去年の春に羽田空港や東京駅等に設置され、話題を呼んだラーメンの自販機を覚えているだろうか? アメリカのYo-Kai Expressによるもので、90秒で出来立てのラーメンを作ってくれるというヤツだ。
実は設置早々にレビューしてみようと思い、私も2度羽田空港に足を運んだのだが、どちらの時も完売していて食べられなかった。当時はそれなりに注目されていて競争率が激しかったのだ。
それがつい先日、羽田空港にてこの自販機のことを思い出し立ち寄ってみたところ、注目度が落ち着いたからか全メニュー在庫があるではないか! しかも前は無かった「一風堂」のラーメンがメニューに入っている!! これは食べてみるしかないだろう。
・前は4種だった
2022年の4月に訪れた時に提供されていたメニューは、「札幌 Spicy Miso(790円)」「九州 Tonkotsu(790円)」「鶏 Yuzu Shio(790円)」そして「東京 Shoyu(790円)」の4種だった。
ちなみに売り切れていると、こういう表示が出る。
それがおよそ8カ月ぶりに来てみたところ「一風堂 博多とんこつラーメン(980円)」と
「IPPUDO プラントベース(豚骨風)(980円)」が新たに登場していた。
・食べてみた
とりあえずまずは「鶏 Yuzu Shio(790円)」をオーダーしてみることに。決済の方法が複数用意されているのは便利。
システム周りについては8カ月前に色んなところで解説されているのでいいだろう。マジに90秒で出来上がって出てくる。
これが現物。メニュー表の写真ほど映えてはいないが、だいたいこんなもんだろう。
クリーミーなあっさり塩味だが、オイリー感はかなり強めに感じた。しかし、このスープの出来は驚愕に値する。とても自販機から出てきたとは思えないウマさ。
パッとしないその辺のラーメン屋よりはウマいと思う。よく研究されているのだろう。トッピングのチキンについては、まあ普通。
ただし麺のクオリティは中の下といったところか。ツルツルで柔らかく、正直に言ってそこまで仕上がりのいい麺ではない。まるですでに伸びつつあるような、過剰に水分を吸った感のある茹で具合。90秒で完成することに対する代償なのかもしれない。
・一風堂は
続いては「一風堂 博多とんこつラーメン(980円)」を試してみよう。同じ自販機で作るのに、そこまで差別化できるものなのかという点にも注目したい。
こちらも90秒で完成。一風堂史上、この自販機のラーメンが提供まで最速かもしれない。
見てすぐに気づいたが、麺がちゃんと違っている……! それに玉子の半熟具合が見事だ!
食べてみると、麺は見かけだけでなく、ちゃんと芯をある程度残して食うのがウマそうな仕様の麺であることが判明。しかし、やはりちょっと茹ですぎているようなユルい食感が否めなかった。
対してスープの出来はこちらも上々。しっかりと豚骨らしいトロみと豚の匂いがある。店舗のスープよりも明らかに塩気が強いように感じるが、一風堂の因子を感じさせる仕上がりだ!
ということで、忘れた頃にやっと食べることができた自販機の出来立てラーメン。はっきり言って、他の店が営業している時間帯であれば、そちらで食べた方がいいと思う。
少なくとも羽田空港や東京駅にはマジでウマいラーメン屋がそれなりにあるからだ。しかしこいつの強みは24時間営業という点。
夜に羽田空港入りして、飲食店がすでに閉まっているという場合には十分アリだろう。かなりガチで頑張っていると思う。麺の茹で具合こそ課題だと思うが、自販機から90秒で出てきたモノとは思えないレベルには達しているぞ!
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
▼羽田空港第2ターミナルの奥の方にある。
▼私が食べていた時、同じスペース内で振る舞いに品が無く、ろくでも無さそうなおっさんがラーメンを食っていた。こういうおっさんはやる事全てがクソな確率が非常に高いが
やはりクソで、手を洗うための流しにスープを捨て、ゴミを残したまま出ていって不愉快だった。
ちなみに私は全てがまともで振る舞いも一般的なので、ちゃんと外にある専用の容器に捨てたぞ。
食べる方は最低限のルールくらい守ろうな。