現在、『鬼滅の刃』コラボを開催しているホテルニューオータニ。客室がキャラクターをイメージしたデザインだったり、プレミアム宿泊プランでは鬼殺隊隊服仕様のバスローブがもらえたり、そのガチさはニューオータニクオリティーである。
そんなキャンペーンの1つとして開店しているのが東京のホテルニューオータニ40階にある「鬼の来ないレストラン」だ。2022年1月からやっているこのビュッフェ。3月度の限定メニューが「炎柱のトムヤムクン」だというから煉獄さんファンとしては聞き捨てならない。
・初めてのニューオータニ
だが場所を知らん! 私は人生でホテルニューオータニに行こうと思ったことがない! 炎の呼吸がメニューに応用できたことは実にめでたいが、この話はこれでお終いだな!
とか言ってたらライターとしての職務がエンディングを迎えてしまいそうなので調べてみたところ、どうやら東京メトロの赤坂見附駅の近くにあるようだ。
・鬼滅の刃の気配なし
昼夜ともに5部制で昼は「11:30~/12:00~/12:30~/13:00~/13:30~」、夜は「17:30~/18:00~/18:30~/19:00~/19:30~」と開始時間が決まっているのがちゃんとしている。ビュッフェの価格はサービス料込みで1万890円。そこで17時30分からの回を予約してダッシュで行ってみた! ドン!
建ち並ぶ巨大かつキラキラしたビルを横目に、どデカイ道路を渡ると、広大な敷地にウォールマリアみたいなビルが建っている。思わず『進撃の巨人』で例えてしまったが、それくらい世界感が違う。
本当に鬼滅の刃コラボとかやってるんだろうか? ここに入っていいのかすらよく分からない。警備員さんに止められるのではないか? だが俺は俺の責務を全うする! 炎の呼吸奥義玖ノ型「煉獄」!! ドドオン!
・浮いてしまう煉獄さん
ビビりすぎて思わず奥義を出してしまったが、普通に入ることができた。しかし、やっぱりウェルカムな空気がないのはなぜだろう?
そう思い、インフォメーション的なところで聞いてみたら、ここはニューオータニはニューオータニでも「THE GARDEN COURT(ガーデンコート)」。要はビジネスセンターのようだ。
鬼の来ないレストランは隣の「THE GARDEN TOWER(ガーデンタワー)」の40階なのだという。ニューオータニってビジネスセンターも併設してるんだな。英語だから微妙に分からなかった!
・エレベーターにビビる煉獄さん
鬼滅の刃のオーラが全くなかったのはそのためかもしれない。幸いにも6階にガーデンタワーへの連絡通路があるということなのでエレベーターに乗ってみたところ……何ッ!?
ボタンがデカすぎる……!
なんだこれは!? 押して大丈夫なのか? エレベーターどころかニューオータニが空に向かって飛び立ちそうなレベルのボタンではないか! 謎の挙動が起きそうでもはや怖い! しかし! そんなことで俺の情熱は無くならない! 心の炎が消えることはない! 俺は決して挫けない。
・煉獄さんの冒険
というわけで、6階につき、連絡通路を渡ると、今度こそガーデンタワーにたどり着いた。ホールに入ると同時にニューオータニスタイルになった我妻善逸のポスターが出迎えてくれる。ホールを探してみると宇髄天元も。
ホールからは2本の道が出ていて、ガーデンタワーは左なのだが、この他にもポスターがあるかもしれない。そこで右手に伸びるメインエントランスへの道を進んでみると……
すごい!
すごい! すごい!
すごい! すごい! すごい!
日本庭園を望むラウンジがあったり、店が立ち並んでいたり、建物の中なのに街の通りを歩いているようだ。そしてやっぱり、ところどころにポスターが見受けられた。ニューオータニの中に散らばって隠れてるみたいなところが良い。
・入口にたどり着く煉獄さん
さて、この階での責務を全うしたところでガーデンタワーの40階に向かおう。今回はエレベーターのボタンも普通だ。めでたい! 安心して押せる!
40階に着いてエレベーターを出るとすぐに鬼の来ないレストランがあった。ついに入口まで来た。藤の花の色の暖簾からすでに世界観をビンビン感じる。それにしても、この入口に立つまでに1500字以上書いてしまう事態になろうとは。長い! 長い!
