パリにはオタク・ストリートと呼ばれるエリアがいくつかあって、中でも11区にあるヴォルテール通り周辺は特にハイレベルなマンガ・アニメ・ゲーム関連のショップが並んでいる。パリ・オタクたちが日本のアニメグッズを真剣に品定めする姿……見ていて「ありがとう」って気持ちになるなぁ。

さて……そんなヴォルテール通りをトコトコと東へ進んだ先で、なんとも珍妙な名前のレストランを発見したぞ。「名前が珍妙である」という以外に気になる点は特にないが、名前が面白いので入店してみた!

・レストラン『OTAKU』

「いかにもパリ」って感じの壮大で美しいアパート。

その1階で絶賛営業中なのが……




レストラン『OTAKU〜オタク〜』である!


ちなみに「オタク」というワードは広く海外にも浸透している。日本では広く “フリーク” (例:鉄道オタク 歴史オタク)を指すのに対し、海外だと “アニメやゲームの愛好家” という、やや限定的な意味で使われる場合が多いようだ。

その外観から『OTAKU』が “日本食レストラン” であることは明らかだが、一体どこらへんが「オタク」なのだろう? オタクが集う店? あるいは店内アニメグッズだらけとか?? カメラを構えて、いざ入店……


う〜む…………普通!


・むしろ非オタク

『OTAKU』店内には絵画など、日本っぽいアイテムがいくつか飾られているものの、言われなければ “日本料理屋” であることすら分からない。「普通のパリのレストラン」って感じである。

なかなか賑わっているようだが、客たちの様子からオタクっぽさは全く伝わってこない。もちろん “オタクっぽく見えないオタクたちのオフ会” が開催されている可能性も否定できないが……確かめようがないので考えるのはよそう。


・まさかの食べホ

さて看板には「寿司・刺身・焼き鳥」と書かれていた『OTAKU』、なんと食べ放題がメインの店らしい。

価格はランチ12.9ユーロ(約1791円)、ディナーが17.9ユーロ(約2585円)。パリの物価を考えるとかなり安い。注文すると伝票を渡され、自分で欲しいメニューを書き込むスタイルである。これなら言葉が分からなくても安心だ。

メニューを開くと……おおぉ! イクラにマグロ、それから大好きなエビの握りまである〜!!!

他にもエビチリや天ぷら、各種焼き鳥などなどサイドメニューも超充実! これで1791円は価格破壊ではないだろうか!? スシローが裸足で逃げ出すレベル!

……と、喜んだのも束の間。なんとイクラ、エビ、焼き鳥などの高級系メニューは全て “ディナー限定” なのであった。マグロに関しては「軍艦巻きはランチでもOK、でも握りはディナーのみ」というナゾ仕様。高級ネタを食べたければ夜に出直せということか……。

ま、それでも選べるメニューはたくさんある。「とりあえず」と注文した味噌汁は、マッシュルームと煎りゴマが浮いた変わりダネ。これがちょっと、意外すぎるほどウマかった。しっかりダシの効いた “普通の日本の味噌汁” って感じ〜!

ちなみに『OTAKU』で使用される食器類は、なぜか全てナスビのイラストともに「おいしい」という日本語がデザインされているぞ。


・シャリの存在感

ランチの範囲内で注文できる生魚の寿司はサーモンのにぎりと軍艦、そして鉄火巻だけだったため、とりあえずまとめて注文。あっという間に運ばれてきたソレは……


ちゃんとした寿司!



でもシャリ、デカすぎ!!!!


ネタ:シャリのバランスが悪すぎて “小さめのおにぎり” みたいになってしまっていた『OTAKU』の握り。ネットでお店の口コミを見ると「シャリがデカい」という意見が多く見られたため、やはりパリっ子たちの感覚からしてもこのシャリは普通じゃないのだろう。

ただし米の炊き方は上手で、酢の塩梅も悪くない。食べ放題であることを加味すれば、日本でも勝負できるクオリティと言えるのではないだろうか。ディナーであれば『刺身』もチョイスできる。少食の人は夜を狙うべし。

また個人的に大興奮だったのが『ブロッコリーの炒めもの』。パリで貧乏旅行をしていると野菜を摂取できる機会が少ないため、これは大変嬉しい。味も和風と中華風の中間くらいで美味。

それからイカとサカナのフライも美味。他にも多くのメニューがあったが、シャリでお腹がふくれてしまっていたのが残念だ。

寿司屋というよりは『アジアンフード・ビュッフェ』といった具合の人気レストラン『OTAKU』。結局どこらへんが「オタク」なのかはサッパリ分からなかったけれど、パリでお腹が減った時はぜひ訪れてみてほしい。

・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 OTAKU
住所 63 Bd de Picpus, 75012 Paris

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.