日本全国のレトルトカレーが集まっている浅草『カレーランド』。言わば、ご当地レトルトカレーのセレクトショップなわけだが、経営する猪俣夫妻は日本ご当地レトルトカレー協会の理事も務めている。

元々は夫の猪俣吉章(いのまたよしあき)さんが銀座カリーのファンだったことから始まった2人のレトルトカレーの旅。代表理事にして奥さんの猪俣早苗(いのまたさなえ)さんが、これまで食べたレトルトカレーは2500食以上とのこと。そんな猪俣夫妻にオススメのご当地レトルトカレーを聞いてみた。

・オススメその1「ほしいもカレー」

質問をしたところ、猪俣夫妻から「まずはこれかな」とススメられたのが『ほしいもカレー』だ。「昔ながらのほしいもで、まったりとして甘く、美味しすぎるためすぐに売り切れる」とのこと。その言葉通り、私がカレーランドに行った際、『ほしいもカレー』は売り切れていた。

そこでJA常陸(ひたち)の通販サイトから購入してみたところ、5箱税込み3580円、10箱で6080円だった。1箱換算すると、約600円~700円なので、そこまで高くはない。食べてみると……

完全に2日目のカレーの味。ドロッとしたルーが濃厚で、そのコク深さには確かに甘みを感じる。ほしいもも繊維に粘りを感じるほど柔らかくしっとりしていて味が染みこんでいた。

さらには、ほしいも推しなのに肉も割と入っている。この肉の食感も口の中でホロホロと溶ける感じで、全体的にトロける味が印象的だ。早苗さんいわく「これは後世に残したい」とのこと。その気持ちも頷ける味であった。


・オススメその2「常陸の輝きポークカレー」

吉章さんが「これも外せないね」と出してきてくれたのが『常陸の輝きポークカレー(税込み1100円)』。「常陸の輝き」は茨城県の新銘柄豚だが、このレトルトカレーはカレーランドが監修したものとのこと。

吉章さんいわく「普通旨みを出すのに脂を足したりするけど、脂を減らして挽肉で旨みを出している」という。ド素人である私(中澤)は、言葉を聞いただけでは違いが想像できなかったのだが……

食べてみると確かに違う。私の言葉で言うなら高級感がある味だ。カレーソースからあふれんばかりに肉の旨みを感じるのに、非常にナチュラルな味なのである。しかし、この高級感、どこかで食べたことがあるような……

と思っていたら、以前ご紹介したカレーランドオリジナルレトルト『カレーですよ』も挽肉で旨みを出しているのだとか。味はすれども姿は見えぬ、君はカレーの隠し味。ただ、『常陸の輝きポークカレー』が良いのは……

姿が見える肉もガッツリ入っていること

ぷるぷる豚肉のパラダイス。結果として満足感が大きかった。自分、やっぱり目で見たいッス! まだまだ若造ですんませんッス!!


・オススメその3「鯖カレー 八戸前 肉厚の沖さば 半身1枚入り」

そこで「目に見えるインパクトで言えばこれかも」と早苗さんが出してきてくれたのが『鯖カレー(税込み700円)』だった。鯖? 逆に地味なような……最後が鯖で良いんでしょうか。

と思いきや、ご飯にかけようとした瞬間、「ドーン!」と飛び出してくる鯖! いや、飛び出しきってない!! デカすぎてパウチに引っかかっている! そう、名前通り、このレトルトカレーには鯖の半身が1枚そのまま入っている。パッケージ詐欺ゼロ!

言うまでもなく鯖の味が凄い。しかも、ベースが野菜カレーのためヘルシーで、スッキリした後味。見た目のインパクトだけではないウマさだ。

・発見と出会いの店

さすが2500食以上食べているだけはある。レトルトカレーなんて当たり外れがあって然るべきだというのが私の見解だが、オススメされたものはどれもレトルトと思えない本格的な味であった。

なお、カレーランドは2021年で8年目くらいなのだとか。最初、足立区でやっていたが、以前の記事でご紹介したレトルトカレー自販機を置きたくて、6年ほど前に台東区に引っ越してきたのだという。

しかし、2500食も食べたら、新たな出会いってもうないのでは? 全国のレトルト食べつくしてるんじゃないですか? そう聞いてみたところ……


猪俣早苗さん「それが毎年新商品がいっぱい出てるんですよ! いまだに発見と出会いの連続ですね」


──と嬉しそうに答えてくれた。愛である。というわけで、店主が発見と出会いを続ける『カレーランド』は、客にとっても発見と出会いの場。浅草に来た時はぜひ寄ってみてくれ。

・今回紹介した店舗の情報

店名 カレーランド
住所 東京都台東区西浅草2丁目24−7
営業時間 11:00~19:00
定休日 火曜日

参考リンク:カレーランド
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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