先日、Ginza Six(銀座の商業施設)をフラついていたら、なんだかヤバそうなプリンを発見した。

Maison de Purin(メゾン・ド・プリン) というお店の商品で、トリュフだのキャビアだのがブチこまれているのだ。ちょ、待てよ。それプリンに乗せる素材か?

しかしここは銀座。普通のグルメに飽きたブルジョア向けの珍味的なモノかもしれない。庶民には無関係と思ってその時はスルーしたのだが、いや、やっぱ気になるわ。だって前衛的すぎんだろ……!

・期間限定

ちなみに私が遭遇したGINZA SIXの店舗は、9月6日から10月2日までの期間限定のものだそう。公式HPを見たらオンラインでも購入可能とのことだったので、銀座には再訪せずこちらを利用することに。

ラインナップは「キャビアプリン(1100円)」「トリュフプリン(800円)」「チーズプリン(800円)」「甘酒プリン(700円)」、そして「生姜プリン(700円)」の5品。

全部気になるが、今回は興味を持つきっかけとなった「キャビア」と「トリュフ」をオーダー。届いたのがこちら。


箱はシンプルな白で、お店の名前入りの黒いシールで封がされている。


開けると、商品説明の書かれた紙が。


そしていよいよプリンが登場!


容器からして、その辺のプリンとは格が違う。洗って何かに使えそうな立派な瓶だ。


ちなみに、これ等のプリンは、それぞれお酒との相性も考慮して作られているらしい。今回はお酒を用意していないのだが、そのままでも良いらしいので、酒抜きでレビューしていくぞ。


・キャビア

それではいよいよ開封していこう。まずはキャビアだ!


おぉ……マジにキャビアじゃん。黒い粒がキラキラと輝いている。


箱に入っていた解説のカードによると、白いマカロニみたいな形状のものはホワイトチョコレートなもよう。そして下部にはサワークリームだとか。


なるほど。最初にキャビア入りプリンと聞いてイメージしたのは、卵がメインの黄色くて甘いよくあるプリンに高級魚卵(つまりキャビア)がブチこまれた、アバンギャルドなブツ。

人類には早すぎるのでは……? と思っていたのだが、サワークリーム入りということなら話は別だ。キャビアとセットで出てくる常連ではないか。思っていたより普通なフレーバーの可能性。


食べてみると、甘味はホワイトチョコによるものがメインで、軸にあるのはサワークリームの酸味とキャビアの塩味で、甘じょっぱい感じ。食感の面ではプチプチクニクニしたキャビアの主張が楽しい。

カスタードプリンだけを念頭においていると面食らうかもしれないが、プリンにはいろんなものがあるからな。こういうのもあるか……という感じ。

ホワイトチョコって、意外とキャビアとセットでもイケるんですね。これは初体験な味わい。でもちゃんと美味い。面白いなぁ


・トリュフ

続いてはトリュフだ。キャビアが全く常識的だったので、最初ほどの警戒心は無い。


おっ? ビジュアルはキャビアよりはるかに庶民的によく見るプリンっぽいぞ。


上が茶色くて、下が薄黄色なカスタード。実になじむビジュアルだ。実は王道な普通のカスタードプリンかもしれない。


しかし、その予想は間違いだった。食べてみると、サプライズ感的にはキャビアをぶっちぎっていることが発覚!!


まずトリュフの香りがヤバい。マジにトリュフ。トリュフが「ブルジョア向けという事以外はよく知らない珍味」ではなく、キノコの一種であることをグーパンでわからせてくるレベルで香る

最近では庶民向けの食べ物でも、時折ファストフードからポテチ等のお菓子業界まで、様々なメーカーがトリュフを起用することがある。

その手のはだいたい「ふぅん、よくわかんないけど、これがトリュフなんね?」的な曖昧な感想しか出てこない程度のトリュフ力(ぢから)しかない。

しかしこのプリンのトリュフ力はダンチだ! トップの黒い部分を1ミリでも食えば、トリュフの香りがDNAに素早く届く

蓋を開けた時はそんな匂いはしていなかったと思う。味覚経由での圧倒的なトリュフフレーバー。やべぇなこれ。

味については、やはり甘じょっぱいというカテゴリーに属する気がするが、しかしその一言でまとめられるほどシンプルではない。

プリンというか、独自の世界観の中に存在している絵画とか彫刻って感じ。プリンに舌の上で領域展開されている。

ぶっちゃけ初見で抱いていた「普通のグルメに飽きたブルジョア向け」というイメージは、そう外れていない気がする。

このプリンには、シェフが意図したかどうかは別として、凡庸なプリンに飽きたセレブの舌をエンターテインする能力があると思う。

はっきり言って好みは絶対分かれるだろうし、これを冷静にジャッジするには、多様な食べ物に対してのある程度の経験値が必要なのではなかろうか。

人によってはびっくりしたまま終わってしまうケースも余裕でありそう。私も低級庶民なのでびっくりしたが、よく味わって思考しながら分析しつつ食べると、しっかり成立している間違いない味であることがわかった。

個人的な感想としては、ちょっと冒険をしたいくらいの人ならキャビアがいいと思う。もっとガッツリと、ウサギの巣穴に転がり落ちたかのごとき冒険に満ちた、アート的な味覚体験がしたいならトリュフだと思う。

これはまじで「作品」っすわ。体験がある味わい。オンラインゲームでステ―タスがカンストした古参勢にLv1から一気にパワーレベリングしてもらう時くらい、プリン方面のレベルが上がった気がする。

参考リンク:メゾン・ド・プリンGinza Six
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
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