おっす、オラ中澤! バツイチだ!! 現在、41歳で絶賛相手を募集中の私。出会いがマジでない。このまま死ぬのかな? できたら添い遂げられる女性と出会いたいものである。

そんなことを考えていた時、蒲田で「女性35歳」が1000円で売られているスポットがあるという情報をキャッチした。いや、35歳だけじゃなく、「女性26歳」とか「女性40歳」も1000円らしい。なんなら「男性54歳」とかも1000円だというではないか! そこで蒲田に行ってみたぞ。

・どんな相手が良いか

しかし、添い遂げる相手と考えると年齢だけを言われても難しいところがある。ガチで結婚を考えるなら若さはそんなに関係ない。むしろ、一人暮らし経験があるかとか自然に話が合うことの方が大事だと思う。

あと、お互いをどこまで許容できるか。個人的には、これ超大事。私の人生がめちゃくちゃすぎて、普通はこうとかTwitterで流れてくる良い夫アピールとか、他と比べるような人は無理だと思う。

そういったことを考えると、20代はさすがに話が合う気がしない。35歳以上じゃないと厳しいだろう。

・路地裏を進む

と、そんなことを考えているうちに蒲田に到着。スポットは東京都大田区蒲田5丁目19−6。どうやら、東口ロータリーから入る細い路地を真っすぐいったところのようだ。

路地に入ると、ロータリーのメジャー感と打って変わって一気に裏通りオーラが出る。赤提灯の飲み屋などが建ち並び、夜の通りという感じがした。その通りを進んでいくと、右手に自販機が集合しているスペースが見えてきた。

・奥

その自販機の間が人が入れるくらいに空いていた。薄暗くなった隙間には「奥」を感じる。何を隠そう、この奥が売りスポット。隙間から奥に入ってみたところ……


確かに、女性35歳が1000円だ!


女性26歳や女性40歳、男性54歳も売ってるぞー!!


自販機で

いや、どういうことだってばよ!? パッと見マジで意味不明かつ怪しすぎるこの自販機は結婚恋愛相談所である株式会社マッチングアドバイザープレスが設置したもの。相手を募集している人がここにラインナップされている。

・システム

システムはこうだ。1000円で購入した後は、このビル2階の事務所で面接となり、後日相手に連絡を取ってお見合いの準備になる。もし、お見合いできる場合は、お見合い3時間で1万5000円が必要に

ちなみに、お見合いできない場合は全額返金……って奥の自販機に書いてあった。また、自販機の近くではアナウンスも流れており、成婚費用等は全て無料なのだそうな。

・買ってみようとしたら

さて置き、35歳女性は確かにラインナップされている。そこで購入しようとしたところ衝撃の事実に気づいた。

全部売り切れてやがる……!


35歳女性だけじゃなく、32歳女性も、27歳女性も、27歳男性も、41歳男性も全部!! 確かに、アナウンスでもかなり売り切れるって言ってるが、完売とは

一発目のハードルが低いから精神的に楽なのだろう。私もそうだったしな。ガチで出会いたいなら、ここで買うのじゃなく、ここに出すべきなのかもしれない

・ビルの扉には鍵

若干、哀愁が漂ってしまったことはさて置き、どうやら、仕掛け人は村元とらじさんという人らしい。なぜ分かったかと言うと……

ビルの扉に思いっきり本人の写真が貼られているから。なんか主張が強い。「不動産売買相談部」や「選挙に私も連れてって党本部」との記載もあり、色々やっている人のようだ。

気になるのは、なぜ自動販売機という形を取っているのかということ。だが、肝心の扉には鍵がかかっている。営業時間だが、ひょっとして今日は休みなのだろうか?

・電話してみた

気まぐれに休んでいてもおかしくない雰囲気はある。念のため、結婚恋愛相談所の番号に電話をかけてみた。ぷるるる、ぷるるる……ピッ! 「はい、もしもし?」

2コールで繋がった。若干しゃがれた声。おそらく私よりずっと年上の年配の男性だ。とりあえず休日ではなかったようだが、電話に出たのは村元とらじさん本人だろうか。名乗った後、ストレートに聞いてみた。すみません、村元とらじさんですか


「はい、そうです」


・なぜ自動販売機という形を取ろうと思ったのか

直通だった。この時点で本人登場も考えたのだが、話を聞いたところ、「いっぱい来るからメディア取材は断っている」とのこと。とは言え、自販機については記事化OKとの許可をもらったため、なぜ自動販売機という形を取っているのかだけ聞いてみたら以下の回答が返ってきた。


村元とらじさん「元々、自動販売機の会社をやっていたんですね。で、スペースが余ったから、結婚相談を自販機にしたら面白いんじゃないかと思って。少子化対策とかにもなるかもしれないし」

──とのこと。取材申し込みも多いと言うし、やはり大盛況っぽい。

・意外と絶妙な温度感かも

出会いの場の設定って難しい。実際に相手を探している私からすると、冷やかしとかが来たら嫌だし、かと言って参加料が高すぎると出会えなかった場合の痛手を想像してしまうのだ。

そういう意味では、この自動販売機には絶妙な温度感を感じる。入口は気軽なんだけど、1000円で購入した後に、1万5000円払うわけだから冷やかしとかも無さそうだし。ガチで買うつもりで来ただけに盛況な理由もなんとなく納得できたのであった。みんな幸せになったのかな。オラも出会いてえぞ……。

・今回紹介した自販機の情報

店名 結婚恋愛相談所自販機
住所 東京都大田区蒲田5丁目19−6

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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▼ちなみに、ドリンクがめっちゃ安かった

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