洋梨……というと緑色が一般的だが、先日出会った新潟直送の洋梨はとても鮮やかな黄色をしていた。
品種名は「ル レクチェ」。栽培が難しく、1ヶ月程しか市場に出回らないことから「幻の洋梨」と呼ばれているんだそう。
幻だなんて言われるものが目の前に現れたら、そりゃ食べてみたくなってしまう。普通の洋梨とはどんなところが違うのだろうか?
・フランス生まれ新潟そだち「ル レクチェ」
ル レクチェはフランス原産。120年ほど前、その味に感銘を受けた新潟の農家さんが栽培を決意し、フランスから苗木を取り寄せたのが始まりとのこと。
だが、生まれ地であるフランスでは栽培の難しさから商業栽培が途絶え、今ではほぼ作られてないらしい。
その一方、新潟では一時衰退しつつも研究が進められ、今では県を代表するブランドフルーツに登り詰めたのだとか。日本人ってこういうところあるよね、食に対して貪欲というか、探求心がすごい。
バナナのような色をしたル レクチェだが、収穫時の色は緑。そこから徹底した管理のもと40日以上の追熟を経て、味と色、そして香りが変化していくんだって。
手間暇かかるだけあってお値段も高め。今回は1つ500円で購入した。数ある洋梨の中で最上位品種と位置づけられているそうなので、そう考えるとむしろ安い方なのかもしれないな。
・ラ・フランスと食べ比べてみた
そもそも洋梨をよく食べる訳では無いので、違いが分かるよう「ラ・フランス」も用意。長年、洋梨とラ・フランスは同じものかと思ってたけど、正しくは品種名だったようだ。
まずはラ・フランスから。梨とりんごの間のような、シャクッとした噛み心地と、口の中に広がる独特の香り。これぞ「洋梨」って感じでおいしい。
ル レクチェはそれより水分量が多め。スっと噛めて、ざらつきも無くなめらか。口の中が果汁で溢れて、そのままトロけて無くなっちゃうんじゃないかというような錯覚に陥る……!
ラ・フランスと比べて酸味はほとんど無く、味が濃厚で香りも強い。だからといって甘すぎないからしつこくない。味を一言で表現するなら「お上品」、これに尽きるんじゃないかな!
・購入チャンスは1ヶ月ほど
とろけるような美味しさだったル レクチェ。「幻の洋梨」と呼ばれているわりには比較的手が届きやすいお値段なので、気になった方は是非食べて見てほしい。
ただ、生産面積は全洋梨の中でわずか8パーセントほど。お値段より買うこと自体が大変かもしれないな。市場に出回るのはたった1ヶ月ほどだそうなので、チャンスを逃すことのないようにね!
参考リンク:新潟県HP、JA全農新潟
執筆:まろ
Photo:RocketNews24.
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▼ル レクチェは「幻の洋梨」のほか「洋梨の貴婦人」とも言われている。並べてみるとその美しさがより際立つね。