2022年9月22日、日銀が24年ぶりに為替介入に踏み切った。先週の木曜日からめちゃくちゃニュースになっているのでご存知の方も多いかと思うが、要するに、これは円が安すぎるから価値を上げるために、政府と日銀がドルを売って円を買ったということである。

そのため、木曜日の夜の為替は、1ドル=145円から一気に1ドル=142円台になる急激な乱高下状態に。ヤッべェェェエエエ! 為替が嵐の海みたいになってる!! って待てよ? これ、142円台のうちに円をドルに替えて、為替が戻ってきたところで再度円に戻したら、両替えするだけで儲かるのでは……?

・1万円をドルに両替え

というわけで、速攻で両替所に走り、とりあえず1万円分をドルに両替えしてもらった。ニュースで流れてきたのが17時30分だったので閉まるギリギリになったが、なんとか滑り込みセーフ! 9月22日17時58分の為替は1ドル=141.935円。1万円を両替えした結果は63ドル70セントであった。

・当時の個人的な予想

さて、ここから為替がどう動くのかは分からないが、あとは待つのみ。個人的なこの時の予想を言うと、今晩が円高の山でこのまま勝手に円高が進むということはないのではないかと思っていた。


事実、翌日の金曜日から戻り始める為替。市場が休みの土・日を挟み、昨日月曜日には144円台に。そして、本日9月27日の朝見たら、1ドル=144.540円になっていた。

・再度両替えしてみた結果

為替で言うと、約142円から約145円の値動き。1万円分と言えど、1ドルごとに3円も変われば、手数料合わせてもプラスになるはず。時は来た。1ドル=145円を超えたらまた日銀が円買いするかもしれないので、このタイミングで再度両替所に行き円に戻してみたところ、返ってきた円は……

9261円


「ー739円」という結果になった。為替だと1ドル3円分儲かっているはずなのに、まさかのマイナス! なぜこうなった……? 何を隠そう、最初の両替えからすでにおかしいのです

・マイナスになった理由

1ドル=約142円なら1万円は約70ドル。しかし、もらえたのは63ドル。そう、実はこの時、両替所の「円→外貨」レートは1ドル=144.46円だったのである

これについて店員さんに確認したところ、「為替レートは参考にはしているが、厳密に言うと、両替のレートは為替レートとは別物」とのこと。知らんかったァァァアアア

「外貨→円」は142円台になっているのに、「円→外貨」は変わってない。ちなみに、両替所によっても両替えレートは違うのだそうな。


で、火曜日。再度その両替所に行ったところ、レートはほぼ変わらず。つまり、「外貨→円」の両替えレートは1ドル=約142円台。その差分で739円減ったわけだ。

・為替介入の今後

結果として、私は儲けられなかったわけだが、この3日ほどで、1ドルごとに約3円分価値が変化したのは同じ。急激な乱高下とは言え、為替がこれほど分かりやすい動きをするのも珍しいと思われる。騒ぐだけではなく、裏でしっかり儲けている人もいるかもしれない。

それにしても、今回の検証の顛末でも分かるように、日銀の介入は今のところ場当たり的な対応にしかなっていないように感じる。はたして、この先に何が待っているのか? ひょっとしたら損失は739円どころじゃすまないかもしれない。24年ぶりの為替介入の今後を見守りたい。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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