ロンドン2号店も好調だという丸亀製麺。1号店がロンドンの都心部シティ・オブ・ロンドンにオープンしたのは2021年7月のことだったので飲食店にとって恵まれた状況とは言えないが、そこはさすが俺たちの丸亀と言えるだろう。
そんなロンドン店には日本にはない人気メニューがあるらしい。ロンドンっ子の心を掴んだうどんとは一体!? 丸亀製麺にご協力いただき特別に再現してもらったのだが……うわ~! そう言えばイギリスでこれめっちゃ流行ってたー!!
・行列だった日本食
見た瞬間、思わず懐かしい気持ちになってしまった。というのも、私(中澤)は2019年夏にイギリスに行っている。ロンドンだけじゃなく、ブライトンとかの店でも、メニューに「ありまっせ!」という感じで載ってたなあ……
ジャパニーズカレー。
丸亀製麺なのでカレーうどんとなっているが、これが人気メニューなのは、コロナ禍直前にイギリスに行った私からすると納得しかない。ロンドンのココイチなんて行列できてたしな。
・組み合わせの謎
丸亀製麺海外事業本部の菅さんによると、チキンカツをトッピングした「カツカレーうどん(約1047円)」が特に人気っぽい。確かに、ロンドンのココイチでも1番人気チキンカツカレーだったわ。そこでカツカレーうどんを用意してもらったところ……かつデッッッカ!
っていうか……
ガリ乗ってるゥゥゥウウウ!?
個人的な意見を言わせてもらえるなら、カレーうどんにもチキンカツにもガリが合うイメージはない。日本食をよく知らない外国人が作っているわけでもあるまいし、ガリが出てくる文脈がないではないか。この唐突なガリはどこから来たのか。
菅さん「確かに、組み合わせは珍しいかもしれませんね。ただ、海外だとやはり日本食と言えば寿司なんですね。なので、日本のものですという記号的な意味も込めてガリを使用しています」
──とのこと。なるほど、海外に出店する場合、そういう分かりやすさも考えなければならないのか。さて置き食べてみると、思ったよりも悪くない。ガリがカレーのしつこさをサッパリさせてくれるのだ。
・カレーに隠された秘密
カレーはまあごく普通のジャパニーズカレー。カレーうどんのつゆというよりは、カレーライス用のカレーソースと言われた方がしっくりくる感じのトロみがある。素朴さが家カレーっぽい。しかし、菅さんいわく、このつゆにも秘密があるようだ。
菅さん「実は、お国柄で、イギリスのつゆはビーガン仕様になっています。そのため、このカレーつゆについても動物性のものは使われておらず、野菜系から出汁を取って味を似せているんですね」
──マジかよ。全然分からなかった。言われてみたらちょっと後味がサラッとしている気もするが、本当に言われて初めて「そんな気がする」という程度である。
・ローカライズ
厳密に言うと、日本のカレーうどんとは似て非なるものだったイギリス丸亀製麺のカレーうどん。これに代表されるように、丸亀製麺の海外店舗では、丸亀としての根っこは貫きつつも現地の人の習慣や文化をリサーチし、舌にピントを合わせる味づくりが行われている。
ロンドンで行列になったのもさもありなん。今度イギリスに行く頃には、ジャパニーズカレーブームがうどんブームに変わっているかもしれない。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼それにしてもチキンかつが大きい。カレーよりもうどんよりもメインな感じ