突然だが、あなたは1日が何時間かご存じだろうか? そう、24時間である。当たって何よりだ。しかしここ数年、私(あひるねこ)は、実はそれが誤りなんじゃないかという気が少ししている。どう考えても計算が合わないというか、シンプルに申し上げて1日がスーパー短けぇ。

以前はもうちょっと長かったように思うのだけど、どうしてこうも短く感じるのか? もしかしたら、私の周辺だけ時空が乱れているというSF的超展開が起きているのではないか? そこで確認のため、朝起きてからの自分の行動と時間を記録してみることにした。

・午前7時5分:起床

私の1日は、現在2歳のあひるねこジュニアを保育園に送り出すための準備から始まる。朝のジュニアは約85%の高い確率で機嫌がよろしくなく、すべての行動を拒絶する上に、ひたすら「ママがいい、ママ抱っこ!」と要求してくるため手に負えない。

熱を測る、おむつを替える、朝ごはん、顔を拭く、保湿、着替え、歯磨きなどなど、数々のS級ミッションを妻と手分けしながらこなしていくのだが、この日は出発直前にまさかの強制おもちゃイベントが発生してしまい心が折れかけた。ジュニアよ、それは本当に今やるべきことなのか?

・午前8時10分:保育園へ

その後、靴を履くという最後の超難関を乗り越え、ようやく仕事が一つ片付く形に。しかし、当然これで終わりではない。2人が家を出た後は、主にジュニアを原因とする諸々の片付けをする必要がある。

ジュニアが生まれるまで掃除機は週末にかけるだけだったが、最近は必ず毎日かけるようになった。とにかくあのワガママな童はパンなどの食べかすを部屋中にまき散らし、怒ると汚れていようが床に突っ伏して無言の抗議をしてくるのだ。油断も隙もあったもんじゃない。

・午前9時10分:始業

こうして一通りの作業を終えた時には、すでに起床から2時間以上が経過していた。そのほとんどがジュニア関連の作業ではあるものの、ようやくここから自分時間の始まりだ。家で少し仕事をした後……

・午前11時15分:編集部へ

私は新宿にある編集部へと移動した。ある意味、ここだけが育児と自分を切り離せる唯一の空間であり時間である。お昼も好きに食べられますしね。だが、しばらく仕事をすると……

・午後5時20分:保育園へ

早くもジュニアのお迎え時間に。さあ、ここからが本日のピークタイムだぞ。まずは保育園でジュニアを回収。帰りの道中、どうしても抱っこがいいジュニアと、少しでも自力で歩かせたい私との間で激しい攻防が繰り広げられる。

・午後6時10分:子供の夕食

帰宅し、手洗いと着替えを済ませたら、妻が用意してくれた夕食の時間だ。最近はほとんど自分で食べてくれるようになったが、まだまだ付きっきりで様子を見ていないと不安である。アイツは放っておくと米しか食わん。

・午後6時50分:親の夕食

食器を片付けると、ようやく我々の食事時間となる。が、同時にこの枠はジュニアの遊び時間も兼ねており、私と妻はジュニアの相手をしながらその合間合間に食事をとらねばならない。テレビはジュニアのDVDやYouTubeによって占領されているため、我々はこの数カ月、地上波の番組を見た記憶がほとんどない。

・午後7時50分:お風呂

基本的に我が家は私がジュニアを風呂に入れ、出た後の着替えやら保湿やらは妻が担当している。このあたりはいよいよラストスパートという感じであるが、ジュニアが出た後、自分の頭や体を洗っている間は少しだけ自由だ。

・午後9時10分:片付け

私が浴室から出る頃には、ジュニアは妻に連れられ布団の中に入っている。あとは最後のちょっとした片付けや洗い物をし、私のジュニア関連の仕事はこれにてすべて終了。お疲れ様でした。

・午後9時30分:仕事再開

そこから中断していた仕事を再開し、眠気で頭が回らなくなったら私も布団に入る。その際、不用意にジュニアに触れると寝ながらブチギレるため要注意だ(特に手)。ホントは触りたいんですけどね。それではおやすみなさい。

──以上が、私の平均的な平日のタイムスケジュールである。仕事以外ほぼ育児しかしていない気がするが、今回、1日の中で純粋に育児にのみ割かれている時間を合計してみたところ、なんと……


約4時間35分という結果になった。


フルマラソンのタイムかよ! 仕事帰りに毎日42.195km走っているようなものではないか。寿命縮むわ!!

・衝撃の数字

なるほど、どうりで1日が短いと感じるワケだ。つまり今の私にとって、1日は実質20時間を切っていることになる。平日5日分に換算すると、本来120時間あるはずが97時間5分しかない。マジかよ、めっちゃ減ってる気がする……!

もちろん個人差はあるだろうけど、冷静に考えると仕事をしながら育児もするって、とんでもねぇ鬼ダブルワークだな。なのに収入は増えるどころか、むしろ湯水のようにガンガン消えていくワケで、なんというか……みんな、お疲れ。

・育児はマラソン

今回、偶然にもフルマラソンの平均タイム(男性)みたいな結果が出てしまったワケだが、育児とはゴールの見えないフルマラソンを永遠に走り続けるようなものだと私は思っている。

給水ポイント的な場所も一応用意はされているものの、現実のマラソンと違って、一度走り出したら基本的にリタイアは不可。非常に孤独なレースだ。

走っている最中、周りに誰もいないと「本当にこのコースで合っているのか? もしかしたら自分以外は全員ゴールしてしまったんじゃないか?」と不安になることもあるかもしれない。

でもよ~く見たら、私のような人が必ずどこかしらを走っているはずなので、なんとか目を凝らしてみて欲しい。実はけっこう近くにいるはずだぞ。

まったく知らない人でも、自分と同じように必死に走っていることが分かれば、それだけで少し気持ちが楽にならないだろうか? 私はなる。あとは順位を気にすることなく、自分のペースで走り続ければいいのである。

……と、何やら予期せずいい感じのゴールに着地できたので、この記事もついでにゴールしてしまおうと思います。それでは皆さん、長い長いコースですが、引き続き頑張って走っていきましょう!

執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.