“味噌”といえば、何色? ……この答え、出身地や各家庭の食文化によって様々だろう。
先日、愛知県のとある道の駅を訪れたところ、広島出身である筆者には見慣れない『八丁味噌のパウダー』という商品を見つけた。味噌なのにパウダー? そもそも八丁味噌ってどんな味がするんだ??
──気になったので購入し、実際に食べてみることにした。
・戦国時代から続く伝統の味
まずは調べてみたところ、八丁味噌とは大豆と塩のみを原料に作られた、赤黒っぽい色の味噌。さかのぼること戦国時代、愛知県岡崎市にある八丁村(現在は八帖町)にて誕生した歴史の長い調味料ということであった。
八丁味噌が使用された代表的な郷土料理は味噌煮込みうどんとのこと。確かに、ケンミンショーで見たことがある気がするぞ。
筆者が見つけた『八丁味噌のパウダー』は、八丁味噌をフリーズドライ製法でパウダー状にしている。2gの個包装で、10袋入りだ。(購入した店舗では税込380円)
裏面にある使用例を見てみると、味噌汁、タレやドレッシングまではまだ理解できる。しかしカレーライスやバニラアイスって……おいおい、本気で言っているのか!?
・コクのある味わい
開封し、手に取り出してみた。水分が一切なく、サラサラとした質感はまるで脱脂粉乳のよう。
しかし……
土にしか見えないぜ!!!!
美味しそうか? と聞かれるとどうだろう。申し訳ないが、パッと見は食べ物には見えないというのが筆者の第一印象。とりあえず行儀は悪いがそのままペロッと舐めてみた。
すると…………
あれ? 悔しいが、コクがあって美味しい。間違いなく美味しいのだ!
程良くやわらかな塩味とローストナッツのような香ばしさに加え、後味にビターチョコレートのような不思議な味わいがある。色の濃さからキツめの塩味を想像していたが、まったく違った素朴な美味しさだった。
まずは冷蔵庫から豚バラスライスを出して焼いてみた。
八丁味噌のパウダーを振りかけて、
食べる!
うまぁ~~~っ!!!!
思わずそのままバクバクと完食。塩よりも味に奥行きがあり、タレよりもあっさりしている。めちゃくちゃ肉に合うぞ!
そのままの勢いで、今度は米酢、すりごま、水と混ぜてドレッシングを作ってみたところ、
これまた旨いっ!
味噌のコクがあるからだろうか。ノンオイルにも関わらず物足りなさは感じない。商品化されたっていいんじゃないかとすら思ってしまった。
・バニラアイスとの相性はいかに…!?
最後に、一番気になっていたバニラアイスとの組み合わせを試してみた。開封したアイスに直接パウダーをふりかけていただいてみると、
アクセントに良い! めちゃ美味しい!!
塩キャラメルナッツっぽい味わいが甘みを引き立て、よりバニラ感を強く感じる。塩バニラアイスの上位互換といった味わいであった。
冒頭で「土に見える」「食べ物の見た目をしていない」とか言っていた自分をぶん殴りたい。
しかも個包装となるとアウトドア料理にも便利そうじゃないか。次回のキャンプに行く時は、肉を焼いて八丁味噌パウダーをかけて食べてみようかな。
参考リンク:カクキュー
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.
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