気付いたらドル円がヤバイことになっていた。というか、現在進行形でヤバイ。本日2022年12月20日、ドル円のチャートは12時を境に垂直落下。1ドル=137円台が一気に1ドル=133円台になっている。日経平均も2万7200円代が一気に2万6500円代と700円以上下落した。

トレーダーである私(中澤)からしたら40万円くらい溶けそうな大事件なわけだが、一旦全部忘れて筋肉に聞いてみよう。パワー! ほわほわほわ~ん……アレ? ドル安くなってんじゃん! 買うのかい? 買わないのかい? どっちなんだい!? 買ーーーーうッ!!

・手にできたドルは

というわけで、新宿西口の両替所で1万円分ドルを購入してみた。12時29分時点で、ドル→円交換のレートは「1ドル=133.02円」で、円→ドル交換のレートは「1ドル=137.46円」。さらに、交換手数料が12パーセントかかるので、手にできたのは64ドルだった

ドル→円が為替とほぼ同じなのに対し、円→ドルが独自のレートなのは、以前の記事でお伝えした通り。あの時も日銀の為替介入の記事だったが、今回もこうなったことには日銀が絡んでいる。

・急激な円高のキッカケ

長期金利について、これまでは「プラスマイナス0.25%程度」の変動幅で推移するよう調節するとしてきたものを「プラスマイナス0.5%程度」に変更したのだ。凄く細かい数字に見えるかもしれないが、事実上の利上げと受け止められ、市場が反応しているのである。

で、私もその煽りを喰らった1人ではあるが、評論家でもないので、全体にとってこれが好手か悪手かはよく分からない。ただ、別に景気が良いわけでもないし、普通に考えたらこのタイミングの利上げなんて反発が出るに決まってるから、日銀の黒田総帥は決断した感じはする

・元本よりプラスになるには

さて置き、話を戻そう。交換所で得たドルを改めて計算してみると、売った時に元本よりプラスになるのは「1ドル=157円」の時。157円て。円安が騒がれた今年、1ドル=150円で32年来の安値水準だったからハードルはかなり高い。

一方、今年の初めは「1ドル=115円」だったことを考えると、まだ円高には余裕があるが、まあ、みんなが予想しないことが起こるということは2022年のドル円が証明していると言える。そんな今年の締めくくりに日銀が動いたことも象徴的だ。さて、ここから上がるのかい? 下がるのかい? どっちなんだい!? ヤー

参考リンク:NHK
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.