みんな元気セヨ! 昨日飲みすぎた、二日酔いだ。頭が回らない。だが問題ない! 韓国には二日酔い対策スープ、「ヘジャングク」がある! 日本語で直訳すると「解酲スープ」、酔いを覚ますためのスープだ。
スープにご飯を入れて食べるクッパの中でも、二日酔いに効くと言われている種類はヘジャングクと呼ばれており、今回はその中でも「ピョヘジャングク」を20年ぶりに食べながら圧倒的なビジュアルを紹介したいと思うのでよろしくセヨ!
・ほぼ来店と同時に
店に入り、まだ席に座ってもない、メニューに目を通してもいないのに店員のおばさんにこう声をかけられた。
1人? ピョ?
ピョというのはピョヘジャングクのピョのことだと確信して、おばさんにネ!(はい!)と伝えて2分もたってないその時……。
・ファーストフードより爆速
一瞬にしてピョヘジャングクとご飯、キムチなどがテーブルに置かれ、おばさんは無言で去っていった。その辺のファーストフードでも5分はかかるのに、なんだこの爆速は。あのおばさんシャアかよ。
韓国でキムチや野菜などはどこでも普通についてくるものなので、ピョヘジャングクとご飯で9000ウォン(900円程度)。でも何故か卓上のメニューでは8000ウォンって書いてあった。直しておいてほしい。
・困惑
てか……。
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> どこから手をつければいいのかわからない <
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私は韓国で生まれた正真正銘の韓国人だが、10代から20代中後半を全部日本で過ごしている。成人を迎えたのも日本でのことだったし、もちろんお酒を飲み始めたのも日本でだ。だから韓国にいた幼少期はもちろん二日酔いになんてなったことない。
小学生低学年のときに一度、父とピョヘジャングクを食べた記憶はあるが、それ以降は一度も食べたことがないので20年、あるいはそれ以上ぶりに食べるピョヘジャングクだ。全然食べ方がわからない。
とりあえず3つ入っていた大きな骨と肉の塊を1つ取り出し、頑張って解体しながら食べてみた。肉は長時間煮込まれていてホロホロ。臭みなどなく、スープ以前に肉としてめちゃくちゃうまい。
韓国語で「ピョ」というのは骨のことで、ピョヘジャングクは豚の背骨肉と野菜などと煮込んだスープのことである。と聞いていた。もちろん味など忘れたぞ。
頑張って食べていたら、20年前に食べたときに骨から肉をうまく外せなくて父に教えてもらいながら食べたのを思い出した。まだお肉がついてる骨を捨てたら、まだ食べられる部分あるのに!!!!!!! って言われてたな。
・謎の卓上調味料
食べていたら存在に気付いた卓上調味料。不安しかない色をしてるが、気になるので醬油皿に注いでみた。
不安が高まった
なんだこれ……韓国料理で緑のソースって一つも知らないぞ。恐る恐る肉につけて食べてみたが……。
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> わさび醤油 <
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ここでまさかの和がきた。醤油自体はかなり薄口であまり風味は感じられないが、わさびのツンとくるのが脂っこい背骨肉とよく合っててうまかった。
・なんとか終わりが見えてきた
キムチ、ソクバクチ(大根のキムチ)もつまみながら背骨肉を解体していると……。
骨の山が完成
取りだしやすいお肉はスープに戻したり、骨についている肉は頬張ったりしていたらいつの間にか骨の山が完成していた。しかしなんだこの達成感は。
・ついにスープにたどり着く
スープは長く煮込まれた背骨や野菜のうまみと、韓国味噌、ニンニク唐辛子、そしてエゴマのアクセントで刺激的そうに見えるが、意外とそんなこともなくサラサラ食べられる。辛さはほぼないが(韓国基準)、なんでだか食べていると汗が出てきた。
二日酔い対策にしては くどそうな見た目だったが、食べながら汗をかいているといつの間にかよくなった気がしてきた。何も食べたくないくらい酷い二日酔いのときは無理そうだけど、そこまで酷くないときはちょうどよさそう。
・韓国料理に詳しい人は気づいたかな?
韓国料理に詳しい人は気づいたかもしれないが、この料理、韓国の有名な鍋料理の一つである「カムジャタン」とかなり似ている。てかほぼ同じだ。ピョヘジャングクを鍋化したのがカムジャタンと考えてもいい。
カムジャタンを売っている店はどこもピョヘジャングクを売っているし、逆のパターンももちろんある。私からすればカムジャタンもそんなに縁深い食べ物ではない。
・大人になれた気がした
今回は帰国して初めてピョヘジャングクを食べてみた。20年ぶりに食べたもんで最初はどう食べたらいいのか困ったけど、なんとかクリアしたぜ。なんだかもう少し大人になれた気分だ。
親父、俺もう二日酔いになるくらい飲むし、背骨肉もきれいに食べられるぞ!
それでは、これからも韓国のいろいろを紹介していくので次回も読んでくれたらカムサハムニダ!
執筆:すんぴょんす
Photo:RocketNews24.