早くも年が明けて1か月が過ぎた。この時期になると、お正月に使った甘酒用の酒粕(さけかす)が余って困っている人もいるんじゃないだろうか?
いくら賞味期限が長いとはいえ、粕汁や粕漬けなど 酒粕を使ったレシピは限定的。しかも、どれもちょっと渋めで手堅過ぎる料理なのが難点である(美味しいのは間違いないけど)。
もうちょっとこじゃれた酒粕レシピが欲しい! ……そう思っている方に作ってみてほしいのが、酒粕を使ったスパイスカレー。こっくりクリーミーなのにヘルシー、イケてる酒粕料理ランキング1位を狙えちゃいそうな美味しさだぞ!
・酒粕(さけかす)は日本酒の副産物
酒粕とは “もろみ(酒母、麹、蒸米からできる日本酒のもと)” を絞ったあとの搾りかすにあたるもの。豆乳にとってのおから的な位置づけだ。
わかりやすいよう搾りかすという言葉を使ったが、ゴミではない。日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると、食物繊維やたんぱく質、ビタミンまでも含む栄養たっぷりな食材で、おまけにアミノ酸が入っているためうまみ・コクも出してくれるのだ。
そんな酒粕が果たしてカレーと合うのか? という疑問もあるかもしれないが、料理酒だってカレーや肉じゃがにマッチするのだ。日本酒の副産物である酒粕が、カレーに合わないわけがない!
っていうか、元をたどれば酒も酒粕も米からできている。カレーは米にかけて食べる。つまり、酒粕はカレーにピッタリってことなのだ。
証明が完了したところでさっそく作っていこうぜ!
・酒粕スパイスカレーの材料
・酒粕 200g
・水 300ml(好みのトロみに合わせて調整可)
・牛乳 120ml
・油 大さじ1
・豚ひき肉 300g
・あらごしトマト 1パック(トマト缶でもOK)
・コンソメ 1個
・ニンジン 1本
・玉ねぎ 1個
・ピーマン 4個
・パプリカ 1個
・カレー粉 大さじ3
・にんにく、しょうが チューブで2㎝ほど
・塩コショウ 適量
前準備として、野菜はすべてみじん切りにしておくこと。キーマカレーをイメージしてもらうとよいだろう。
なお、カレー粉には大津屋のインデラ・スタンダードを使用した。
スパイスカレー初心者におすすめの、バランスが良い本格ミックススパイスだ。
・酒粕スパイスカレーの作り方
①鍋に油を熱し、まずはにんにくとしょうがを入れ、香りが出たら玉ねぎをすべて入れてシンナリするまで炒める。
②トマトと残りの野菜を入れ、水分が飛んでペースト状になるまで炒める
③ひき肉とカレー粉を入れ、肉に火が通るまで炒める
④酒粕を入れてしっかりと混ぜる
なお、酒粕をレシピ通りの分量入れるとガッツリお酒っぽい香りが残る。好きな人には嬉しいのだが、苦手な人は少しずつ調整しながら入れた方がよいかもしれない。
⑤牛乳、水、コンソメを入れて煮込む(グツグツし始めたら、焦がさないよう弱火にする)
⑥10分ほど煮込んだら塩コショウで味を整え、ご飯と一緒にお皿に盛って完成!
・乳製品みたいにクリーミーなコク
酒粕スパイスカレーを一言で表すなら「もったりクリーミーなスパイスカレー」。
トマトの酸味、酒粕の甘みと香り、スパイスなどの組み合わせは 一見ケンカをしそうなのに相性バッチリだ。
特徴としては生クリームのようなコク、チーズのような濃厚さと食べ応え、ギリシャヨーグルトをたっぷり入れたようなクリーミー感に、ホワァ~っと甘酒のような香りが楽しめることだろうか。
酒粕が水分を吸い取るのか、小麦粉を使わず油も控えめなのに、普通のカレーのようにルーがトロトロしているのもお気に入りポイントである。
ただし、酒粕は8%ほどのアルコールを含んでいる。子供や妊娠中の女性、運転前の人が食べる際は注意してくれよな!
参考リンク:食品成分データベース(出典:日本食品標準成分表2020年版)
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.