中東とヨーロッパをつなぐ国トルコ。最大の都市・イスタンブールがかなりヨーロッパ寄りに位置していることから、「トルコは中東ではなくヨーロッパだ」と公言してはばからない現地人もいるとかいないとか。

そんなイスタンブールのサビハ・ギョクチェン国際空港へ降り立った私は、迷うことなくマクドナルドへ直行した。最近じゃ中東諸国の物価も上昇し、貧乏旅行者の私はおちおち空港のレストランも利用できないありさまである。

その点、マックはある程度の相場が知れているから心強い。せっかくならトルコ限定メニューを食べてみたいものだよね〜!

・悲しき言葉の壁

世界のマクドナルドでは “タッチパネルで注文・決済” 方式が多くなってきているが、サビハ・ギョクチェン国際空港店は昔ながらの “カウンターで注文・決済” スタイル。おまけに紙のメニュー表は置かれておらず、カウンター上のメニューパネルを見て商品を選ばねばならない。

トルコのマックには『マックトルコ』なる限定バーガーがあると聞いていたのだが……どういう事情かこの日は見当たらなかった。つたない英語で店員さんに尋ねるも、「ない」と即答されてしまう。

これは本来ならすぐさまスマホで情報収集なり、翻訳サイトを使うなりする場面である。しかしながらサビハ・ギョクチェン国際空港にはフリーの空港Wi-Fiが存在しておらず(2021年11月時点)、トルコのネット回線を持たぬ私は目視でメニューを確認するしかなかった。

そんなわけだから今回は「とりあえず “見たことのないメニュー” を片っ端から注文する」という方向性でレポートさせていただくことを、ご理解いただけると幸いだ。空港Wi-Fiのない国際空港、たまにあるけどホント困る。


・カギはマックカフェ

さてカタコトなりに店員さんに確認したところ、どうやら “トルコっぽいメニュー” は『マックカフェ』にたくさんあるらしい。『マクドナルド』と『マックカフェ』は同じ敷地内にあるものの、別店舗扱いになっていてメニューや支払いも完全に別。

オシャレなマックカフェ内ではお酒を楽しむ人が多数。同じマックカフェでも日本のものとは雰囲気が全然違う。

ショーケースのスイーツも見慣れないものばかりだったが、キリがないので今回は除外し……

ホットサンドシリーズの中から、珍しそうなメニューを4つ選抜してみました! 包装紙のデザインがカワイイ!

まずは給食のコッペパンを思わせる『Dil Peynirli Sandvic』(22トルコリラ / 約175円)。Google翻訳にかざしたところ「舌とチーズのサンドイッチ」と表示されたが……まさか中身、タン塩なん!? 恐る恐る確認すると……

なるほど!!! そういうことかっ!


硬いチーズの上にはパプリカのような、赤くて細長いヤツがデーンと鎮座している。まるで “悪魔の舌” を思わせる邪悪な造形ではないか。これが『舌とチーズのサンドイッチ』の正体か……さすがはトルコ。なかなかシャレているな〜!

……と思いきや、後日くわしく調べたところ『Dil Peynirli』は単にチーズの種類を表す言葉ということが判明。異国のマックで深読みは不要であったようだ。なお味はシンプルで薄め。見た目のわりに辛さは全く感じないぞ。


・やたらとシンプル

続いては『Sucuklu ve Kasarli Tost』(24トルコリラ / 約191円)。直訳すると「ソーセージとチーズのトースト」らしい。

茶色いトーストの下には……

まごうことなきソーセージとチーズ! 意外にもこのソーセージがクセモノであり、なんとも表現しづらい強烈なスパイスの味がする。どこの国へ行っても思うけど、加工肉って本当にその土地の特色が強く現れるよね。おいしゅうございました。


お次の『Beyaz Peynirli Kepekli Tost』(20トルコリラ / 約159円)はさらにシンプル。

なんとトーストにチーズを挟んだだけ! おそらく地球上で最もシンプルなマックのサンドなのではないだろうか? クセがなく非常に美味。日本でも販売してほしい。


最後の『Mozzarellali Sandvic』(24トルコリラ / 約191円)は翻訳サイトを使わずとも、何となく「モッツァレラチーズのサンドイッチ」っぽいことが伝わってくる。バンズをひっぺがせば……

ワァ〜ォ! ちょっと想像と違うけどおいしそう! 真ん中の赤いヤツは塩漬け牛肉かな〜?

……否!!! 冗談抜きで「梅干し」の可能性が捨てきれないほど強烈にショッパくてスッパい! 慣れるとだんだんおいしく感じてきたものの、日本人には一生かかっても思い付かぬ組み合わせである。食文化の違いを痛感する衝撃作。


・トルコ = 関西説が浮上

ちなみに最後、私はとんでもない事実に気がついた。皆さんご存知のとおり、日本においてマックカフェは『McCafe』と表記するのが一般的である。対してトルコの場合は……


『McD Cafe』!!!!!!!!!!


マックカフェではなく “マクド” カフェ……!? 我が国でマクドナルドは “関東圏で「マック」、関西圏だと「マクド」” と略されるが、まさかトルコは関西のくくりだというのか? 確かにトルコは東京より少しだけ大阪に近い……とはいえ……う〜む。

この件について詳細は現在調査中。なお少なくとも私が先日訪れたフランスやスペインのマクドナルドでは、日本と同様に『McCafe』表記であることを確認済みである。謎が多すぎる世界のマック事情……続報をお待ちいただけると幸いだ。

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.