2021年8月9日に、松屋の「創業ビーフカレー」のレトルト版が登場した。松屋の公式オンラインショップや、その辺のコンビニ、スーパーなどにて購入することができる。ただしこちら、どうやら松屋の店舗で出てくるものとは仕様が異なるらしい

松屋の公式HPには、新宿中村屋がアレンジしたと書かれている。マジかよ……! もとから激ウマな松屋の「創業ビーフカレー」に、あの中村屋の手が加えられている……だと? これはちょっと見逃せない。さっそく食べてみることに。

・324円

なお、コンビニやスーパーなどでも税込み324円で販売されているようだが、残念ながら筆者の行動圏内では発見することができなかった。ということで、今回は松屋の公式オンラインショップにて、5食セットで2500円のものを購入。


食べ方は一般的なレトルトカレーと同じだ。袋から出してレンチンか、袋ごと湯煎。製造者はしっかりと、株式会社中村屋である。箱裏側の右下には辛さのランクが書かれていたが、それによるとちょうど中くらいらしい。


湯煎し、中身を皿に出したのがこちら。


・店舗のも用意

今回は単にウマいかどうかだけでなく、松屋の店舗で提供されている「創業ビーフカレー」との違いもチェックしたい。ということで、そちらも用意。


店舗の創業ビーフカレーの蓋を開けて見比べてみると……


色の違いが一目瞭然


分かりやすく両方をスプーンですくい、同じ強さの光のもとで並べてみよう。左がレトルト版で、右が店舗版だ。レトルトは店舗のものよりも赤みが強くなっている。この色の違いが、味にどのような影響を与えているのだろうか。それでは食べてみよう。


・完全に別物

一口目ですぐにわかるのは、両者が完全に別物ということ。まったく味が違う。繊細な味覚の持ち主にしかわからないとか、そういうことは一切ない。誰でも0.5秒くらいで判別がつくくらい、両者の味わいは違う。おいおい、これでどちらも「創業ビーフカレー」だなんて、マジかよ……! 細かく要素別に感じた違いについて述べていこう。

まずは辛さのレベルだが、これについては同ランクだと感じた。ただし、辛さの仕様が違う。どちらも到達は比較的遅めだが、店舗版の方が早くやってくる。レトルト版は、店舗版よりもっと後からジワジワとくる。

具材の差も触れていこう。店舗版は、見てわかる通り肉のブロックが入っている。そんなに大きくは無いが、トロトロでホロホロの肉は嬉しいものだ。肉の存在は肉の塊そのものでしか感じられないが、そのかわり肉じゃない部分ではスパイスの味がより感じられる。

それに対し、レトルト版に目立つサイズの肉は皆無。では全く肉が入っていないのかというと、そういうわけではない。細切れになった牛肉がルー全体に行き渡っており、どこを食べても肉の存在を感じる。そのかわり、肉を含め色々な食材の味が全体に行き渡っているためスパイスらしさは控えめだ。

その他の要素だと、レトルト版の方が圧倒的にコク深く、細切れな肉や他の素材によってルーの粘度が高い。対する店舗版は、レトルトよりも圧倒的なオイリー感を有しており、そのオイリーさによってまったりとした食感がある。

どちらも「創業ビーフカレー」の名を冠しているが、仕上がりは完全に別のカレーだ。クオリティ的には同じくらいで、優劣がつくとしたらそれは個々の好みによるものだろうと思う。

色々と述べてきたが、間違いなく言えるのは、このレトルトカレーがレトルトとしてはトップクラスにウマいということだ。店舗の創業ビーフカレーに匹敵するクオリティを有している。好み次第では上回る評価もあり得るだろう。松屋のカレーファンには特に食べてみてほしい!

参考リンク:松屋
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.

▼個人的には、創業ビーフカレーのオイリー感が少し苦手なので、店舗よりもレトルト版の方がウマく感じた。