ある日、道の駅で「セニョール」と表記された野菜を見つけた。セニョールだなんて、身近ではちびまる子ちゃんの花輪くんが使っている単語……くらいのイメージしかない。

見た目は菜の花のような、間延びしたブロッコリーのような。食べ方がわからないが、隣にいた母に聞くと「食べたことがある」というので調理してもらえばよかろうと、ひと袋購入してみた。


・優しい味わいのセニョール

早々に種明かしをすると、セニョールはつぼみはブロッコリー、茎はアスパラの食感の野菜らしい。よく見ると、袋にそう書いてある。ちなみにひと袋20gで税込100円で買うことが出来た。


記者が手に取ったものは「セニョール」のほか「スティックセニョール」とも表示されていた。どうやらスティックが付くほうが一般的らしい。確かに長いスティック部分が特徴だものな。


母が「茹でて食べるのが美味しい」というので、そうしてもらいそのまま食べる。まじまじと見ると一層ブロッコリー感があるな……と思いつつ口に入れると、味もクセのないさっぱりしたブロッコリーだった。

ブロッコリーの青っぽい感じが苦手な人は、もしかするとこちらのスティックセニョールであれば食べられるかもしれない。それくらい優しい味わいだった。


・なぜセニョールと付くのか、聞いてみた

近所で手に入ればまた買おうと思える、日常使いしたい野菜であるが、ひとつだけ疑問が残る。どうして名前にセニョールと付くのだろうか。

こちらの野菜は「サカタのタネ」という会社が登録出願した品種であるらしい。セニョールとは男性に対する敬称、英語で言うところのミスターみたいなものであると認識している。

この野菜のどこかに、男性っぽさを感じさせるナニかがあるのか……。あまり深く考えるとあらぬ方向へ行ってしまいそうな気がしたので、急いで問題を解決すべくサカタのタネに問い合わせることにした。

すぐさまていねいな返信をくださったサカタのタネであるが、その答えはなんとも意外なもの。


「スティックは棒状のという意味で、セニョールには意味がなく、語呂がよく、明るいイメージを持たせたものです」


なんともはや、セニョール部分にはそれほど意味はないそうだ。確かにスティックセニョールは、ちょっと浮かれた感じのする響きの良さと、ふと口に出したくなる雰囲気を持っている。


この名を考えた方は、どういったシチュエーションでセニョールが頭に浮かんだのだろうか。不思議ではあるが、なんとなく納得してしまう強さを持つ名であるような気もする。

疑問が解決してスッキリ。もし次にスティックセニョールと出会った際は、よりシンプルな気持ちで味わえることだろう。みなさんも見かけることがあれば、お試しあれ。

参考リンク:サカタのタネ スティックセニョール
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.

▼セニョール部分に深い意味はなかった

▼ブロッコリーよりあっさり目で、これはこれで美味しかったです