
2023年のマイベストグルメが決まってしまったかもしれない。1月にこんなことを書くライターが最も信用ならないのは重々承知しているが、しかしそれほどの衝撃だった。何の話かと言えば、「ぬれ煎餅」だ。銚子電鉄の「ぬれ煎餅」である。
筆者はこの「ぬれ煎餅」というものに前々から興味を抱いており、今回初めて実食したのだが、驚くほどに美味しかった。今年最上位は言い過ぎでも、5本、いや10本か20本の指には入るだろうし、少なくとも「濡れた煎餅部門」ではトップに違いない。
後から及び腰になって予防線を張り出すライターも信用ならないのは承知しているので、そろそろ具体的なレビューに移ろうと思う。
そもそも銚子電鉄の「ぬれ煎餅」と言えば、千葉県にある同社の鉄道員が、収入減少を補うために開発した商品である。改めて名前の由来を確認したところ、煎餅に醤油タレが染み込んで濡れていることから「ぬれ煎餅」と呼ばれているらしい。
今やメディアを通じてその存在が知られているものの、しかしまだローカル感が強くはある。さらに付け加えるなら、普通の煎餅しか知らない者からすれば、そこはかとなく亜流感と邪道感も漂う。
筆者が入手に乗り出したのも、美食を求めてというより好奇心からだった。要するに若干舐めていた。公式オンラインショップを覗くと数種類の味が並んでいたが、今回は「赤の濃い口味」と「青のうす口味」を購入。前者は最初に発売された「ぬれ煎餅」とのこと。価格はいずれも5枚入りで500円だった。
先入観が崩れ始めたのは、実物と対面したあたりからだ。勝手にビショビショに濡れているものだと思い込んでいたが、全くそんなことはなかった。見た目だけなら限りなく普通の煎餅に近い。
しかし触ってみると、しっとりとしている。指に力を込めると、しなる。煎餅がしなっている光景を初めて目の当たりにしたので心を揺さぶられる。同時に、もしかしたら、これは味に関しても新感覚を体験させてくれるのではないかという期待が芽生えていた。
突き動かされるままに、まずは「濃い口味」の方からかじりつく。結果、まさに期待通りだった。口に含んだ瞬間に、心は美食に浸っていた。濃厚な醤油の味わいと香ばしさ。そして何より特徴的なのが食感だった。
濡れていながら硬さもあり、もちもちとした弾力もある。煎餅と餅が組み合わさったような、あるいは餅の焦げ目の部分を食べているような。ともかくその絶妙な独特さが、「ぬれ煎餅」を単なる湿気た煎餅とは感じさせず、噛むほどに広がる醤油の風味を楽しませてくれる。
これは美味しい。味付けと食感の奥深いハーモニーがただただ素晴らしい。頬が落ちるし、目から鱗も落ちるし、これを侮っていた筆者の沽券(こけん)も地に堕ちている。
ただ、非常に味が濃い。筆者は味が濃いものにときめきやすい体質なので助かっているが、薄味が好きな人は少々覚悟が必要かもしれない。
ならば「うす口味」の方はどうかと食べてみたところ、あろうことか、こちらも普通に味が濃い。確かに「濃い口味」よりは少し抑えめだし、ダシの風味も感じられるが、決してあっさりなどしていない。ただちに「やや濃い口味」に改名した方がいい。
薄味が好きな人を救済するのかと思いきや、門戸をピシャリと閉ざすような手腕。間違いなく考案者の鉄道員は筆者と同類だ。とはいえ、個人的にはそれが嬉しい。健康志向の影響か、塩辛い商品が少なくなりがちな昨今、その流れに抗するような仕上がりが有難くて仕方ない。
最後に誤解のないように書いておくと、そうした個人的な嗜好を差し引いても、この銚子電鉄の「ぬれ煎餅」はハイクオリティだと言える。亜流や邪道といったレッテルを吹き飛ばすような気概と、食べる者の舌を喜ばせようという丁寧さに満ちている。
今となっては、「ぬれ煎餅」の一層の発展を願うばかりだ。また、この記事が発展の一助となれば幸いである。好き放題書いておきながら文末に都合の良いことを言い出すライターも信用ならないのは承知しているので、そろそろ筆を置こうと思う。
参考リンク:銚子電鉄 オンラインショップ
執筆:西本大紀
Photo:Rocketnews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
西本大紀







