量り売りの持ち帰り弁当でお馴染みの「オリジン弁当」。実は創業当時から弁当屋だった訳ではない事実はあまり知られていないと思う。運営元の「オリジン東秀株式会社」の社名には「オリジン」と「東秀」という2つの名前が入っている。その東秀こそがオリジンの原点である。
同社は1966年の創業時、中華料理店「東秀」から始まっていたのだ。そしてその東秀(Toshu)、今でもあるんだぞ。知ってた? 関東を中心に約50店舗を展開しており、安くて美味いメニューを提供している。知られていないかもだけど、もっと評価されていいと思うんだけどなあ~……。
・中華料理から始まったオリジン
持ち帰り弁当を始めたのは1982年、「マミー弁当」の名で事業を開始し、1994年に神奈川県川崎市に「オリジン弁当」の1号店を誕生させている。イオンの傘下に入った今、同社の主力は弁当だが、中華料理店は「れんげ食堂 Toshu」の名で事業を継続している。
東京・中野新橋にもそのうちの1つのお店がある。ちなみにれんげ食堂1号店が誕生したのは2017年のこと。ブランドの歴史としては比較的新しい。「中華東秀」の名で営業しているのは西東京の1店舗のみとなっている。
メニューを見ると、セットと定食が充実している。このほかにも開店から17時まで提供しているコスパランチというのもあるな。
「油溌(ヨウポー)麺」と「火鍋麺」が期間限定メニューとのこと。定番をおさえつつも、新メニューの開発にも積極的だ。れんげ食堂は、日高屋と大阪王将をかけ合わせた感じかもね。
今回頼んだのは「餃子ダブル定食」(税別760円)、スープをミニラーメンに変更(税別120円)で。変わったメニューも味わってみたかったけど、ほかのお客さんが食べてる餃子があまりにも美味そうだったので、コレにしてしまった。後悔はない、うん。
餃子はダブルで12個。単品注文の場合は6個で税別260円となっている。餃子の王将が単品6個で税別270円。大阪王将が単品6個で税別290円(新宿店)だから、他社に比べてちょい安い。
ラーメンの麺にはデュラムセモリナ粉を使用しているそうだ。
麺は口当たりがツルリとしていて、モッチリとした歯ごたえ。スープはほんのりと魚介のきいたあっさりとした味で、上品な印象を受ける。
餃子の主要材料はすべて国産のものを使っているそうだ。皮が薄くて市販の冷凍餃子のように見えなくもないかな。
にんにく・にら・しょうがが入っているけど、これらの香味はそれほど強く感じない。食べてもニオイはまったく気にならないレベルである。
餃子定食には自家製ラー油がついてくる。普段はラー油を使わないけど、定食につけてくるってことは、よほど味に自信があるんだろう。では、その自信とやらを確かめてみるとしよう。結構辛そうに見えるけど、辛味はほぼなく、香辛料の華やかさとザクザクとした食感が楽しめる。
やたらと食欲を誘う味で、このラー油餃子でご飯が1膳行けるのでは? とさえ感じる美味しさだった。
総じて、味つけは軽くて上品。中華特有の脂っこさや味の重さは一切なかった。老舗チェーンでありながら、今の時勢に合わせてメニューをアレンジしていると見える。近年油ものがあまり食べられなくなった私(佐藤)は大変好感を持った次第だ。
もっと評価されていいと思うんですよねえ。オリジン弁当しか知らないって人は、一度お試しあれ。おすすめですよ。とくに中高年の皆さんにね。
・今回訪問した店舗の情報
店名 れんげ食堂 Toshu 中野新橋店
住所 東京都中野区弥生町2-27-7
時間 11:00~23:00 土日祝11:00~22:30
参考リンク:オリジン東秀株式会社
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24