国立公園とは、代表的な景観の地を国が指定し、自然保護や管理をしている地帯のことを言う。私(中澤)が、国立公園と聞いてまずイメージするのはグランドキャニオン。しかし、もちろん、日本にも国立公園は何個もある。大雪山国立公園もその1つ。
地元民いわく、「北海道の屋根」とも称される大雪山一帯に広がるこの国立公園は、日本の国立公園の中で最も広いらしい。そりゃあ豪儀だなあ。とポムじいさん的なノリで話を聞いていたところ、なにやら、そんな大雪山国立公園の中に温泉郷があるという。温泉郷の中にはサウナも。40秒で支度しな!
・謎
しかし、国立公園って立ち入り禁止の柵から景観を楽しむイメージなのだが、温泉郷とかあっていいもんなのだろうか? 地元民のK氏にそんな疑問を投げかけたところ「知らんけど、なんかある」という答えが返ってきた。ちなみに、その温泉郷は普段、地元の人以外ほとんど訪れないという。
それもそのはず、旭川から車で1時間30分ほど走ったがまだ着かない。要するに、旅行者には行きにくい場所にあるのだ。山道を進む車。道沿いを流れる石狩川の岸の岩感が『もののけ姫』みたいである。アシタカとサンが出会ってしまいそうだ。
と思っていたところ、Kさんが言う。「ここもう国立公園に入ってるよ」と。公園デビューしてた。
・着いた
そんなこんなで温泉郷に到着。あ~、良かった。独自の因習がある集落とかじゃなくて。旅館が建ち並ぶ普通の温泉街だった。
なんなら観光協会もある。とりあえず1度入ったら出られないということもなさそうだ。
その温泉郷の名は層雲峡。登別とまではいかずとも、長万部よりはカッチリとした温泉郷なので、まあまあ有名な気もするが、確かに人の気配はあまりない。私も、地元民のKさんに教えられなければ一生知らなかったと思う。
ネットがあるとは言え、地元の情報と外の情報ってやっぱりズレがあるんだろうな。白銀荘は知ってたんだけどね。こういう場所って日本中にありそうだ。
・安い
さて置き、Kさんいわく、「どのホテルでもある程度のクオリティーはある」とのこと。そこで目についた『ホテル大雪』に入ってみたところ綺麗で豪華。おまけにめちゃ広くてロイヤルオーラが半端ない。適当に入ってもこれですか。
館内図を見ると、7階に大浴場「大雪の湯」がある。フロントで聞いてみたところ、日帰り入浴は11時から17時までで1000円だというではないか。安い!
・もっとも高台にあるホテル
まさに大浴場という感じの広さがある大雪の湯。もちろん、サウナ室と露天風呂もある。公式サイトによると、層雲峡温泉の中で、もっとも高台に位置するホテルなのだとか。さらには、7階という立地が効いている。
露天風呂からは雪を冠する遠くの山まで見えるのだ。言うまでもなく、外気浴の時の気分は最高。しかし、なにより良いのは……
人がいないこと。ゆえに、ラグジュアリーな広さはなくともサウナ室で行列になることはないし、ととのい椅子で順番待ちをすることもない。すんごいととのう。
・悲報:都内のサウナに行けなくなる
そうなんだよな。サウナに特化する必要ないんだよな、ここだったら。ちょっとこの辺りに住んでいる人が羨ましくなったのであった。
前々から感じていた思いが実感に変わったその日。東京に戻ってきてもその実感が忘れられず、あれ以来都内のサウナに行っていない。なんか喪失感があって悲しいけれど、季節は春。新たな出会いは別れと共にやって来たのでした。
参考リンク:ホテル大雪
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼温泉むすめもいました
国立公園内にあるサウナでサ活。7階の展望露天風呂から大雪山国立公園が見えます。何せ、中にありますから。ととのいました。 pic.twitter.com/hKBcBV4CVx
— 中澤星児(ロケットニュース24) (@sorekara_jona) April 21, 2023