オオグソクムシ入り「超グソクムシ煎餅」はマジでお土産に最適かもしれない
新潟のお菓子「南蛮えび煎餅」お土産用の商品とスーパーの商品を食べ比べてみたら…
伊勢丹や松屋銀座で常に完売している富士見堂の「あんこ天米」を買いに行ったら… 入手難易度が高すぎてビビった
【福袋2026】「成城石井」の福袋を買い続けている自称玄人、今年は「大人気おせんべいセット」に大満足 / 味見したら摩訶不思議のクオリティだった
『ぬれどら焼き』の濡れ具合が想定外でビビった / どら焼きをなぜ濡らすのか知りたくて購入したら…
ジビエ食べ放題3000円! 猟師が運営するドライブイン猟師工房で「熊カレー」を食べてみた / 千葉県君津
ついに創刊! デアゴスティーニ「水曜どうでしょう」開封レビュー / 幻のTVノーカット版『サイコロ1』はエンディング曲が違う
1500円でスイーツ10点。モンテール工場直売の福袋でセルフスイーツビュッフェが完成してしまった / 福袋2026
【4コマ】魔王軍はホワイト企業 1864話目「セキュリティトラブル⑤」
【当たり】セブンの折りたたみ傘「軽ブレラ」が想像以上に有能! カバンに常備できる圧倒的軽さでじわじわ評価を上げてきた
【2026年福袋特集】これまでに公開された福袋記事へのリンク集(随時更新)
【嘘だろ】楽器通販サイト「サウンドハウス」の3000円福袋の中身が全く楽器ではない! 買ってみたら山に登りたくなった
【伝説登場】「スタバ福袋2026」の中身を大公開 / 編集部22人全滅…それでも届いた正月の奇跡
【物価高】洋菓子メーカー「モロゾフ」の福袋を開けたら、メーカーの悲痛な叫びが聞こえた / 何年も変わらなかった中身がついに…!
アルペンで買った「ニューバランス福袋(1万3200円)」の中身が5万円超で大当たり…と思ったら1つだけ衝撃的な問題があった
【裏側】テレビで自分の曲が流れたのに使用料が支払われてないから、JASRACに逆凸してみた一部始終
【泊まれるスーパー銭湯ランキング】記者がガチで朝まで過ごしたオススメ施設7選 / 宿泊費を抑えて大浴場・サウナ入り放題で最高だったぞー!
2023年に炎上した「高島屋のクリスマスケーキ」を今年も買ってみた結果 → 意外な変化が…
【美濃焼】おうちカフェ食器10点入り3980円の福袋が大正解! ただ、ひとつだけ不満な点もあった…
【検証】10年間ほぼ毎日飲んでる「コーヒー」を1週間断ってみたらこうだった
【は?】楽天で見つけた「在庫処分セール半額おせち」を買ってみた結果 → 届いた数日後にブチギレかけた
【雑草対策】カインズで598円「撒くだけで防草できる人工砂」の効果がヤバ過ぎた / お財布にも環境にも優しい超画期的アイテム
【検証】「スタバはどのサイズを頼んでも量は一緒」という動画が出回る → 実際に試してみた
【事故】楽天で買った『訳ありB級フルーツ福袋』を開封した翌日、妻から信じられないLINEが来た「メロンが…」
この刺身、インスタント食品なんです! 水を入れて10分で出来る『本格タコ刺し』が革命過ぎてヤバい!!
【知ってた?】歌舞伎パックでおなじみ「一心堂本舗」は『おかき』が超うまいんだぞぉぉぉぉぉ!!!!!
銚子電気鉄道の「線路の石」缶詰を買ったら、驚きと遊び心が詰まっていた!
濡れせんべいを「冷蔵庫内1週間放置の刑」で表面パリパリにして味の違いを確かめた / 鬼軍曹的検証:第2回
【再販まで間もなく】『東京みやげ福福セット』が例年よりパワーアップ…! 特別感も増しているぞ / 福袋2025
帰省のたびに羽田空港で必ず買う! 「東京やさいカリーおかき」はマジではずさないお土産
【終電】ヤバい電車に乗ってしまった / 怖すぎる銚子電鉄のピンクニュージンジャー号
青森県八戸市のセブンイレブンで見つけた「一家族1つでお願いします」と注意書きのある商品が意外だった!
こんなに大きい餃子、見たことあるかい? 栃木のお持ち帰り冷凍餃子専門店「小山餃子」は8センチのジャンボサイズ…なだけじゃなかった!!
スタバの「キャラメルワッフル」を “より美味しくする方法” があるって知ってる? 簡単にできるので試してみた
『ぬれアンダギー』が思ったよりも濡れていなかったので濡らしてみたところ、あられもない姿に