国内最大級のフードエンターテインメント『肉フェス 2022 復活祭 TOKYO』が昨日2022年4月28日より、東京・お台場の特設会場にてスタートしている。2019年以来、なんと3年ぶりの開催だ。諸君、あの伝説の肉の祭典が帰ってきたぞーー!

今年はドリンク・スイーツ店含め計32店舗がお台場に集結するという。私(あひるねこ)自身、こういったイベントに飢えていたこともあり、さっそく初日に駆け付けてきたのだが……そこで目撃したのは、この国における格差社会の圧倒的なリアルであった。

・3年ぶりの『肉フェス』

現在、お台場青海地区P区画にて開催されている『肉フェス 2022 復活祭 TOKYO』。会場に着いてまず驚いたのが、入場するのに接触確認アプリ「COCOA」の登録が必須という点だ。私を含め知らずに来ている人が多かったので、事前にインストールしておくことを強くオススメする。

ちなみに、今年もほとんどの店舗で現金が使えない。購入の際は電子マネーを利用するか、メインゲート横の食券販売所で食券を買う必要があるのでご注意を。

場内は平日の昼間ということもあり比較的空いているが、いくつかの店舗にはすでに行列ができ始めている。私が見た限り、肉処 天穂の『熟成佐賀牛ステーキ&焼きしゃぶ』と、太翔園の『黒毛和牛炙り肉寿司』が特に人気があるようだった。

というワケで、しばし並んで『熟成佐賀牛ステーキ&焼きしゃぶ』を購入。税込1400円と相変わらず高額ではあるものの、これがまた何と言うか……


うっま!!!!!

・大当たり

うわ~。ウマ~~。柔らけ~~~。A-5ランクの佐賀牛を45日間熟成させたというステーキは文句なくウマいが、それ以上にヤバイのが焼きしゃぶだ。口の中でトロけるとはまさにこのことだろう。値段を考えると贅沢すぎる気もするけど、買ってよかったなぁ。

その後、会場内をウロウロしていると、メインゲート付近に「ワンちゃん同伴エリア」なるものが設けられていることに気付いた。そう、『肉フェス』は今年からペット(犬のみ)も楽しめるようになったのだ。

・ワンちゃんと楽しむ『肉フェス』

中には他の飲食エリアと同じようにイスとテーブルが設置されており、店舗で買った料理やお酒を楽しんでいる飼い主さんも多く見られた。リードを付ける必要はあるが、ご主人と一緒に会場に入れてワンちゃんたちも心なしか楽しげだ。

しかしこの直後、私は衝撃的な単語を目にすることになる。えええええ!? マ、マジかよ……! そんなバカな……!!


「ワンちゃん専用メニュー」だと……?

・嘘だろ

「ワンちゃん同伴エリア」と共に、今年『肉フェス』に初登場した「ワンちゃん専用メニュー」。もちろんただの犬のエサではない。大阪・帝塚山にある犬猫用ケーキ、おやつの専門店「WANBANA」がプロデュースした究極の無添加ペットフードである。

この時点でも十分ヤバイが、3種類あるメニューの名前はさらにヤバイことになっていた。以下注目。


・大山鶏ハンバーグ&馬肉サイコロステーキ
・鹿肉ステーキ&猪のポトフ
・ヨーロピアンおやつセット


めっちゃエエもん食っとる……! これが本当にワンちゃん専用だというのか? しかし、さらに驚くのはその価格だ。聞いて驚け……


それぞれ1400円である。

・超裕福

え? ひとつ1400円……? 日本円で? 1400ペリカの間違いではなく……? ガチで私のランチ3日分である。1400円もあったらサイゼで豪遊できるではないか。ワケが分からないぞ!

聞けば「ワンちゃん専用メニュー」は、人間が食べてもまったく問題ないという。くっ……! さすが無添加、さすが素材本来の味……!! 記者として、ここまで来たらもう引き下がれないだろう。私は震える声でこう呟いた。


3つ全部ください……!!

・「ワンちゃん専用メニュー」の内容

それでは一つずつご紹介しよう。こちらは鳥取県の銘柄鶏「大山鶏」のむね肉を使ったハンバーグと、馬肉サイコロステーキのセットだ。すべてヒューマングレードにこだわった厳選素材を使用した、低カロリーかつ高たんぱくな一品である。

続いてこちらは鹿肉のステーキと猪肉のポトフ。滋養強壮&スタミナアップで、アレルギー体質のワンちゃんにも安心とのこと。うむ、当方36年間生きているホモサピエンスだが、どちらも食べたことがない。

マカロン、ドーナツ、クッキーのセットは無添加・無着色。おまけに砂糖・卵・乳製品なども一切不使用で、ワンちゃんの健康に配慮し手作りしているという。横の袋はカンガルー肉のジャーキーだ。

各メニューには原材料やカロリーが細かく記載されており(用紙がもらえる)、製造者情報に飛べるQRコードまで完備という徹底ぶりである。しめて合計額は……4200円也。4200円也! 4200円也ィィィィィィイイイイ!!


私は思った。勝てねぇと──。ここ数カ月の自分の食生活と、これら「ワンちゃん専用メニュー」を比較して考えた時、勝っている部分が何一つ見当たらないと。格差社会が叫ばれる昨今、まさかワンちゃんに現実を突きつけられるとは……。

生態ピラミッドにおいて、自分がワンちゃんたちよりも明らかに低い段にいることをハッキリ自覚した瞬間であった。

こうなると、もはやワンちゃんと呼ぶのもおこがましい。ワンさまである。「ワンさま専用メニュー」である。ていうかこのマカロン、ほんのり甘くて普通にウマいな。マカロンを自分で買って食べたのは、もしかしたらこれが初めてかもしれない……。

・社会派フェス

3年ぶりに帰ってきた『肉フェス 2022 復活祭 TOKYO』。そこは多種多様な肉料理が集う肉のワンダーランドであったが、同時に「世の中には自分よりもエエもんを食べているワンさまがたくさん存在する」という圧倒的な事実に気付かせてくれるストイックな場でもあった。

大山鶏のハンバーグ、馬肉のサイコロステーキ、鹿肉のステーキ、猪肉のポトフ……気になる人はぜひ注文してみてほしい。さすれば未知なる世界の一端が垣間見えるはずだ。

・今回ご紹介したイベントの詳細データ

イベント名 肉フェス 2022 復活祭 TOKYO
場所 お台場特設会場 お台場青海地区P区画(東京都江東区青海1-1-16)
開催期間 2022年4月28日~5月8日
休日 11:00~20:00

参考リンク:肉フェス 2022 復活祭 TOKYO
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼基本的にどれも味付けされていないのだが、鹿肉のステーキは柔らかくてウマかった。塩をふったらつまみになりそう。

▼袋が未開封だったため持ち帰ったカンガルージャーキー。

▼普通に食べられるけど、味がないんだよなぁ。

▼お、ちょうどいいところに上司のYoshioがいるので……

▼食べさせてみた。すると……

▼「全然食える! 味しないけど!!」と言っていた。幸せな男だ。