何が起こるか分からない世界である。当たり前の日常を送っていても、その当たり前はまばたきの後にはなくなっているかもしれない。私(中澤)が強くそう感じたのが、2020年8月に起こったレバノン・ベイルート港の爆発事故を見た時だ。
発展した港が灰塵と化すほどの衝撃波、そしてきのこ雲。当時、この様子は日本のテレビでも報じられていたが、約9カ月が経った現在、グーグルアースでベイルート港を見てみたら、事故の爪痕が地形に刻まれていた。
・史上最大規模の爆発事故
立ち上る黒煙の中にパチパチと火が瞬いたかと思ったら、次の瞬間起こる大爆発。「核爆弾によらない爆発としては間違いなく史上最大規模の一つ」とも言われているこの事故。3カ月後のTBSニュースによると、死亡者は190人以上、負傷者は6500人以上に上ったという。
・グーグルアースの事故前後
それだけの規模だけに、爆心地がエグれていることはニュースでも伝えられていたが、事故前と事故後のグーグルアースを見比べると、その衝撃の大きさを改めて実感した。まずは、事故前にグーグルアースで真上から見たベイルート港がこちら。
爆心地には多くの倉庫が建ち並び、港として発展している様子が伺える。続いて、2021年5月19日現在、同じように表示してみると……
埋立地のかくかくした海岸線が一部分だけへこんでいる。これが爆心地である。入り江のようなものができてしまっているのだ。別の角度でも見てみよう。まずは、事故前。
次に事故後。
例の入り江以外の部分の変化も爆発の威力を物語っている。発展した港が見る影もないのだ。
最近の産経ニュースによると、レバノンは政治空白が続いているという。ベイルート港が復興するのはいつのことか。ニュースは一瞬で流れていく世の中だが、我々の暮らしは持続していく。世界を飛び交う出来事の下には必ず人がいることを忘れずにいたいものだ。
参考リンク:YouTube、産経ニュース
執筆:中澤星児
Screenshot:Google Earth
▼爆発の模様と3カ月後の様子を伝えるTBSニュース