レストランの「アンナミラーズ」が2022年8月31日をもって閉店することが発表された。悲しみの声に混じって、運営元が「あずきバー」で有名な井村屋である事実に驚く声も上がっている。

私(佐藤)も知らなかった! 井村屋が飲食事業を行っていたなんて。調べたところアンナミラーズだけではなく、「ラ・メゾン・ジュヴォー」というお店も運営していたので、行ってみたら子どもの頃の記憶がよみがえったのだった……。

・もう1つの飲食ブランド

井村屋の公式サイトを見ると、「ブランド紹介」の項目にアンナミラーズの隣にフランス発祥のパティスリー「ラ・メゾン・ジュヴォー(La maison JOUVAUD)」がある。これも井村屋の運営する飲食店の1つだ。


このブランドは1948年に仏・プロヴァンスに誕生し、2003年より井村屋が日本で商品の輸入製造、および販売を行っている。東京・広尾、愛知・名古屋、京都で店舗を展開しており、今回訪ねたのは広尾店だ。

広尾のお店はケーキや焼き菓子のテイクアウトをメインに、サロンを併設してういて、店内で食事をすることも可能である。


・木のストローに記憶がよみがえる

店内ではケーキセットや焼き菓子を食べることができ、11時以降はブランチも用意している。ここも井村屋なんだよな? このメニューからは、あのカチコチのあずきバーの片鱗(へんりん)を垣間見ることができない。オシャレだ、オシャレがすぎる!



頼んだのはクロックムッシュプレート(税別1200円)。クロックムッシュに季節のスープ・サラダ・ラタトゥイユがセットになっている。それと別にアイスコーヒー(税別400円)をお願いした。

するとはじめに枝豆の冷製スープがやってきた。


ここは間違いなくハイレベルだ! というのは、この手の冷製スープは作るのに手間がいる。枝豆を炊いて冷ましてすり潰して裏ごしして、出汁や生クリームと合わせて冷やして……。作るのがめっちゃ面倒くさいんだよ!

それをサラリと前菜的に出してくるとは、やるな! そして実際にウマい! 柔らかい甘さと舐めらかな舌触り。庶民的なイメージの強い井村屋とは真逆のセレブなお店だ。


続いてサラダ・ラタトゥイユ・クロックムッシュの乗ったプレートの登場。サラダのドレッシングはハニーマスタードを選んだ。おっさんの私が食うのが申し訳ないほどシャレたワンプレートである。


一緒にアイスコーヒーが出てきたんだけど、ふと見るとこのストローは……


木!? 木でできたストローだ。紙ストローには何度か遭遇したことあるけど、木は初めてかもしれない。


吸い上げてみると……。あれ? なんかスカスカするな。飲めるのは飲めるんだけど空気が抜けているような……。ちょっと待てよ、この感覚を味わったことあるぞ。


ストローの途中からコーヒーがしみ出している。小さな穴でも空いているのかも。

そうだ、この感覚は子どもの頃にススキ(イネ科ススキ属)をストロー代わりにして遊んでいたのに近いかも。「汚いからやめなさい!」とオカンに怒られたんだっけな。オシャレなブランチのプレートを前にして、子どもの頃の記憶がよみがえるなんて。さすが井村屋やで……


・大人のスイーツ

クロックムッシュは食パンをトーストしてチーズとハムを挟むのが一般的だが、ここのはクロワッサンを使用している。

サクサクなのかな? と思ったらパンの生地はふわふわとしていて柔らかい。中にはハムととろけるグリュイエールチーズが入っている。


サラダとラタトゥイユで野菜を存分に摂取できて大満足。どれも手が込んでいるので、これで税別1200円はお得なんじゃないかなあ。

せっかくパティスリーに来たので食後にミルフィーユヴァニラ(税別630円)を追加で頂いちゃいました! さすがフランスの有名ブランドだけあって見た目がとても美しい! 完成度高し!


ミルフィーユ生地はサックサクで超エアリー! しっかりとした歯ざわりなのに、口の中に入れると溶けてなくなってしまう。一方のヴァニラの効いたカスタードクリームは、濃厚で生地の軽やかさとの対比が面白いね。甘すぎない大人のスイーツだ。


フランスの本格スイーツを楽しみたい方に、ラ・メゾン・ジュヴォーがおすすめである。

なお現在(2022年6月20日)、アンナミラーズのパイの販売は時間制(10時~、18時~)で1回の購入数量に制限(6ピースまたは1ホールまで)が設けられているので、訪問予定の方はあらかじめ公式サイトをご確認頂きたい。

・今回訪問した店舗の情報

店名 ラ・メゾン・ジュヴォー広尾店
住所 東京都港区南麻布5-10-24
時間 10:00~18:00(サロンラストオーダー17:00)
定休日 なし

参考リンク:ラ・メゾン・ジュヴォーアンナミラーズ
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24