10月31日、今日はハロウィン当日である。コロナ前、例年仮装を楽しむ人でにぎわっていた東京・渋谷駅前交差点は猛烈な人出でごった返していた。

以前であれば、当日が平日の場合だとそこまで人が出てくることもなかったが、過去3年間で初めての制限のないハロウィン当日を迎えたためか大混雑していた。現地の様子を取材した私(佐藤)が率直に感じたことをお伝えしたい。

・駅のホームから

私が渋谷駅のホームに降り立ったのは18時30分頃だった。帰宅時間ではあるため、ホーム上はそこまで混み合っている印象はなかった。やっぱハロウィン当日が月曜だから人は少ないのかな? と思っていたら、ホームを降りる階段から突然人の流れが滞りだした

まさかここから混雑するの? 改札口を出て駅前広場に入ると、普段の渋谷とは比べものにならないほど人がいた


この時、すでに警察により交通規制が始まっており、歩行者信号が青になるのを待つ人で広場は混雑していたのだ。各所に「DJポリス」が配備され、横断歩道最前列には隊列を組む警察官の姿も見えた。また、拡声器を手に人ごみに入って、注意を呼び掛ける様子もそこかしこで目につく。


いまだかつて、これほどまでに厳重なハロウィンはなかったと思う。サッカーワールドカップの時でさえも、ここまでではなかった。

センター街の中も同じく、警察官があちこちにいてさらに制服姿のガードマンも見える。先日の韓国の事故を受けて、警察や商店街はかなり警戒してこの日を迎えたことがヒシヒシと感じられた


・警察と参加者

センター街を1本外れると、そこまで混雑はしていない。そこでは見知らぬ人同士で声をかけあって、写真撮影を楽しんでいる様子だった。中には女の子に声をかけようとしている男の子たちの姿もある。参加者のほとんどが10~20代の若者で、祭りにでも遊びに来ている感じで浮足立っていた。


強く警戒する警察と、ウキウキ気分の若者たち。ハロウィンに対する対称的な姿勢が鮮明に見てとれる

私は韓国の事故を思い出し、正面からセンター街に入るのをためらった。一度その流れに乗ってしまうと引き返すのが難しくなる。このままあの人ごみに突入するのは怖いなと思いつつ、引き返せずに通りの中に入った。すると、左側通行で絶えず人が流れているので、たやすく脇道に逃れることができてホッとした。


駅前広場とセンター街の入り口は、どうしても前後左右から人が流れ込んでくる。そのため信号が変わるのを待つの間、一時的に人が過密になってしまう。


何事もなく終わってくれることを願うばかりだ。来年は、混雑緩和に向けた新たな仕組みが行われると良いのだが……。というのも、動画撮影やライブ配信している人がとても多かったからだ。中には仮装していない見物客も多かったように思う。

新たな日本の風物詩として定着しつつある渋谷のハロウィン。行政や商店街に対策を求めるだけでなく、参加する人自身も安全を考慮する心がけが必要であると強く感じた

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24