「朝定食」と聞くと、個人的には松屋や吉野家みたいな牛丼チェーンがまず頭に浮かぶ。もしくはやよい軒などの定食屋か。いずれにせよ、早朝から開いてそうな店がやっているイメージだ。ところが……!

聞くところによると、なんでも焼肉チェーンの「安楽亭」が朝食メニューを販売しているらしい。焼肉屋で朝ごはんだって? いやいや何言ってんだ。そもそも開いてないだろ。絶対閉まってるだろ。朝の8時から焼肉屋が開いてるわけ……開いとるやないか! さっそく入ってみた!!

・安楽亭で朝ごはん

2021年10月から店舗限定で始まったという安楽亭の朝食メニュー(前もって実施していた店舗もあり)。近所のお店が販売しているみたいなので、妻を誘って家族で行ってみることに。


──ねえ、ちょっと安楽亭に朝ごはん食べに行かない?


「え? どこ?」


──安楽亭。


「どこ?」


──安楽亭。


「……どこ?」


──だから安楽亭だって言ってんだろうが!!!


・コントかよ

3回聞き返されたぞ(実話)。しかし無理もあるまい。焼肉屋なんてもっとも朝らしくない場所だ。朝食のイメージなどほぼ皆無と言っていい。事実、あまり浸透していないのかお客は我々家族のみ。人生初の焼肉屋貸し切りである。

さて、基本的に私(あひるねこ)は朝はコーンフレークくらいしか食べないので、実を言うと今もそこまで朝食を欲しているワケではないのだが、いざ料理が運ばれると、これがなかなかどうして……


想像以上にガッツリ焼肉である。


サラダ、スープ。


ライスに生卵。そして……


ファミリーカルビ(80グラム)。

これもう……ただの焼肉定食だろ。手加減なしか。「朝とか関係ねぇ。焼け……! 肉を……!!」という安楽亭側の強い意志を感じる。まさに朝焼肉。価格は税込594円だった。うむ、悪くない。『豚カルビ朝定食(80グラム)』だと税込500円でさらに安いぞ。うむうむ、悪くないだろう。

・いただきます

朝日を浴びながらテーブル中央でゴーゴーと音を立てるロースター。なんとも新鮮な光景である。さて、早々にサラダを片付けた後は、さっそく肉を焼いていきたい。


ジュージューやってーの


タレにつけーの


あぁむ!

肉はまあ普通のファミリーカルビだなって味ではあるものの、早朝から肉を焼いているという奇妙な背徳感も相まって倍ウマい。食べるごとに胃袋が焼肉モードになっていくのを感じる。つまり全然足りん。というワケでミニサイズのメニューをいろいろ追加したところ……


朝からパーティーになってしまった。

ミニファミリーカルビ(税込269円)、ミニ豚カルビ(税込214円)、ミニとんとろ(税込247円)、ミニキムチ(税込110円)を一気にオーダー。いよいよ今が何時なのか分からなくなってきたが、たまにはこういう元気な朝があってもいいのではないか。

最後は残ったご飯に生卵と焼肉のタレをぶっ込み、安楽TKGにしてフィニッシュ。ごちそうさまでした。


ちなみに!


安楽亭の朝食メニューは朝焼肉だけではなく、むしろ主役のオーラを放っているのは韓国粥(がゆ)である。全5種類で、一番安い『プレーン粥』は税込385円と朝ごはんとしてもお手頃価格。一緒にオイキムチ、かつおぶし、きざみ海苔が付いてきたぞ。

・朝粥の店として有能

量もそれなりにあって、注文した妻は非常に満足気。よく考えたら朝粥を食べられるお店って、お粥専門店を除くとあまり多くない気がする。そういう意味でも安楽亭はこれから活躍してくれそうだ。特に飲み過ぎた次の朝には良さそうである。

安楽亭の朝食は一応「朝7時~11時」ということになっているのだが、店舗によって若干違いがあるため、事前に安楽亭の公式サイトで確認しておいた方が確実と思われる。焼肉屋さんの朝ごはん、興味がある人はぜひ。

参考リンク:安楽亭、朝食メニュー実施店舗はこちらから(PDF)
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.