・ホールに入る
さて置き、受付で名前を言うと中へと案内してくれた。ちょっとした廊下にはアニメシーンのイラストが飾られている。鬼滅の世界観をほぼ感じることのないままここまで上がってきたわけだが、暖簾を境に世界が切り替わるのもこれはこれで良いものだ。
そして、いよいよホールに入ると……
藤の花がお出迎え!
東京を一望できる席がとてもリッチだ。
・柱になる煉獄さん
さすがサービス料込みで1万890円。2重になったテーブルクロスの下の布が藤の色なのも芸が細かくオシャレだ。しかし、最もテンションが上がったのはレストランの柱。1本1本に鬼滅の刃のキャラがデザインされているわけだが……
煉獄さんがガチで柱になっていた。
物理的にニューオータニを支えている。責務全うしすぎィィィイイイ!
もちろん、他の柱たちも柱になっているわけだが、ホール内の柱を全部見てみたところ、なぜか胡蝶しのぶだけいない。このことについての詳細は後述するとしてビュッフェを見てみよう。
・煉獄さんセット
各キャラのメニューが揃っているビュッフェ。30種類くらいあるビュッフェメニューの半分くらいは鬼滅コラボのメニューだった。
煉獄さんのメニューだけ見ても、「炎柱のトムヤムクン」以外に、「煉獄の卵」と「炎の呼吸 肆ノ型“盛炎のうねり”(燻製香るスモークサーモン)」がある。ちなみに、煉獄の卵は1月以来の復活で、盛炎のうねりはずっとあるのだそうな。
そこでとりあえず、煉獄さんがらみのメニューを集めてみた。別会計の鬼滅の刃コラボノンアルコールカクテル(サービス料込み1980円)にも煉獄さんをイメージしたものがあったので購入。これがホテルニューオータニの煉獄さんセットである。
・トムヤムクンの真実
見た目的に煉獄さんを意識して作られたのが伝わってきたのはカクテルと盛炎のうねり。煉獄の卵はイタリアンに元からあるメニューだし、炎柱のトムヤムクンなんてただのトムヤムクンだ! だがしかし……
このトムヤムクンがめっちゃウマイ。
私のトムヤムクンの認識は酸っぱ辛いスープという程度のもので、どちらかと言うと単調な味が好みではなかったのだが、このトムヤムクンはコクが凄い。表面の酸っぱ辛さの奥に旨みが広がっていて次から次へと欲しくなるのだ。トムヤムクンのウマさってこれなのかもしれない。初めて本物のトムヤムクンを食べた気がした。
・わからせられた
ピンと来なかった料理がホームランだったことにより、一発でニューオータニの実力をわからせられた私。他の料理も食べてみたところ衝撃を受けずにはいられなかった。
ローストビーフってこんなにウマイことある……?
このローストビーフの正式名称は「猪突猛進スタミナ塊肉」。嘴平伊之助のメニューで、トムヤムクンと同じく鬼滅の刃感があるのは名前だけ。つまりはシンプルな普通のローストビーフなのだが、その柔らかさとジューシーさは全く普通ではない。
滑らかなのど越しにパサつきや喉に詰まる感じは1ミリもない。それでいてローストビーフなので脂臭さもなくあっさりしている。上質とはこのことか。
鬼滅の刃メニューで1番ウマかったのもこれ。おかわりしすぎて唐揚げを食べられなかった。食べ放題で唐揚げを食べずに終わることがあるなんて。よもやよもやだ。
・胡蝶はどこにいるのかと言うと
というわけで、コラボメニューに鬼滅の刃感はあまり感じられないのだが、それすらもどうでもよくなるほどの圧倒的な料理力がある。うまい! うまい!
最後に、ホールを出たところ、脇にバーのような空間があることに気づいた。覗いてみると、ホールにいなかった胡蝶しのぶがいる。ちょっと隠れている感じなのでファンの方はご注意を。柱の本数の問題かもしれないが、胡蝶しのぶだけ垂れ幕なのが唯一の惜しい点だった。
とは言え、コラボだけではなく「ニューオータニに来てよかった」と思わされた。正直、コラボが終わってもまた行きたい。
おそらく、煉獄さんファンにならなければ私がニューオータニに足を運ぶことはなかっただろう。そのプライスレスな体験に、改めて煉獄さんに感謝したい気持ちになった。遠くまで連れてきてくれてありがとう。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼夜景
▼夜になると照明がより綺麗に
▼バターもめっちゃウマかった
▼胡蝶しのぶのいたスペース
▼奥には竈門禰豆子もいる