間目の後半にある高速道路での授業で何かが吹っ切れたように思う。

たまたまタイミングが良かったため時速100kmでの追い越しを体験させてもらったのだが、その後は「あの100kmよりマシだ」と一般道でもスピードを出せるようになった。

卒検2日前にはまだまだ改善点はあるものの比較的スムーズな運転ができるようになり、前日には「悪くない」と言ってもらえるまでに成長できた。



・卒検

満を持しての卒検当日。荷物をまとめて学校へ向かい、お昼ごはんを食べて試験が始まるのを待つ。

前日は仮免試験の時と同じくらいに緊張していたのだが、車に乗ってしまうと不思議とスッと気持ちがほぐれていつもの教習と同じような気持ちで運転することができた。


しかし、運転が終わってから「ここがまずかったんじゃないか……!?」とか「あそこはもう少ししっかり安全確認しておくべきだった……!」と反省点が浮かんできて緊張が復活。

結果発表までの時間も落ち着かず、「卒検 完走 合格率」などで検索をかけていた。

数十分後、いよいよ結果発表の時間がやってきた。試験官の先生が同じ車に乗っていた人1人1人の横をゆっっっくり歩いて……


「全員合格!」


う、うわ~~~~~~!!!!! 思わせぶりな感じだったからなんかやらかしたか!? と思ったけどよかった~~~~!!!!!


その後は本免試験に必要な書類や初心者マークなどを受け取ったり、今後の運転についてのお話を聞いたりして解散となった。


・生活も快適だった

ここまで授業のことばかりを書いてきてしまったけれど、合宿中の生活も快適に過ごさせてもらった。


まずはご飯が3食ついてくるのがありがたい。特に朝ごはんに出てくるパンが専門店のパンというだけあって本当においしかった! 

筆者は普段は米派なのだが、この2週間だけは毎日パンを食べていた。様々なバリエーションのサンドイッチや食パンが並んでおり、毎日食べても飽きることがなかったぞ。


お風呂はゲストハウスと同じ敷地にある「広徳の湯」というスーパー銭湯を使わせてもらえる。露天風呂やサウナなどもあり、毎日広いお風呂に浸かるという贅沢な時間を過ごさせてもらった。

女性は入学時に岩盤浴の無料チケットをもらうことができたのだが、筆者はタイミングを逃して結局行けずじまいだった。悔しい。


ゲストハウス内の写真は撮影を忘れてしまったためお見せすることができないのだが、パンフレットに載っているとおりの広々した本当に綺麗な部屋だった。


入学時には「MAXマネー」という金券がもらえ、周辺の施設でお金代わりに使うことができる。筆者はこれで長野のおいしいジャムを購入させてもらった。


ゲストハウスや学校の周りには様々なお店もあり、何か足りないものがあってもすぐに買いにいくことができたぞ。



・濃厚な2週間でした

あ、ちなみに看板犬のゴールデンにはしっかり会うことができました! めちゃくちゃ人懐っこく、授業でへとへとになった心を何度も癒してもらった。

ちなみに帰宅後はすぐに本免試験を受けに行き、無事に車の免許をゲット。

まだまだ未熟なところがたくさんあるので、家族につきあってもらいながら少しずつ運転の練習をしている。これからは学校で教わったことを忘れずに、安全運転でカーライフを楽しんでいこうと思う。

大変なこともたくさんあったけれど、なんだかんだで充実していた合宿免許。忘れられない思い出を作らせてくれたMAXドライビングスクール千曲さん、ありがとうございました!

参考リンク:MAXドライビングスクール千曲
執筆:うどん粉
Photo:RocketNews24.

▼可愛すぎる……おかげで2週間乗り切れました

▼絶対に眠るわけにはいかないとカフェインをキメながら頑張った

▼適性検査の結果。まったくもってその通りで笑った