現金主義の私からしたら、なんでもかんでもキャッシュレスな風潮って、どうかと思う。もちろん、便利なのは分かっているし、一部の社会問題を解決するためのテクノロジーってことも分かってる。でも、なんかイヤ。
……いきなり個人的な感情をぶつけて申し訳ないが、今回の記事は1ヶ月ほどキャッシュレス生活をしてイチャモンをつけたいだけの記事なのだ。ゆるりと読んでいただけると嬉しい。
・なんで現金主義なのか
本題に行く前に、私が現金主義になった理由を語らせていただきたい。興味がない方は、次項「キャッシュレス生活の準備」まで飛ばして欲しい。
さかのぼること10数年、20歳になりたての時だ。夢と希望に満ち溢れ、瞳だってキラキラしていた私だが、ちょっとした金融系の詐欺に引っかかってしまい100万円ほど失った。
20歳の私にとって100万円は大金である。
社会的知識も乏しい当時の私は、詐欺に対しての対処もわからず、返済のため雪だるま式に借金を繰り返してしまい、気づけば借金は500万まで膨れ上がっていた。個人金融からも借りていたので、月の支払いは15万円ほどに……。
もちろん、生活費も発生するのだから地獄である。新たな人生のスタートで期待に胸を踊らせる成人式だって、会場でただ一人私だけは人生の終焉を感じていた。
とは言いつつも人間為せば成るもので、昼夜を問わずに働きまくった結果、20代半ばにて完済。しかし、地獄の数年間は私の心に根深いトラウマを植え付け、手持ちの現金以外は信用できなくなっていたのだ。
後払いとか、先払いとか、タイムラグがあるお金のやりとり怖い……キャッシュレスなんて最たるもんやん……。
・キャッシュレス生活の準備
さて、私の過去を知っていただいたところで、キャッシュレス生活の準備を始めよう。そもそもキャッシュレス生活の定義が分からないのだが、現金をいっさい使わないことだと理解した。
その方法として、あらかじめチャージする電子マネーとかデビットカードもあるけど、クレジットカードが大人キャッシュレスの代名詞だろう。で、いちいちカードを出してるのもナウくないから、すべてiPhoneのみで完結できるように設定します。
でも、おサイフケータイも使ったことがない私からすると面倒くさそう……って思ったけど一瞬で登録が終わったぞ。
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ちょっと待て、簡単すぎないか?
セキュリティは大丈夫なの? 落としたらどうするの? スマホなんて常時通信してるし、ピピっと勝手に読み取られたりしないの? 不安で外出もできないよ!!
いきなり壁にぶち当たってしまったわけで、この問題を解決できないとキャッシュレス生活は始められない。不安を解消すべくApple様にチャットにて問い合わせてみたところ、以下のようなご指導をいただいた。
「iPhone本体やサーバーにカードの情報が記録されることはないから心配するな。紛失したらApple Payを利用停止してください」
当たり前すぎてグゥの音も出ない回答だが、よく考えればスキミングされることもないし、落とした時にも画面ロックなどがあるので軽症で済むのかもしれない。
・便利すぎた
さて準備も終わったところで、キャッシュレス生活を始めてみたわけだが、まず利用できる場所の多さに驚いた。もちろん、お店の意向に依存している部分もあるだろうが、私がキャッシュレスで支払えなかった場所は以下の通りである。
・皮膚科の診療代
・券売機を利用したラーメン屋
・コンビニでの請求書払い
埼玉在住、34歳(独身)である私の生活圏においては、90%くらいはキャッシュレスでの支払いに対応していたぞ。イチャモンをつけるために決済できない場所を探したのだが、見つけるのが難しいレベルである。
・1ケ月過ごしてみて
さて、1ヶ月間キャッシュレス生活をしてみたわけだが、あまりにも快適すぎてキャッシュレスに懐柔(かいじゅう)されようとしていた。欠点がないのである。
が、しかし……その快適さゆえに、お金にズボラな人間にとっては、お金を払うハードル下がりすぎて危険かもしれない。
現金で買い物する時はさ、なんか、こう……
財布の中を見て悩みながらさ……
お金おろすときも口座と向き合いつつ自制してさ……
ブレーキが掛かかるんだけど……
キャシュレスだと お金を使ってる実感がなくてさ……
俺みたいに物欲があるタイプだとさ……
使いすぎちゃうよね……
私は絶望しながらこの記事を執筆しているが、皆様におかれてはキャッシュレスの波に飲みこまれて失敗しないように気をつけて欲しい。
i love cache forever……
執筆:hirazi(ひらじ)
Photo:RocketNews24.