
「モンブラン」といえば洋菓子の定番。栗を使ったものが主流だが近頃は芋やイチゴ、抹茶やかぼちゃなど変わり種も増えている。さらにはプリンやパンケーキ、パフェなど他の洋菓子にも、あの絞りだしたクリームを用いるパターンも増えている。そんなモンブランを日本で初めて提供したお店が東京・自由が丘にある。その名も「モンブラン」だ。
このお店は2022年12月31日、自由が丘駅周辺の再開発に伴い、仮店舗に移転するために閉店することとなった。そのお知らせから名店の自負と覚悟が垣間見えた。
・日本で初めてのモンブラン
お店は現在(2022年12月)、店頭販売と喫茶営業を行っている。12月31日16時をもって今のお店での営業は終了する。それから約1カ月の準備期間を経て、2023年2月10日より最寄の仮店舗で営業を再開する予定だ。
喫茶のメニューを見ると、伝統的な洋菓子がズラリと並んでいる。さすが歴史ある老舗、目まぐるしく変化するスイーツのトレンドに流されることなく、トラディショナルなケーキのスタイルを守っている姿勢がうかがえる。
やはりモンブラン(税込867円)を頼むべきだろう。今から約90年前の1933年に日本で初めて提供された看板商品だ。初代社長が創意工夫の末にこの形になったのだとか。その当時の形とレシピを今でも守り続けているという。
こちらが実物。ケーキとブレンドコーヒー(セットドリンク税込620円)を一緒も注文した。
土台にはカステラ、その上にバタークリームと生クリーム。そして絞った国産栗のクリームで山肌を表現し……。
てっぺんのメレンゲを雪に見立てているのだとか。
使用しているのは愛媛県産の「中山栗」。近年国産の栗の収穫量が減少しているなかで、全国をまわって納得のいくこの栗に出会ったそうだ。栗そのものの優しい甘さもさることながら、口に入れるとその滑らかさから丁寧な仕事ぶりを感じ取ることができる。
中の生クリームは風味が豊かで、まろやかな舌触りで、口中に静かな甘さの余韻が残る。
しっとりとした食感のカステラの中には、カスタードクリームと栗が1粒入っていた。ふんわり・しっとりとした食感で構成されたケーキのど真ん中に1粒の栗。その歯ざわりが小さなサプライズ効果を生み、モンブランの印象をグッと引き締めている。
・自負と覚悟
さて、残念ながら31日をもってこのお店は一旦閉店することになる。それと同時に、もう1つ、悲しい事実がお知らせに記載されていた。
「喫茶について 出来立てをご提供することを大切にしてきた当店にとって、限られた物件の中でこれまで同様の洋菓子をご提供するには、喫茶を諦めざるを得ませんでした」
モンブランに支店はなく、ここだけで味を守り続けてきている。そのこだわりがあればこそ、90年もの長きにわたってお店を営業して来られたのかもしれない。
おそらく喫茶を断念する判断も、こだわりゆえのことだと思う。容易な判断ではなかったと思うのだが、この1文から名店の自負と、これからも美味しいものを作り続けたいという固い覚悟を感じる。
仮店舗での営業は約4年間続く見込みとのこと。なお、2月10日からは持ち帰りでモンブランを購入することが可能だ。また焼き菓子等は通販で購入することもできる(2023年1月9日より順次出荷:一部商品は移転のため販売休止中)ので、遠方の方は利用して頂きたい。
仮店舗での営業を終え、再びお店でモンブランを食べられる日が来ることを、心から願っている。
・今回訪問した店舗の情報
店名 モンブラン
現住所 東京都目黒区自由が丘1-29-3(2022年12月31日まで)
新住所 東京都目黒区自由が丘1丁目25-13(2023年2月10日から約4年間の予定)
営業時間 11:00~19:00 (12月31日は16時まで)
参考リンク:モンブラン、通販ページ
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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佐藤英典










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