朝ご飯にりんごジュースを飲むと、少し身体の調子が良くなるような気がする。「朝のりんごは金」なんて昔から言われているしね。ところがスーパーでりんごジュースを買おうとすると、意外なほど価格差があってビックリする。値段によってそんなに違うものなの?
……ということで、今回はスーパーで買える3種類のりんごジュースを飲み比べてみようと思う。価格は100mlあたり9.7円、42円、87.1円。どれほど味が違うのかな!?
・3種類のりんごジュース
今回用意したりんごジュースはこちらの3点。左から順番に、
・TOKAIあじわいアップル
濃縮還元100% 1000ml入りで税込97円(100mlあたり9.7円)
・Doleりんごジュース
濃縮還元100% 200ml入りで税込84円(100mlあたり42円)
・KOSHINストレート青森県産りんごジュース
ストレート100% 195ml入りで税込170円(100mlあたり約87.1円)
1本あたりの価格で見るとそこまで大きく変わらないのだが、100mlあたりで見るとここまで価格差があるものなんだな。特にあじわいアップルジュースは1000mlと大容量のため、100mlあたり10円以下と信じられないほど安い。
・原料からまったく違った!
実際に飲む前にパッケージ裏側を観察してみると……原材料を見れば一目瞭然。値段に差があるのにも納得しちゃう!
まずはあじわいアップル。
りんごは中国産で、香料が入っている。実にシンプルな原材料である。
続いてDoleりんごジュース。
りんごと香料のみ という点はあじわいアップルと共通だ。しかしこちらはリンゴ果汁の原産地が外国、または5%未満で国内のものを使用しているということ。
5%未満と言うとわずかだが、国内製造のリンゴ果汁も使用されているいう点においては若干のアドバンテージであろう。
最後はストレート青森県産りんごジュース。
青森県産りんごと、添加物として酸化防止剤(ビタミンC)。今回の選んだ中では唯一のストレートである。りんごの名産地である青森県産のりんごのみを使用していることからも、味にはかなり期待ができそうだ!
ちなみにストレートジュースとは、果物を絞ってそのまま容器に詰めたもの。果汁の風味・栄養などがほぼそのまま残るのが特徴である。対して濃縮還元は、絞った果汁の水分を飛ばして濃縮したものに対して100%の濃度になるまで水で薄めたもの。保管や運送の手間やコストを抑えることができるのだそうだ。
・見ためも味も全然違う!
3つを透明なグラスに注いでみたところ、色や透明度が全然違う! もちろんと言うべきか、値段が高くなるにつれて透明度は低い。Doleは目に見えないぐらいの小さな成分が混ざり、青森県産は細かい繊維のようなものが浮いているのが見える。
色の違いは光に透かすとわかりやすい。
さっそく順番に飲んでみたところ……ここまで違うものなのかと唸ってしまった。
あじわいアップルは、オブラートに包んで表現すると「あっさりしている」。
りんごらしい香りが弱く、味自体も甘いばかりで水っぽさは否めない。ただし、めちゃくちゃまずいかと聞かれたらそんなことはない。まぁ……少し水で薄めたりんごジュースだと思えばなんてことはない、普通の味だ。
喉がカーッとなるようなしつこい甘さがないので、万が一大量に飲む必要があったとしても胸やけや胃もたれは起きないだろう。(そんなシチュエーションは一切思いつかないが)
Doleりんごジュースは、お手頃価格にもかかわらずすべてが平均点以上の優等生。
味が濃くなっただけではない。甘みに加えて酸味があり、リンゴ果汁っぽさを感じさせてくれる。コレを買っておけば間違いないだろう、毎日でも飲みたい美味しさだ。
……とは言え絶品ってほどじゃない。あじわいアップルの延長線上に存在する美味しいりんごジュースって感じかな。
青森県産りんごジュースは、香りを嗅いだだけで既にレベルが違う。
明らかにりんごがそこに “ある” のだ。一口飲めば甘みや酸味に加え、皮にわずかに感じる渋みまでが残っている。まさにりんごにガブっとかぶりついた時そのもの!
おまけにりんごの中でも特に美味しいやつ、絶対に蜜入りの味である。おそるべし青森県のりんごパワー……!
この後ブラインドでも確かめてみたが、香りに大きな差があったため全問正解できた。おそらく初めて飲んだ人でも当てられるぐらいに違うんじゃないかな。
もちろん3つのなかで一番美味しかったのは文句なしで青森県産りんごジュースだが、その分値段も高いためイチオシ! とは言いづらい。
ガバガバ飲む用のあじわいアップル、日常の中で美味しいDole、良いことがあった日に青森県産ってことで飲み分けるのが幸せなんじゃないかな。
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.