たった100円で視力が回復するなら近眼者にとってこれほどの朗報はないだろう。視力0.1以下の私(中澤)がダイソーで『トレーニングメガネ』なるものを購入したことは以前の記事でお伝えした通りだ。

1カ月トレーニングした結果、視力が回復するとはどこにも書かれていないことが判明した本商品。だが、私はこう思う。「書かれていないだけで回復するかもしれない」と。そんなわけで3カ月間トレーニングを続けて眼科に行ってみた。

・あらすじ

おさらいをすると、トレーニング前に眼科で測った私の視力は右が0.08で左が0.07。眼科の先生にこれからダイソーのトレーニングメガネでトレーニングすることを伝えたところ、「近眼については世界中の人がずっと研究しているが、治るトレーニングは開発されていない」とキレ気味に教えてくれた

なるほど。つまりは、医学会の盲点に挑むわけである。したがって、この試みに意味があるかどうかはここで論じても仕方がない。要するに、やってみたら良いのだ。少なくとも、私の結果はそれで出るのだから。

・1カ月の結果

というわけで、トレーニングを開始。パッケージに記載されていた方法は、1日3分間、トレーニングメガネをかけて目玉を上下左右に動かすというものだ。

たった3分なのに、トレーニングをしているうちに眠くなってくるトレーニングメガネ。結果として、寝る前の習慣となり毎日続けるのが苦ではなくなった。ちなみに、天井の梁や木目を目印にするとやりやすいぞ。そして、1カ月トレーニングした後、同じ眼科で視力を測ってみたところ両目0.1に

・回復はしてない

数値が上がってる! とちょっと喜んだ私に、「近視は少し進んでいる。視力回復はしていない」とキレ気味に教えてくれる先生。0.1以下は看護師さんが手でパネルを持っての検査だったため、正確に数値化するのは難しいのかもしれない。つまり、誤差だったわけだ。

と、ここまでが1カ月続けたあらすじ。でも、事実、数値は上がったことにやる気を出した私は、その後もトレーニングを続けた。というか、もう完全に寝る前の習慣になっていて、3分程度だし特に止める理由もなかったのである。


・時を今に戻そう

ってな感じで3カ月。季節は秋から冬へ。トレーニング中の自分が寝ているだけの画像であってもTシャツからスウェットへの寝間着の変化に時の流れを感じることができるが、裸眼の視力が良くなっている気は全くしない。

しかし、劇的にアップしていない限り視力の変化なんて測ってみないと分からないことも事実である。そして、ちょっとした変化であったとしても、0.1が0.2や0.3になっていたとしたらもはや誤差ではない。無視できない回復と言える。そこで再度眼科へ。視力検査ボードが点灯した時、私は目を疑った。マジかよ……


〇すら見えねェェェエエエ

視力検査のマークが分からない場合、出口がくっついて〇に見えたりするものだが、かすみすぎてその〇すら本当にあるのかどうか分からない。白い板になんかぼんやり汚れが付着してる程度に見える。というわけで、視力は両目0.05という結果に。最初より落ちとるやないか……。

前述の通り、誤差という可能性が高いがガチへこみである。なお、先生いわく「目に異常はない」とのこと。メガネも今まで使っていたもので一般生活に特に問題はないのだとか。


・ありがとうトレーニングメガネ

というわけで、あっさり失敗に終わった私の挑戦。医学会はやはり甘くなかった。しかし、3カ月前は見えなかったそんな真実が見えたのだから、やっぱり心の視力は鍛えられたと言えるだろう

ありがとうトレーニングメガネ。私はこの3カ月の出来事を忘れない。目は良くならなかったとしても、お前は確かにトレーニングメガネだった。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.