吉野家って本当最高。魚もあるし、私(中澤)は1日2食吉野家でも一向に構わない。それだけに「通(つう)」は多いと思われるが、自他共に認める吉野家通がスキマスイッチの大橋さんである。
2021年5月25日に発売された公式ガイドブック『吉野家FAN BOOK』でも「真の吉野家通」と紹介されていた。そんな大橋さんにはオリジナルの牛丼の食べ方「大橋スペシャル」があるという。
・自信
レシピ記事も執筆することがある私。だから分かるのだが、自分の名前をつけるというのは自信の表れだ。しかも、「大橋スペシャル」という名前には、どういう食べ方なのかヒントが1つもない。
牛とか豚とかねぎ玉とか、普通はちょっと具が分かるものを名前に入れちゃうものである。そこを「大橋」だけで押し切る度胸。この食べ方には相当の自信が詰まっていると見て間違いないだろう。さっそく、吉野家に行ってみることにした。
・試してみた
なになに? まず、注文するのは『牛丼のアタマ大盛(税込み508円)』『お新香(税込み118円)』『キムチ・味噌汁セット(税込み162円)』か。お新香とキムチが食感的にカブッている気もするが、どう使うのだろうか。『吉野家FAN BOOK』に書かれている手順通りにアレンジしていこう。
1. 牛丼の肉を丼の半分に寄せる
2. 空いた部分にキムチをON
3. その上から七味をたっぷりかける
4. あとは豪快にかきこむだけ
お新香が置いてけぼりだとォォォオオオッ!? と思いきや、お新香と味噌汁は箸休めに使うようだ。ちなみに、お新香にも七味をたっぷりかけるという。だが、完成した「大橋スペシャル」を見てある疑問がよぎった。
どこからどこまでが大橋スペシャルなのか?
この定食的な食べ方が「大橋スペシャル」である気もするし、キムチ七味牛丼が「大橋スペシャル」である気もする。そもそも、「大橋スペシャル」って何なのか? キムチ牛丼ではダメなのか?
・たった1つの真実
混乱が混乱を呼ぶ「大橋スペシャル」。もはや「大橋スペシャル」とは概念なのかもしれない。あなたが「大橋スペシャル」と思ったところまでが「大橋スペシャル」的な。ただ1つ、確実に言えることは……
ウマイ
──ということ。牛丼にキムチ乗せて七味かけたらそりゃウマイ。しかも、吉野家のキムチは甘みが強いので、より牛丼がコク深く感じられた。こんなのウマイに決まってる。
・長い旅路の果てに
なお、2019年の吉野家のキャンペーン「#オレの吉野家 この食べ方が一番うまい!」第二弾でこのセットは登場していた。その際のニュースリリースによると、大橋さんは「吉野家に22年来、述べ数千回以上通い続けて」おり、「通う回数が多いからこそ、みそ汁お新香も頼んでバランス良く食べることもこだわり」なのだとか。
安定のチョイスは長い旅路の果てにたどり着いた境地なのである。何千回食べても飽きない味、それが大橋スペシャルの「奏」なのかもしれない。
参考リンク:宝島社「吉野家 FAN BOOK」、Amazon、吉野家(pdf)
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.