あれは12月の中頃だっただろうか。明け方、目を覚ますと家の電気がすべて止まっていた。トイレに座ったら暖房便座がキンキンに冷えていて「ひゃう!」となったのだ。そういえば換気扇も止まっている。なるほど、おそらくこれは停電だな。

そう確信した私(あひるねこ)がまず最初にしたことは……二度寝だった。起きたらワンチャン復旧してるかなぁって。でもダメだった。7時に起きても電気は変わらず止まったままだ。一体何があったんだろうか? とりあえずSNSをチェックしてみよう。

・異変

テレビがつかないため、まずはSNSで情報収集を試みる私。ところがここで異変に気付く。誰も停電の話をしていないのだ。住んでいる自治体の名前で検索してみても、何も異常は発生していない様子。え? てことは、電気が止まってるのはウチのマンションだけか?

そう思って外に出て見ると、そこにはさらなる奇妙な光景が広がっていた。なんと、廊下の明かりがついているのである。

ん? あれ? もしかして……停電してるのウチだけ? 夜中にブレーカー落ちた? 寝てただけなのに? しかし部屋に戻って分電盤を見てみても、何も異常はない。なのにつかない。なんというか、電気が元から来ていない感じだ。

・原因不明

さて、困ったことになった。こういう時はどうしたらいいんだろう。まずは管理会社に連絡? と思い電話してみたところ……繋がらん。そりゃそうか。10時始業らしい。いやいやいや、あと2時間以上あるがな。真冬にノー暖房&ノーお湯は辛いぞ。冷蔵庫も止まってるし。

そこで私が頼ったのが「東京電力パワーグリッド」だった。こちらでは停電状況の確認等を24時間受け付けているという。自動応答のチャットで質問に答えていくと、途中からオペレーターの方にチェンジ。

その結果、私が住んでいる地域で送電線や配電線トラブルによる停電は発生していないことが分かった。電気が止まった原因やきっかけに心当たりがない旨を伝えると、作業員の方がマンションまで見にきてくれることに。あ、ありがてぇ……!


ただ、ここからがちょっと重要なのでよく聞いてほしい。オペレーターの説明をそのまま引用すると……


「まずは当社設備を無償で調査いたします。当社設備に異常がなかった場合は、『こちらからは有償になりますがいかがなさいますか』と作業員からお訊きした上でお客様設備の有償調査を行ってまいります(税込13000円)」


つまり、停電が東京電力側の設備の問題なら無償、マンション側の設備の問題なら有償ということである。もし有償だった場合、管理会社に話を通さず判断すると、後々トラブルになる可能性があるため注意が必要だろう。

で、結論から言うと、今回の停電はマンションの設備の老朽化が原因だった。と言ってもマンション全体ではなく、私の部屋に送電する線? に問題があるという。ピンポイントすぎるだろ!

しかも作業員さん曰く、設備が古すぎて部品を東京電力側で用意できないらしいのだ。つまり、マンション側に何とかしてもらうしかないのである。え……? じゃあ、ウチは今日この後どうなるの? マンション側の問題ってことは有償? 気になることだらけだぞ。

ただ、この前後の出来事をすべて詳細に書くと非常に長くなるし、その前に私が面倒なのでかいつまんで書くと、実は作業員さんが来るタイミングで管理会社と連絡が取れ、その結果、担当の男性が来て作業員さんと話すという理想的な展開になりました。

これにより、無償か有償かなどを気にする必要もなくなったため、あとはそちらにお任せしますと話を丸投げする私。最終的に作業員さんの応急処置によって電気は復旧し、マンション側の手配で後日改めて工事を行うことになった。この件はマンション共有部でも告知されたのだが……


「今にも電気の利用が出来なくなってもおかしくない状況です」


おい大丈夫かよ!


・解決

一応書いておきますと、この記事を書いている時点で工事は無事終了したので、もう停電の心配はありません。本当にありがとうございます。ほっと胸をなでおろすと同時に、今回の一件で私はリノベーション物件のデメリットについて考えさせられた。

リノベーション──。一般的には既存の建物に対し、大規模な工事で新たな機能や価値を付け加えることを指す。

実は私の部屋も数年前にリノベーションされたばかりで、それが入居の決め手になったのだが、マンション自体はハチャメチャに古いのだ。外観はもちろん、共有部も何もかもが古めかしい。現在37歳の私よりだいぶ年上である。

それでも普通に暮らす分には特に問題ないが、今回のような老朽化によるトラブルに見舞われる可能性があるということは、物件探しをしている人は覚悟しておいた方がいいだろう。ぶっちゃけ私はまったく考えていなかった。「古いけど部屋はキレイだからいっか」くらいの認識だったはずだ。

むしろ古い外観とのギャップで、より魅力的に見えるケースもあるかもしれない。リノベーション物件は入居者にとってメリットが多いが、当然デメリットだってある。新居を探す際は、そのことを頭の片隅に置いておくといいと思うぞ。

参考リンク:東京パワーグリッド
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.