先日、上司のYoshioが「ファーストフード店のフライドポテトを全部混ぜて、最強のポテトを作りたい」とトム・ブラウンみたいなことを言い出したため、反射的に「ダメーー!」と頭を引っぱたいてしまったのだが、よく考えたら引っぱたくことはなかったと思う。
そこで今回、大手ファーストフードチェーンのフライドポテトを8種類買ってきて、それらをすべて混ぜてみることにした。最強のポテトが誕生する瞬間を、どうか見逃さないでほしい。
・ポテト全部混ぜる
というワケで、さっそくフライドポテト収集の旅に出かけた私(あひるねこ)。楽勝かと思いきや、実際にやってみるとこれが意外と大変で、ポテトの袋を手に街中を歩き回ることに。ファーストフード店をこんなにハシゴするのは生まれて初めてだ。
Yoshioと手分けしてあちこちを巡った後、編集部にて合流。あとは買ってきたポテトを混ぜるだけである。長年の夢の実現を前に、自然と血走るYoshioの目。それではいざ! 合・体ッ!!
とその前に、まずは豪華メンバーをご紹介しよう。今回用意したのは以下の8社のフライドポテトだ(価格は2023年3月16日時点)。
マクドナルド(税込330円)!
ロッテリア(税込285円)!
ケンタッキー(税込400円)!
バーガーキング(税込300円)!
モスバーガー(税込330円)!
ファーストキッチン(税込304円)!
フレッシュネスバーガー(税込340円)!
ドムドムハンバーガー(税込320円)!
以上、サイズはすべて「M」で統一してあるが、ケンタッキーとモスバーガーは「S」と「L」しかなかったため「L」を選択したぞ(2023年3月16日時点)。ではでは、これら全ポテトを一つのジップロックにブチ込んで……
ふるポテ!
シャカシャカポテト!!
さあ刮目せよ……! これが……!!
最強のポテトだ!!!
・ポテトアベンジャーズ
いかがだろうか。各ファーストフードチェーンが手掛ける自慢のフライドポテトが、一堂に会する光景なんてそうお目にかかれるものではない。侍ジャパンに匹敵するレベルの超オールスター軍団である。これは優勝以外あり得ないだろう。
「ウメ~~~」と幸せそうな鳴き声を上げながら、1本また1本とポテトを口に運ぶYoshio。実に満足気な表情である。しかし、その様子を見て私はあることに気付いた。
──いやこれ、混ぜた意味あんのかと。冷静に考えたら、Yoshioが普通にポテト食ってるだけじゃねーか。ていうか1本ずつ食べるなよ! ただのおっさんの食事かよ!! そこでフォークに大量に刺して一度に食べさせてみたところ……
Yoshio「わースゲェ! いろんなポテトの味がするよ! ナニコレ!? いろんなポテトの味がするよ!! ウメ~~~!!」
なんだか余計にアホっぽくなってしまった。が、実はコレ、本当にそんな感じなのである。同じフライドポテトでも、同時に食べてみると思った以上に味が違うのだ。これは面白い発見だぞ。
・際立つ個性
例えばケンタッキーとバーガーキングは、太さ自体は同じくらいでも、味の記名性とでも言うべきものがまるで異なる。バーキンと比べると、ケンタはとにかく “ケンタの味” がするのである。それが何なのかは私もよく分からないのだが、食べた瞬間、直感的に「あ、これはケンタだ」と分かってしまうのだ。
その頂点と呼べるのがマクドナルドで、これだけ大量にポテトがひしめいているにもかかわらず、匂いや風味のせいだろうか? マックだけはどんなに冷めていても、どんなに小さくても絶対にマックだと確信できる。まさに他の追随を許さない圧倒的な存在感である。
まあフレッシュネスは異色すぎるため例外としても、マックとケンタの個性はこのオールスター軍団の中でブチ抜けていると言っていいだろう。単体で食べるよりも、いろんなポテトを同時に食べた方がより味のグラデーションがハッキリする。そういう意味では、たしかに最強のポテトだった。
それにしても、Yoshioのトム・ブラウンみたいな戯言から、まさかこんな結論に発展するとは……。何事も挑戦してみるものである。ポテトファンの皆さんはぜひとも試していただきたい……とまでは言わないが、頭の片隅にでも入れておいていただければ幸いだ。
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
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